Zicoのリーサル計算をはじめからていねいに(?)

※リーサル計算は長考になりがちです。大会で35分の制限時間を意識するのはもちろんですが、フリープレイでもマナーを守って楽しくリーサル計算をしましょう。

こんにちは、最近Twitterのプロフィール欄に書ける実績が欲しいと思っているZicoです。

今日は構築……ではなくリーサル計算の記事になります。「お前レベルがリーサル計算を語るか」と、某漫画のようにもうひとりのZicoからお叱りを受けていますが、それなりに手間を掛けて書いたので勘弁してください。

リーサル計算というのは、一度考え出すとキリがなく、「なんとなく行けそう」「パット見無理そう」など雰囲気で考えてしまいがちだと思います。(私はしばしばそれで痛い目を見ています)

「公式サイトの攻略ページを読んだりして、序盤から中盤にかけての動きは慣れてきたけど、最後に詰めが甘くてなかなか勝てない」みたいな悩みを持っている方に読んでいただけると嬉しいです。

この記事では当たり前のことを一つずつ整理していきます。当然、リーサル計算の精度は一朝一夕で上達するものでもありませんので、コツコツと積み重ねましょう

攻めと守り、どちらから覚える?

当たり前な話ですが、リーサルを取るには相手のライフをオーラや対応の上から削りきらなければなりません。対して、相手からリーサルを取られないためには、オーラと対応を使ってライフを守りきらなければなりません

どちらもこのゲームにおいて重要なテクニックですが、優先順位は前者のほうが高いと思います。というのも、リーサルを取られないように立ち回る場合でも、最終的にはこちらがリーサルを取らなければならず、あとで詳しく述べますが「次のターンに死なない=勝てる」というのは、必ずしも真ではないためです。

また、リーサル周りを意識するのは自分のターンであり、自分が先に攻撃を行える以上、極論ではありますが確実にリーサルを取れるのであればそれ以降は何も考える必要がありません

この記事では、まずは自ら勝利を手にする方法から書いていきたいと思います。

あなたのリーサル計算はどこから?

結論から言いますと、開始フェイズからです。

ほとんどの場合では、リーサル計算は再構成の検討から始まります。ここで意識すべき点は「引きたいカードが引ける確率」「再構成のダメージによる1フレアが必要か」の二点です。

「引きたいカードが引ける確率」とはそのままの意味で、引きたいカードが山札にあるのか確認して、山札にあるなら再構成はせず、山札になければ再構成をする、という考え方です。
現在の間合いやリソースから引きたいカードを考え、少しでもそのカードを引ける可能性が上がる選択をします。その場合、リーサルには貢献してくれなさそうな、引きたくないカードが捨て札に存在する場合は、再構成を行うことでそれらを引き直してしまう可能性まで考慮する必要があります。

「再構成のダメージによる1フレアが必要か」とは、再構成をすることで宿すためのリソースを前進や離脱、後退に回せるようになり、結果的に使える攻撃札が増える、という考え方です。
しかし、自ら再構成を行うと、当然ですが返しのターンにリーサルを取られやすくなるリスクも上がるので、「再構成を行うことで、リーサルを取れる確率がどれだけ上がるか」「再構成を行うことで、リーサルを取りそこねてしまった場合に、返しにリーサルを取られる可能性がどれだけ上がるか」の二点を天秤にかけて検討を行いましょう。

以下の例題は、リーサル手段を『えれきてる』のみとして、それらの考え方を簡潔にしたものです。誤りなどがあったら教えて下さい。

例題1

以下の盤面(必要な情報のみ抜粋)において、(A)~(D)の確率と(E)について考えましょう。ただし、お互いのデッキには3枚の『でゅーぷりぎあ』があり、ターン開始時の手札はお互いに0枚であるとします。

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(A)再構成をせずに、このターンでリーサルを取れる確率

(B)再構成をして、このターンでリーサルを取れる確率

(C)再構成をせずにリーサルを逃し、かつ返しのターンにリーサルを取られる確率

(D)再構成をしてリーサルを逃し、かつ返しのターンにリーサルを取られる確率

(E)(A)~(D)より、再構成をするべきかそうでないか、考えましょう。

解答例

(A)1/2

(B)1-(6/9×5/8)=7/12

(C)(1-1/2)×2/4×1/3=1/12

(D)(1-7/12)×(1-(2/4×1/3)=25/72

(E)こちらがリーサルを取れる確率の上がり幅よりも、取りそこねた場合に相手からリーサルを取られる確率の上がり幅の方が大きいので、この場合は再構成はしないほうが良いと思います。

実際のライフダメージは攻撃札から出す必要があるので、ここまで確実な計算はできませんが、この考え方は様々な盤面で応用できるのでぜひ身につけましょう。

※追記

完全に忘れていましたが、山札が0枚の場合のみ、2点の焦燥ダメージをライフで受けることでフレアを2点増やせます。基本的には新しいカードを引いたほうが得なことが多いですが、『天音揺波の底力』『灰滅』の二枚だけは例外です。

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この2枚は、かなり厳しい制約がある代わりに、ライフに通すだけで勝てるほどのパワーを秘めたカードなので、通常のリソース計算を度外視して考える必要があります。ユリナやウツロを宿して、これらの切札を採用するときには気をつけましょう。(私はTwitterで指摘されるまで忘れていました)

楽観的リーサルと悲観的リーサル

再構成の有無を判断してカードを引いたら、次は現在のリソースでのリーサル判断を行います。

私はここで「相手が対応をしなかった場合にリーサルを取れるか」を考えます。私はこれを『楽観的リーサル』と呼んでいます。
まず、このターンで使用できる攻撃を整理します。そして、それらが全て理想的な受け方(こちらからすると最も都合の悪い受け方)をされた場合に、相手のライフを0にできるか計算します。

まずは、対応を全く持たない銃槌(ヒミカ/ハガネ)を相手に、刀薙(ユリナ/サイネ)vs銃槌(ヒミカ/ハガネ)におけるリーサルを検討してみましょう。

例題2

以下のような盤面で、どのように立ち回ればリーサルを取れますか?ただし、次の相手のターンの焦燥は計算には含めません

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解答例

響鳴共振→集中宿し→律動弧戟→圧気納2オーラ→八方振り→集中前進→一閃の順番で確実にリーサルを取れます。(別解があったら教えて下さい)

楽観的リーサルが可能な場合は、相手の対応を加味して判断しなおします。私はこれを『悲観的リーサル』と呼んでいます。
楽観的リーサルは客観的に判断がつくのに対して、悲観的リーサルは「どれぐらいの対応を見込むか」という点で主観的であると言えます。

悲観的リーサルの検討を行う場合でも、対応によって打ち消されるであろう攻撃を無いものとみなせば、楽観的リーサルの場合と同じような方法でそこそこの精度のリーサル計算を行えます。ただし、相手がステップ対応をした場合に、元の間合いに戻るための余剰リソースがあるかは別途計算しましょう。

楽観的リーサルが不可能な場合は、どう頑張ってもそのターンではリーサルを取れないので「しゃがみ」になります。このときに意識することは「次の相手のターンのリーサルを防ぐ」「次の自分ターンのリーサルの確率を上げる」の二点です。

優先順位としては、前者から考えることが多いです。というのも、次の自分のターンの状況は相手の行動によって左右されやすく、予想が難しいためです。
そして、相手のリーサルをケアしたい場合でも、どれぐらいのレベルでケアを行うかは、自分のリソースや余力と相談する必要があります。自分の攻め筋を捨ててまで守りに回ることで、かえって敗北に近づいてしまう可能性もあるのです。

状況によっては、相手の引きが上振れた場合は素直に諦めて、一番有り得そうなパターンのケアまでに絞ることも考えられます。

次は、少し難易度を上げて忍爪(オボロ/ライラ)vs刀扇(ユリナ/トコヨ)におけるリーサルの検討について考えてみましょう。

例題3

以下の盤面でリーサルを取ることを考えます。(A)~(D)について考えましょう。ただし、全ての切札は未使用で、『鳶影』から使用できるのは手札にあるカードのみとします。

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(A)『楽観的リーサル』は可能ですか?

(B)相手の手札に『詩舞』『雅打ち』、切札に『浦波嵐』がある場合、リーサルは取れますか?

(C)(B)の『浦波嵐』が『久遠ノ花』の場合、リーサルは取れますか?

(D)(A)~(C)の『楽観的リーサル』と『悲観的リーサル』から、このターンにリーサルを取りに行くべきだと思いますか?

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(B)の盤面

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(C)の盤面

解答例

(A)どう見ても取れます。

(B)『壬蔓』を使用して他の二枚の切札を使用可能にした後に集中前進を行い、『鳶影』からの『影菱』で『雅打ち』を抜くところまでは確定です。そして、残った『浦波嵐』で『鋼糸』を、『詩舞』で『風雷撃』を相殺された場合を考えます(理想的な受け方)。なお、この『影菱』はライフ受けされたものとして以降の計算は行います。オーラ受けの場合は少しリーサルが楽になるので、気になる人は自分で計算してみましょう。
『影菱』がライフに通ると相手のライフは2となり、『詩舞』の後退と『誘導』から相手のオーラは実質3とみなすことが出来ます。よって、このターンでリーサルを取るためには、
①残った攻撃札でライフを2点取る
②残った攻撃札でライフ1点とオーラ3点を取る(焦燥が受からない)
のどちらかを満たす必要があります。最終的に相殺されずに残った攻撃は『雷螺風神爪』と『壬蔓』で、雷神ゲージが5であり、間合いを操作するためのリソースも十分にあることから、確実にリーサルを取ることが出来ます

(C)『久遠ノ花』で『雷螺風神爪』が打ち消されると、『鋼糸』と『壬蔓』が残りますが、どちらもオーラで受けられてしまい、オーラ0ライフ2までしか削ることが出来ず、リーサルを取れません

(D)そもそも、『久遠ノ花』が採用されている場合、次の自分のターンの再構成も含めると、他の攻撃はライフ受けする余裕がなく、再構成から『斬』などを引かれたり、再構成をしなくても『月影落』『天音揺波の底力』などの切札が採用されていた場合は負けが確定します。つまり、ここでは「そもそも『久遠ノ花』がないか、『久遠ノ花』はあるけれど手札に対応が揃っていない」という勝ち筋であることをお祈りする必要がある、と私は考えます。
自信はありませんが、私ならこの盤面を「『久遠ノ花』があり、それに加えて手札が二枚とも対応だったり、手札の対応はケアできても『浦波嵐』まであるといった条件が加わると現時点で詰んでいるが、そうでなければ勝てるのでリーサルが取れたらラッキー」と捉えて全ツッパすると思います

うまくしゃがむには

ここからは、相手の攻撃を耐えきるためのリーサル計算についての話をします。

まず、当たり前のことですが焦燥のダメージは必ず意識しておきましょう。焦燥ダメージがライフに通って負けること防ぐのはもちろん、必要であれば再構成の分のライフを残しましょう。
反対に、相手の山札の枚数が0 or 1枚の場合は、焦燥によるダメージを見込んでリーサル計算を行えます。また、大抵のメガミは「再構成できない=火力が出せない≒負け」の図式が成り立ちます。必ずしも自分の攻撃のみでライフを0にしする必要はない、ということを意識しましょう。

次のターンに生きているかどうかは、相手の手札や切札を予測して、相手の立場からリーサル計算を頭の中で行えば大丈夫です。ただ、このときに「勝ち筋を残す」という点だけは必ず忘れないようにしましょう。例えば、焦燥合戦で勝てる見込みがないのにむやみに後退することは、「緩やかな自滅」を意味しています。

余裕があるときには最悪のパターン想定まで行い、余裕がないときには、引きや構築が上振れた場合のケアを切るといった「勇気の切断」が必要です。ただ、ケアを切る場合でも「相手の切札も引きも下振れする可能性に賭ける」「切札の組み合わせは○○と××だろうから、理想引き以外はケアできるようにする」など、どの程度までのケアを残すのかはしっかり考えましょう

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リーサル時のフローチャート

あとがき

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

実際には、サリヤであれば追加基本動作、ウツロであればダストの数、ヤツハであれば鏡映数といった具合に、対面するメガミごとに考慮するべき要素がいくつも追加されていきます。今回はそれらについては触れず、広く利用することができる内容について記事にしました。

私が普段考えていることを頑張って言語化しましたが、私のミコトとしての実力は半人前です。なので、この記事の情報のみを鵜呑みにはせず、ぜひ自分で考えて、改善してもらえたら良いな、と思っております。
そして、気が向いたらその内容を言語化してくださると、私は非常に嬉しいです。

また、今回いくつか使用した『例題』は皆さんが普段行っている桜花決闘の中に沢山存在しています。やはり、手っ取り早くリーサル計算のスキルを上げるには、感想戦でリーサルの取りこぼしがないかじっくり検討してみることが一番だと思います。

フリープレイや大会の桜花決闘でで感想戦を行うことも非常に重要ですが、『準公式シミュレーター』を使うと、巻き戻しも出来て非常に便利です。
DiscordやTwitterでしばしば対戦相手を募集しているので、興味を持った方はよろしければ対戦相手になってください。(もちろん、感想戦でのリーサルの検討も大歓迎です)

考察の内容の関係の有無を問わず、気になった点やご意見、ご指摘などがございましたら、このブログのコメント欄か、私のTwitterアカウントまで持ってきてくださると、非常にうれしいです。
この記事の画像は「ふるよにコモンズ/BakaFire,TOKIAME」から拝借したものを使用しております。
URL: https://main-bakafire.ssl-lolipop.jp/furuyoni/na/rule.html

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