YS秋葉原感謝祭レポート!旗櫂算(ホノカ/ハツミ/アキナ)

 どうも皆さんこんにちは、Zicoです。
 今回書くのは、12/24(日)の大公式大会:YS秋葉原感謝祭のレポート記事です。YS秋葉原感謝祭については、以下の公式ブログをご参照ください。

bfpblog.bakafire.main.jp

 この大会で私は旗櫂算(ホノカ/ハツミ/アキナ)を宿しました。結果は5-0、優勝でした。ハツミ様は私の最推しメガミなので、2023英雄の証を入手できて非常に嬉しいです。

 前回の32人大会(オフライン完全祭)では0-3ドロップという結果で、だいぶ凹んでいました。色々と検討をサボった自覚はあり、起源祭の優勝から来た甘えが結果に反映されてしまったと反省しました。場末とはいえブログを書いている身として同じような体験はしたくなかったですし、ちょうど英雄の証も更新された(しかもハツミ様!)ので、今回はもう少し真面目に取り組もうと考えていました。
 そのような気持ちで臨んだのが今回のYS秋葉原感謝祭だったので、満足のいく結果で終えることができて非常に良かったです。

 この記事では初めに選出までの経緯を説明して、その後に三組(旗櫂・櫂算・旗算)について解説、最後に5回分の対戦について振り返ります。
 かなり長い文章になってしまうかと思いますが、最後まで読んでもらえたら嬉しいです。それでは、始めていきましょう。

1. 選出経緯

 今回のYS秋葉原感謝祭ですが、12/9(土)のゲームマーケットでS9の情報が全て出揃ってから15日後の大会でした。そのため、準備期間の短さという点で、従来の32人以上の大会とは大きく異なっていました。このようなタイミングで意識するべきは、S9のメタゲーム予想と、それに基づく検討事項の選別です。

 ここでは、新環境のメタゲームの個人的な予想を述べて、その後に私が今回のYS秋葉原感謝祭に旗櫂算を持ち込むに至った経緯を説明します。

1.1. 新環境について

 当たり前ですが、新メガミの追加とS8-2→S9のカード更新により、環境は大きく変わることが予想されました。具体的なカード更新の内容については、以下の公式ブログ記事をご参照ください。

bfpblog.bakafire.main.jp

 これらのカード更新について、強い/弱いという点でのみ評価すると以下のような印象でした。あくまで12/24(日)時点での私の所感なので、参考程度にとどめてください。

ユキヒ
 概ね弱体化です。『はらりゆき』の適正距離3が消失したことにより、近距離で戦いたい傘Xは『ゆらりび』が当たらない相手に対して非常に弱くなりました。特に、『ウバラザキ』のフレア裂傷を『はらりゆき』で踏み倒す構築はかなり厳しくなったので、傘鋸(ユキヒ/シスイ)はほとんどいなくなると予想しました。
 ただ、『はらりゆき』に代わって『しこみび/ねこだまし』はナーフ前に戻ったので、中距離の傘Xは強化された印象です。しかし、『はらりゆき』の適正距離から6が消えたことで銃傘(ヒミカ/ユキヒ)は全盛期の力を取り戻すには至りませんでした。結局、警戒が必要な傘Xは忍傘(オボロ/ユキヒ)*1と傘櫂(ユキヒ/ハツミ)*2ぐらいといった印象です。

シンラA
 強化です。少し増えることは予想されましたが、経典のケアは基本動作による比重が大きいので、選出の時点での警戒は不要だと判断しました。ただ、プレミ防止のために、自分の持っている『使徒』は見えやすい場所に置いたほうが事故が減らせて安全だと思いました。

レンリA
 少し弱体化です。『魚吊り』がなくなったことで、中距離メガミもレンリAを相手に戦いやすくなりましたが、『ラナラロミレリラ』や『夜山恋離のなれの果て』からの『完全論破』は健在なので有利/不利がひっくり返るほどではないと思います。また、『神授』とその入れ替え先はカード変更がなかったので、大会にも余裕で持ち込めるという認識です。

アキナ
 少し強化です。アキナはS8-2時点でも遺算鋸(レンリA/アキナ/シスイ)といった強い三柱に含まれていたので、S9でトップメタを張る可能性は十分にあると予想しました。そのため、宿すことを検討するべきであると同時に、対面に来ることも想定するべきであると考えていました。

シスイ
 かなり弱体化です。『金屑纏い』でオーラ裂傷を与えて、次のターンに前進する動きができなくなったので、一巡目の折衝で主導権を握りづらくなりました。加えて、『ウバラザキ』が間合い4で使えなったことで、相手が前進拒否した場合はオーラ4フレア2で『ウバラザキ』を再起させる動きが難しくなっています。しかし、中盤以降の出力は概ね今まで通りなので、メタゲームによっては採用を検討するレベルではあります。

サイネA
 諸説です。3/Xや-/Xを持つ相方と合わせる場合は、『二重奏:弾奏氷瞑』の消費フレアが(条件付きで)軽くなったことで、ライフダメージのバフを活かしやすくなりました。そのような場合では、強化といえるでしょう。
 しかし、それ以外の場合は『八方振り』『氷の音』を持たなくなったためにサイネA単体でのビート性能が減少し、『二重奏:弾奏氷瞑』から不可避バフ、萎縮、ドローなどが消えたことも相まって弱体化した印象です。
 選出時点での警戒は不要だと思っていますが、『合奏』絡みはプレミを誘発しやすいの注意が必要です。対戦するときは手元に置いておくと安心できそうですね。

トコヨA
 弱体化です。『奏流し』は少し強くなりましたが、火力についてはミソラが上位互換に近いので、-/1打点によるクロックメガミという枠では存在感に欠ける印象があります。変更後の『二重奏:吹弾陽明』はトリガーが相手依存となり安定しなくなったことから、従来の『二重奏:吹弾陽明』を軸にしていた笛Xはかなり解散気味です。
 したがって、サイネAと同様に選出時点での警戒は不要だと思っています。ただし、カードの入れ替わりが非常に激しいので、『合奏』含めて勘違いをしないよう細心の注意を払う必要があります。

 ここまでがカード更新についての所感となります。
 次に、新しいメガミの電子(オボロA2)弓(ミソラ)についてです。こちらも、詳しく解説しようとすると長くなってしまうので、結論だけを簡単にまとめます。
 各メガミのカードについては、以下の公式HPカードリストからご参照ください。

main-bakafire.ssl-lolipop.jp

オボロA2
 これからの研究で覆る可能性は十分にありますが、現状は概ね忍(オボロ)や戦略(オボロA2)と同程度の強度という印象です。少なくとも、12/24(日)の時点ではオボロA2単体としては無警戒で問題ないという印象です。

ミソラ
 『風孔』『カガゲルカゲ』といった汎用性の高い対応に加えて、『弓流し』『早矢乙矢』『ミハテヌハテ』とった複数のクロック手段を持つメガミです。個人的には、「防御力のパラメータを少し攻撃力に割り振ったトコヨ」といった印象を持っています。
 かなり強い主張を持っていますが、オーラ圧が少なかったり全体的に切札耐性が乏しかったりと、ピーキーな性能を持っているため相手の強い動きが明確で、対策は講じやすい印象です。言い方を変えると、対策なしだと相手の主張を一方的に通されて完敗となる場合もあり得るので、選出時点での警戒は必須になると考えていました。

 ここまで長くなってしまいましたが、以上を踏まえた私の環境予想および選出基準は、以下のとおりです。
①ゲームスピードの鈍化
 シスイが減るため、環境はかなり低速化するはずです。それに伴って、従来はゲームスピードが課題だったメガミが選出できるようになり、それに伴い強いとされるカードも変化していくと予想しました。
②中距離環境
 シスイとレンリAの減少に伴い、シスイの『黒き絆』『アブダグイ』、レンリAの『魚吊り』『ラナラロミレリラ』を苦手としていた、強い主張を持つ中距離メガミが増えるはずです。そのような中距離メガミを宿すことを検討すると同時に、それらのメガミに対する対策が必要になると予想しました。
③三柱の方向性は算XY
 宿すメガミの有力候補でも想定すべき対面でもあるのは、アキナです。一応、アキナに対抗する手段を持つメガミは存在はしていますが、大幅な有利を取るには至りませんし、加えて全体的にピーキーな性能を持つメガミが多いので、安定して勝ちたいなら宿す側に回ったほうが無難だと予想しました。
④メタの中心は弓
 ミソラへの対策は必須です。ミソラメタの筆頭は毒XYや鎌(塵)XYで、可能であればそこまでを見据えて有利を取れるような選出を意識したいところです。

 ここまでを前提として、以降の節で旗櫂算の選出理由を説明します。

1.2. 旗櫂算の選出理由

 先述の通り、YS秋葉原感謝祭の環境予想と選出基準は、
①ゲームスピードの鈍化
②中距離環境
③三柱の方向性は算XY
④メタの中心は弓
の4つでした。仮説を立てたのは12/9(土)に新拡張の情報が出揃ったタイミングで、この時点では旗櫂算の他にも旗算弓(ホノカ/アキナ/ミソラ)毒塵橇(チカゲ/ウツロA/コルヌ)なども考えていた記憶があります。
 この時点でぼんやり考えていたこととしては、
・ミソラ自体が繊細なメガミでリソースも潤沢とは言い難いことから、搦め手に長ける毒塵橇は弓X全般に対して強く出られるだろう。
・毒塵橇などを想定するなら、ミソラを宿す場合に横に添えるべきはリソース供給に長けたメガミだろう。(例:ホノカ、アキナ)
・旗櫂算であれば、ミソラに対して主張を持てる(詳細は後述)うえに、毒塵橇に対しても有利を取れる*3だろう。
といったものがあります。ただ、12/10(日)のネット対戦(シミュレーター読み替え)で旗弓を使って敗北してからは、旗弓Xの検討は止めた記憶があります。

 次に検討をする機会は、12/16(土)のお気楽交流祭でした。ここでは、毒塵橇を可能な限り持ち込んで、少しでも多くの弓を倒して毒塵橇を流行らせようと画策していました。(そして、その毒塵橇を旗櫂算で倒そうという算段でした)
 そんな心構えで臨んだお気楽交流祭でしたが、初戦のY裏さんから旗櫂算をお出しされて「マジか~」と困ってしまいます。※お気楽交流祭なので、『困りますボタン』を押すのは、あくまで心のなかにとどめました。

こまりますボタンjp.daisonet.com

 もちろんその対戦は負けましたが、そのあとの塵橇vs傘弓(ユキヒ/ミソラ)でも引きの偏りが多少あったとはいえ、ギリギリ負けてしまいます。その日は、なんとも微妙な手応えで終わりました。
 お気楽交流祭から帰宅後、「傘弓であそこまで肉薄できるなら、やはり弓XYを考えるべきなのでは?」と考えました。そのなかでも、弓算は概ね扇算(トコヨ/アキナ)の上位互換だろうと予想していたので、まずはその横を探す方向性で考えることにしました。
 このとき、弓Xの相方に求めるものとして、
・クロックという弓の主張を補強できること
・オーラを薄くしてきた相手を咎める手段を持つこと
・リソース確保手段を持つこと
の3つを掲げました。そして、最終的には、三柱目としてレンリAを思いつきます

・『偽りの武器』で『ミハテヌハテ』や『弓流し』を-/2にできる。
・『欺瞞の霧』や『御劔桐子の巫女神楽』でオーラの薄い相手を咎められる。
・『最初の桜鈴』でリソースを確保できる。
…これだ!と思い、12/17(日)の大会遺算弓(レンリA/アキナ/ミソラ)を持ち込み、そのまま優勝して概ね仮説が正しいことが確認できました。

 しかし、実際に使ってみると色々な弱点も見えてきて、例えば以下に示すような課題を感じました。
・私が組んだ弓算は『算盤珠』を用いたライフ回収がダメージプランに組み込まれていました。そのため、オーラ回収よりもオーラ投資の回数が多くなり、全体的にリソースが不足気味でした。したがって、一般的な算Xにありがちなリソースの余裕は感じられず、繊細な印象を受けました。
・遺弓の打点は『偽りの武器』からの-/2攻撃に依存するため、最初の『神授』を『最初の桜鈴』にすると打点が激減してしまいます。そのため、相手もリソースが豊富だと時間切れ両者敗北のリスクがありました。
 さらに、その後のフリプで遺弓を使ったところ某令和ふるよに最強プレイヤーの塵橇に完敗してしまい、「これちょっとダメそうだな」という感想を得て、24(日)のYS秋葉原感謝祭の本番には遺算弓は持ち込まないことにしました。(もちろんこれは黙っていました、遺算弓が増えてくれたらお得なので)

 ただ、同日に不幸中の幸いもありました。それは、遺弓算を試すなかで、旗櫂算が弓算に対して有利を取れそう、というものです。そのため、YS秋葉原感謝祭まで脆弱性が発見されない限りは、旗櫂算を持ち込むつもりでいました。
 また、この時点で色々な人が旗櫂算を使っていたので、旗櫂算の秘匿は諦めました。その代わりに、積極的に大会後のフリプで使って対戦数を稼ぐことにしました。

 様々な三柱とフリプなどで対戦して気づいたことがいくつかありました。例えば、ゲームスピードの鈍化に伴いライフ回復が付いている『突撃霊式』と、複数回の萎縮と山破壊でテンポとライフの両方でリードを取れる『ミオビキ航路』は相対的に強い立ち位置にあるということです。
 この二枚のお陰で、旗櫂算の対策をしていない一定強度以下の任意の組み合わせに対しては全体的に微有利以上を取れている感覚がありました。それが、旗櫂算に気持ちが偏った理由でもあります。

 正直、旗櫂算のなかでも旗算以外はエアプだったので、経験値不足が懸念されましたが、
某飲酒ふるよに勢さんが銃旗櫂で勝ちまくっていたことが幸いして、なぜか旗櫂が帰ってこなかったので、旗櫂の知見不足が問題になりづらかった。
・櫂算が概ね典型的なビートダウンの算Xで、相手が悪いときの微妙な打点の細さ含めてS8剣算(カムヰ/アキナ)あたりと同じような感覚で回せたので困らなかった。
といった要素が複合的に重なり、「12/24(日)までは何とか誤魔化せそうだ」という結論に至りました。S9開始から1ヶ月以上経ったら、おそらく旗櫂の過大評価が改められ、強い人達は旗櫂か櫂算を三面でメタれるような三柱を見つけられていたことでしょう。

 それはそれとして、12/23(土)の大会でも旗算と櫂算の両方で算弓に勝つことができ、決勝戦やその後のフリプでは旗櫂が思っていたよりはちゃんと強いことも確認できました。そのため、特に軌道修正はせずに旗櫂算で12/24(日)当日も臨むことにしました。

 ここまでが三柱選出までの経緯です。ここからは、大会当日のレポートに入る前に旗櫂算の各組み合わせを紹介します。

2. 旗櫂算の紹介

 最初に断っておきますが、旗櫂算で20回弱ほど対戦したなかで、返ってきた頻度は櫂算>旗算>旗櫂で体感6:3:1です。したがって、旗櫂についての説明は想像がかなり混ざっていることをご留意ください。(なんで誰も旗櫂のブログ記事を書いてないんや……)

2.1. 旗櫂

 旗櫂の主な主張は『精霊式』と『波呼び』にあります。
 『精霊式』は序盤にダストを生成してくれるので、安全に『波呼び』を展開することができます。そして、『波呼び』の【展開中】効果で山札を増やすことで、開花した『守護霊式』を再構成や『四季はまた廻り来る』に頼らずに確実に引くことができます。
 さらに、『波呼び』の優秀な点として「破棄時にダストが2つ増える」というものがあります。これは『羅針盤』と特に相性が良く、「『波呼び』破棄→『水雷球』→生じたダストで『羅針盤』展開→『守護霊式』」は頻出手筋の一つです。この動きを取る際に、『波呼び』の【展開中】【破棄時】効果で山札枚数を予め奇数に調整していれば、次のターンには確実に開花した『突撃霊式』を引けます。逆に、山札を0にしておくと『四季はまた廻り来る』から『突撃霊式』を同じターンにそのまま使用できます。

 また、『波呼び』は【展開中】効果で毎ターン山札を増やせるので、破棄されるまでの間は山札が1枚ずつしか減りません。対して、【展開中】効果が発動し続けるということは即ち逆風でターンを返され続けている状況であるため、相手の山札は『ミオビキ航路』によって減り続けます。
 このような、山札の増減による再構成ダメージも塵も積もれば何とやら……と無視できない要素です。これだけならハツミ単体でも再現可能な挙動ですが、旗櫂はこれに『桜花のお守り』によるライフダメージへの防御、『突撃霊式』によるライフ回復といった要素が加わります。したがって、「攻撃している側のライフが、逆に何故かジリジリと減っていく」という不思議な盤面を作ることができます。

 他にも、『波呼び』に関連した旗櫂の小ネタとして、
・『桜花のお守り』で伏せたカードを引き直せる。
・『神霊ヲウカ』ケアで間合い5まで後退されても、【破棄時】効果で前進すれば『神霊ヲウカ』を使える。(もちろん、間合い0における離脱も同様)
などがあります。『神霊ヲウカ』に関連した小ネタは多く、
・『水雷球』で間合い1を踏むことで後退によるケアを難しくさせる。(間合い5まで下がって『神霊ヲウカ』をケアするという動きへの対策)
・『羅針盤』で適正距離5を追加して後退によるケアを難しくさせる。(『突撃霊式』から『神霊ヲウカ』を作る場合の典型的な課題である「相手が間合い5にとどまる」というケースへの想定解)
・『ミオビキ航路』で萎縮させることで、纏い直しや後退によるケアを難しくさせる。(逆風で返すと『神霊ヲウカ』がライフに通り、順風で返すと今度は『波呼び』【破棄時】効果から『水雷球』『水流』『イサナ海域』でリーサル、という盤面を作れる)
などなど様々です。(考えてはいたのですが、結局使いませんでした)

 基本的には、『ミオビキ航路』で相手のリソースを縛りながら『精霊式』の開花を進めていくだけで、特に対策を考えていない相手には主導権を握って立ち回ることができます。また、『神霊ヲウカ』『水流』『強酸』とライフダメージを確保できる優秀な通常札を多く持つことから切札の自由度が高く、相手に合わせた構築を組みやすいという点も魅力の一つです。

 最後に、仮想対面としてミソラに対して使おうとしていた構築を紹介します。

精霊式/桜吹雪/桜花のお守り/水雷球/水流/強酸/波呼び
イサナ海域/ミオビキ航路/自由枠

 ミソラ対面における後手の場合の基本的な立ち回りは、
後手1T:手札を伏せて宿し
(相手の『早矢乙矢』に対応『桜花のお守り』で打ち消し)
後手2T:集中宿し→『ミオビキ航路』→集中纏い
後手3T:(集中前進→)『精霊式』→間合い8で『波呼び』展開
後手4T:順風なら『波呼び』【破棄時】効果で『水流』『水雷球』を構えて攻撃、逆風なら『強酸』から『水雷球』で間合い2を踏んで『守護霊式』を構える
といった感じで考えていたことにしました。先手の場合は2T目に『精霊式』から『波呼び』を展開できるように初手で前進でもすれば多分大丈夫でしょう。
 弓Xは「『早矢乙矢』で1点、『弓流し』で2点、『ミハテヌハテ』で2点、再構成で3点……」みたいに構築の時点で打点が決まっている場合が多いので、『桜花のお守り』で攻撃札による打点、『波呼び』で再構成によるライフダメージといった相手の計算を妨害しながら、『ミオビキ航路』の萎縮からの『桜吹雪』や『強酸』でライフを詰めていきます。
 ミソラ側のよくあるホノカ対策として、「『カガゲルカゲ』で『守護霊式』を打ち消す」というものがありますが、実際は間合い2~3に着地していれば、相手は逆風で返すために『狙い蹴り』などの攻撃札を使用せざるを得なくなるので、そこに対応として合わせれば大体解決します。(順風で返してくれるなら大体『水流』とかに『カガゲルカゲ』を切ってくれるので、そこから満を辞して『守護霊式』を振ればOKです)

 ここまでやって『突撃霊式』が作れれば、あとは大体手なりで攻撃札を振っていれば、【攻撃後】効果のライフ回復で相手の勝ち筋がなくなるか、あるいはこちらがリーサルを取って勝つか……になると思います。(未検証)
Q1. 『そして新たな幕開けを』はどうなの?
A1. 『ミオビキ航路』の萎縮のおかげで相手の動きを制限できるため、パズルがやりやすいです。したがって相性は悪くないです。おそらく、パズルを組むうえでは『水雷球』の扱い方がカギになると思います。
 逆風『水雷球』なら間合い3→5に移動できますし、そこから3/2『突撃霊式』→3/3『そして新たな幕開けを』でライフダメージを稼ぐこともできるでしょう。また、順風なら1/-『波呼び』破棄(離脱or後退)→2/2『水雷球』→3/2『突撃霊式』→3/3『そして新たな幕開けを』で一気にリーサルも狙えます。

2.2. 櫂算

 次は櫂算です。何故か一番良く返ってきますが、実は大会でもフリプでも全勝しています。(12/24(日)時点での話です。旗算は『開方冥式切取法』の計算ミスって1敗しました。旗櫂も実は全勝ですが、そもそもサンプルが少なすぎて論外です)

 櫂算も『波呼び』をうまく扱える二柱です。ここでは、先にテンプレ構築をご紹介したいと思います。
水雷球/水流/強酸/波呼び/恫喝/算法/直接金融
イサナ海域/ミオビキ航路/源上安岐那の御明算

 私が使う櫂算の7割ぐらいはこの構築です。相手が普通のビートダウンの場合は、これを使っておけば大体勝ちます。

 一巡目の主なノルマは、
・『波呼び』展開
・『ミオビキ航路』使用
・『直接金融』展開
の3つです。あとは『算法』で相手の無茶な攻撃だけケアしながら、『波呼び』で山を調整しながら後ろで盤面を整え、基本的には相手に前進してもらうつもりで戦っていきます。
 一巡目の折衝で覚えておきたいのが、「『波呼び』【破棄時】効果で宿し(→『源上安岐那の御明算』【使用済】効果で宿し)→『直接金融』集中払い」という打ち筋です。これは間合い6~7で自分から前進したくない時に使うテクニックで、相手は『直接金融』の隙を割るために、『算法』ケアのリソースも払いながら全力で攻撃してくるはずです。
 その後は、『ミオビキ航路』で萎縮を撒きながら、その場その場で最適な動きを考えて立ち回ることになります。ここら辺は櫂算というよりかはアキナの立ち回りへの理解度が要求される部分です。選択肢が多く場況での判断が入るので言語化が難しいですが、感想戦などを行って都度ブラッシュアップを進めていくしか無いと思います。
 二巡目以降も、伏せ札に戻した投資券を『波呼び』で戻すことを選択肢に入れながら、逆風なら『ミオビキ航路』で萎縮を撒いて『恫喝』『直接金融』『強酸』あたりでアドバンテージを稼ぎ、順風なら『水雷球』『水流』でライフを稼ぎ、可能であればオーラ回収や『イサナ海域』でリーサルを狙います。

 櫂算の強みは、『波呼び』による実質的な投資券密度の増幅と、『ミオビキ航路』によるリソース剥奪能力です。『直接金融』は隙が付いたから弱いと思う人がいるかもしれませんが、冷静に考えて「手札1枚+集中力1→相オーラ-2、自オーラ+2」は破格の性能ですからね。
 『ミオビキ航路』で萎縮を撒くと対応『算法』の上から出せる最大火力を値踏みしやすく、オーラ4以下でもターンを返しやすくなります。そうなると、『源上安岐那の御明算』による宿しも入れれば『直接金融』を展開するときに納をオーラから乗せなくても済み、より効率的にリソースを回せるようになります。
 『ミオビキ航路』と『直接金融』と回収で相手のリソースを根こそぎ奪い尽くし、順風で返さざるを得なくなった相手に『水雷球』『水流』『イサナ海域』で一気にリーサル……というのは櫂算の典型的な勝ち筋の一つです。

 最後に、ミソラ対面の櫂算について説明します。
 構築は、上述のテンプレ構築と全く同じです。一見すると『直接金融』は-/1で割られやすいように見えますが、上述の理由から納をダストから乗せて展開できる場合は気にせず使用していきます。(ミソラはオーラ圧が少ないので、自オーラ3以下の状況は比較的作りやすいです)
 『早矢乙矢』に対しては、『恫喝』を捨ててライフ受けします。これにより、返しに『ミオビキ航路』使用から『波呼び』を展開、その次のターンには1フレアで『源上安岐那の御明算』を使用して以降は継続的にリソースを稼ぎ続けます。
 それ以降は、逆風『水雷球』も検討して、少しでも早く間合い2に行くことを意識します。ミソラは間合い2で使用できる攻撃札は『狙い蹴り』と『風孔』しかなく、使用すると必然的に『弓流し』が-/1になりません。
 こうなると、『直接金融』を割る手段が『ミハテヌハテ』しかないので、展開した場合は甘んじて受け入れるか、2フレアを払う(≒さらに資本差がつく)かの選択を強いることができます。そして、一度照準が2や3になると『カガゲルカゲ』で『水流』を打ち消せなくなるので、順風で返してしまうと『水流』と『イサナ海域』でリーサルを取りやすくなります。このとき、『算法』で適正距離を弄ると『カガゲルカゲ』で打ち消されてしまうリスクがあるので、注意してください。(n敗)

Q1. 後退手段としては『盤狂わせ』の方が強くない?
A1. 櫂算とは相性があまり良くないと思っているので、私は基本的に採用しません。
 『盤狂わせ』は【破棄時】効果で間合い1に移動する場合はあり、結局は自分の離脱回数が増えるだけなので、フレア剥奪で生まれた資本差を離脱という弱い基本動作で潰してしまい、アンチシナジーとなってしまいます。また、相手が『ミオビキ航路』で萎縮する都合で間合い2~3に収束する保証がなく、使用機会が安定しません。
 このような要因を考えると、対応としても使用できる『算法』の方が無難な場合が多く、相手のフレアを破壊することに強いインセンティブが生じるような対面以外では『盤狂わせ』をほとんど採用しません。

2.3. 旗算

 最後は旗算です。三国杯での優勝者の選出にも含まれていた、確かな強度を持つ二柱です。
 攻撃力は正直に言うとあまり高くないと思っていますが、何だかんだで最後は勝つことの多い不思議な二柱です。

 「何だかんだで勝てる」を言語化したとき、旗算の強みは『四季はまた廻り来る』を軸に構成されていると思います。一見すると『恫喝』以外にライフダメージを稼ぐ手段が不足しているように見える旗算ですが、『恫喝』を投資券として使用したあとに『四季はまた廻り来る』で山札に戻すことで、『開方冥式切取法』のリーサルまでに必要なライフダメージを稼ぐことができます。
 『四季はまた廻り来る』で『恫喝』を引く動きがうまく噛み合えば、「-/1『恫喝』→『恫喝』を投資してライフ回収→『四季はまた廻り来る』で『恫喝』を引いて-/1で使用→再び『恫喝』を投資してライフ回収」といった具合で一巡でライフ4点を稼ぐこともできます。これを見た人は本当に二回目の『恫喝』が-/1になるのか疑問に思うかもしれませんが、それを可能にするのが『守護霊式』『桜吹雪』『指揮』といったテンポ面で優れるホノカのカードです。

 旗算で資本を増やしたい時に意識する点としては、『源上安岐那の御明算』の使い方にあります。
 S8では、『源上安岐那の御明算』を1フレアで使用して、次のターンに『源上安岐那の御明算』を投資して回収後に再使用する……という動き(通称:御明算ループ)がありました。しかし、現在は『源上安岐那の御明算』は【使用済】効果の宿しと回収が択一となっているので、これを行うと自分のフレアが減り続けてしまいます。この場合、『源上安岐那の御明算』が単独で産出するリソースは概ね±0AP*4です。

 旗算は、正直そこまで強いオーラ圧を持ちません。オーラ回収は、他の攻撃がライフに通る瞬間だけにして、ライフ回収を行うとき以外は『源上安岐那の御明算』の【使用済】効果で宿した方が強い場面が多いです。
 それでは、オーラ回収をするべきなのは具体的にどのようなタイミングなのでしょうか。オーラ回収をするべき典型的な盤面は、
・相手のオーラが4のときの、オーラ回収からの『神霊ヲウカ』
・相手のオーラが3のときの、オーラ回収+『直接金融』→終了フェイズの『指揮』1/1
・相手のオーラが1のときの、オーラ回収からの『指揮』1/1
の3つです。特に、『指揮』は『直接金融』ケアで相手がオーラ1以下で返したときに咎めるという役割があります。また、上記の3パターンの他にも、『突撃霊式』を使用するターンも、オーラを回収することで相手の攻撃の受け方が変わってくるか確認してみましょう。

 『源上安岐那の御明算』の【使用済】効果による宿しは、全力行動を選択する場合でも行なえます。旗算が持つ全力札は『神霊ヲウカ』『再生』『直接金融』で、いずれもオーラを増やす効果を持っています。したがって、資本を稼ぐことを考えた際に、「『源上安岐那の御明算』の宿し→全力札の使用」という打ち筋は非常に効率的で、これも『源上安岐那の御明算』を【使用済】にし続けることのメリットになります。
 このなかでも、特によく採用するであろう『神霊ヲウカ』と『直接金融』はオーラを2つ増やす効果です。そのため、理想は手番をオーラ4で終え、次のターンに『源上安岐那の御明算』で宿してから、それらのカードを使用することです。(もちろん、相手の攻撃によってオーラが減っている場合は、そのまま使用しても大丈夫です)旗算は『四季はまた廻り来る』を対応に持つことから、オーラ4で手番を終えても他の二柱と同じ感覚でオーラ受けできます。
 特に、ミソラは単体だとオーラ圧が非常に小さいのでこの動きを取りやすく、資本差をつけやすいです。また、照準をセットするために間合い3~5でターンを渡されることもあり、その場合は離脱せずに『桜吹雪』を使用できます。このような動きで相手との資本差を広げて、最後に『開方冥式切取法』でリーサル……というのが私の考える最もオーソドックスな旗算になります。

 最後に、旗算もミソラ対面用の構築を紹介します。

精霊式/桜吹雪/桜花のお守り/指揮/恫喝/算法/直接金融
四季はまた廻り来る/開方冥式切取法/源上安岐那の御明算

 立ち回りは、旗櫂のときと大きくは変わりません。相手の『早矢乙矢』を『桜花のお守り』で打ち消してからは間合い8で『精霊式』を使用してステイします。(このとき、『早矢乙矢』の返しに『直接金融』を使用できると、次のターンに『直接金融』から落ちた納を宿し纏いで回収する選択肢を取れたり、オーラ投資で前進の余裕を確保したりと一巡目の折衝の選択肢が増えるので強いです)
 理想は間合い8オーラ3で手番を返すことで、以降は相手の動きによって多少の分岐があります。
・相手が照準7で返してきた場合
 『算法』で対応すれば『弓流し』の適正距離が3-6になることで照準から外れ、スタッツが2/1になってオーラ受け出来るようになります。
 次の『弓流し』が使用されるまでにはタイムラグがあるので、その間に一気に間合いを詰めることを目標に前進しましょう。このとき、『桜吹雪』を下手に使用すると相手に後退されてしまうので、手なりで振らないよう気をつけてください。
・相手が照準6で返してきた場合
 素直に間合い4ぐらいまで前進して、次のターンの『弓流し』-/1を甘んじて受けます。その後、1フレアで『源上安岐那の御明算』を使用して、『恫喝』を-/1で使用します。この場合相場は2になっているので、上手く行けば『恫喝』と『源上安岐那の御明算』を投資することでライフ回収に繋げられます。
 もしも。相手に相場を下げられてしまった場合は、『恫喝』のダスト投資だけ行い、回収はせずに『源上安岐那の御明算』の【使用済】効果で宿しながら前進して間合いを詰めるのが安定の盤面が多いと思います。
 このように動くと、二巡目以降はライフ回収以外のほぼ全てのターンで『源上安岐那の御明算』による宿しが行えるようになるので、かなりの資本を蓄えることがあります。道中で『恫喝』に対して『風孔』や『カガゲルカゲ』で対応されることもあると思います。ですが、前者は『弓流し』-/1と相反するので甘んじて受け入れることでゲームの冗長化による資本差の拡大を狙えますし、後者は「相手の対応枚数とフレアが減ったことで最終的な『開方冥式切取法』の打点が増えた」と捉えられます。いずれにせよ、目先のライフリードに囚われることなく「現時点でのライフ差は『突撃霊式』や『開方冥式切取法』で巻き返せる」という意識を持ち、リーサルのために資本差の拡大(特に、自分のフレア)を目指しましょう。  

 あと、これは完全な思いつきで喋りますが、ミソラ対面の場合はダストが発生しづらい展開もありがちなので、もしかしたら『指揮』より前進用の『桜の翅』の方が優秀な可能性があります。このように、通常札の選択肢の多さが旗算の魅力でもあるので、色々な構築を試してみてください。

Q1. 『衰垜逐肘守料術』から『胸に想いを』を開ける構築は?
A1. 基本的に弱いです。
 S8でアキナが実装された直後、『衰垜逐肘守料術』の活用法として『胸に想いを』を1T目に使用して『そして新たな幕開けを』を一巡目~二巡目頭で構える構築が少し流行りました。(通称:アグロ幕開け)
 この構築は『衰垜逐肘守料術』を持つ旗算だからこそ組める構築ではありますが、純粋な強度としては疑問符を付けざるを得ません。理由はいくつかありますが、ざっと思いつくのはこんなところです。
① 切札が早期に割れるため、足元を見られやすい
 アグロ幕開けにおける基本的な切札の組み合わせは『胸に想いを』『衰垜逐肘守料術』『源上安岐那の御明算』です。一応、『源上安岐那の御明算』の枠は『四季はまた廻り来る』でも良いですが、その場合は旗算の弱点であるオーラ圧の不足が浮き彫りになり、打点不足に陥りやすいです。
 そして、このような構築にすると二巡目ぐらいには切札が全て公開されることになります。そうなると、相手目線では最大出力(≒理想引きされたときの立ち回り)を想定しやすくなり、相手のプレミ頻度が一気に減少します。
② 序盤の『そして新たな幕開けを』はそこまで強くない
 『そして新たな幕開けを』のスタッツが最も大きくなるのは、自分か相手のライフが5になる瞬間です。しかし、『衰垜逐肘守料術』から『そして新たな幕開けを』を作ると自分のライフは6なので、概ね再構成を挟まないと自分のライフは5になりません。そして、再構成に合わせて3/1などでライフを取られてしまうとライフが一気に6→4となってしまい、『そして新たな幕開けを』のスタッツが伸びません。そうなると、相手のライフが5になるのも遅れてさらに『そして新たな幕開けを』のスタッツが伸び悩む……という悪循環に陥ってしまいます。
③ 『胸に想いを』返しのダスト枯らしに弱い
 また、1T目に『衰垜逐肘守料術』から『胸に想いを』を使用する動きは、返しの相手ターンに全力でダストを吸い上げる動き(1T後手の場合、1宿し3纏いなど)に弱いです。こうなると、次のターンに『両手に華を』を使用しても、その上に桜花結晶を5つ乗せることが難しく、自分のオーラから乗せてしまうとリソ損が激しく『恫喝』のスタッツが安定しません。
 このような点から、私の個人的な評価は「旗算を知っている人であれば容易に対策できるので強くない」というものです。余程の理由がない限りは、素直に『開方冥式切取法』を軸にした構築を組んだほうが強いと思います。

3. 対戦レポート

 ここからは対戦レポートです。実際の対戦で三拾一捨・眼前構築・桜花決闘それぞれで何を意識していたのかを説明していきます。

3.1. 旗櫂(算) vs 鎌旗(銃)

 初戦のお相手はkasekiさんで、ヒミカ(銃扇Xや、クリスマス三柱である炎嵐橇など)をよく使われている印象があるミコトです。そんなkasekiさんの今回の選出は銃旗鎌でした。なぜか三面とも全くナーフを受けていないので、ヒミカを含む三柱という意味では非常に納得感のある選出でした。

 前日の大会後フリプで櫂算vs鎌旗は既に対戦していて、所感としては「同じ実力同士でこのマッチングをするなら、概ね櫂算が有利だろう」といったものでした。旗櫂なら『羅針盤』からの『守護霊式』で前進せずに一方的に『突撃霊式』を作れますし、旗算なら相手の『守護霊式』を『桜花のお守り』で打ち消すプレッシャーを掛けながら『恫喝』や『直接金融』でお茶を濁せるので、まあ問題ないと判断して鎌旗を返します。
 返ってきたのは旗櫂……いきなり慣れてないのが返ってきてしまい困惑します。相手(オフライン完全祭を銃旗櫂で準優勝)が悪い*5よぉ~。

 私が組んだ旗櫂の構築は以下のとおりです。
精霊式/桜吹雪/水雷球/水流/海嘯/羅針盤/波呼び
イサナ海域/カラハリ灯台/ミオビキ航路

 主張は『羅針盤』から『守護霊式』使用して『突撃霊式』を作ることと、相手の『守護霊式』を『カラハリ灯台』と『海嘯』によって止め続けることです。先に『神霊ヲウカ』を作ることさえできれば、あとは「2.1. 旗櫂」で述べたように圧力を書ければ普通に勝てるだろう……という算段でした。
 『強酸』は一巡目に使用しても『影の壁』で止まることが想定されたので抜き、代わりに前の間合いでも使用できる『桜吹雪』を採用しました。(今思うと、別に『強酸』を入れても良かったかもしれません……)また、『四季はまた廻り来る』を絡めて一気に『守護霊式』から『神霊ヲウカ』まで開花させる動きは『桜花のお守り』や『虚偽』『終末』で妨害されやすく、相手のライフ打点(特に『円月』)に対してあまり仕事をしなさそうだったので今回は採用しませんでした。その代わりに、相手の『遺灰呪』を咎めたり、『影の翅』から『突撃霊式』を使用する動きへの牽制、『海嘯』をケアして『守護霊式』を振るための間合い2を妨害といった多様な役割を見込めることから『カラハリ灯台』を切札に採用しました。

 そして桜花決闘ですが、こちらは、結論から述べると全くの想定外で進行しました。序盤は伏せ札に『羅針盤』と『守護霊式』を埋めて、順風で返ってきた時に『波呼び』の効果で両方を引く、という構えをとります。しかし、『波呼び』【破棄時】効果の1/-に合わせるように『終末』を展開されたことで1回目は失敗に終わります。
 鎌旗側も下手に前進すると『守護霊式』を振られ、『突撃霊式』に『羅針盤』を合わせられることが分かっているため迂闊に前進できず、逆風を作るための攻撃と、それに対する纏いを繰り返す展開がしばらく続きます。(この時点でお互い時間がヤバそうだったので「お互い時間に気をつけないとヤバそうですね~」みたいな話をしていた記憶があります)
 再び、盤面の噛み合いによって『羅針盤』『守護霊式』を振れる機会が訪れると、今度は『虚偽』を展開されて【攻撃後】効果の+1オーラまで消えたことで隙が生まれてしまいます。そのまま返しに『この旗の名の下に』で『虚偽』の納を増やされてしまいますが、この時点で相手の切札がすべて判明したうえに、予め『波呼び』と『ミオビキ航路』の山差によって3~4点程度のライフリードを確保できていたので、盤面としては思ったほど悪くない状況が続きます。
 終盤に差し掛かったタイミングでようやく『守護霊式』をお互いが使用して『突撃霊式』に開花させますが、『ミオビキ航路』と『カラハリ灯台』で『影の翅』まで含めた離脱を牽制したり、『羅針盤』を展開したりで相手に『突撃霊式』を振らせないように丁寧に動きます。そして最後は、相手が『円月』を引かずにリーサルを取られなかったので『波呼び』の1/-から『水流』『イサナ海域』でリーサルでした。

 正直、こちらにかなり引きが偏った試合だったとは思います。(最後に『円月』を引かれなかったのは運ですし、終盤に『羅針盤』をドンピシャのタイミングで引けたのも運です)
 「もっと良い構築があったかもな~」とは思いますが、これ以降も対戦が控えているので、一旦は気持ちを立て直して二戦目へと臨むことにします。

3.2. 旗算(櫂) vs 心琵琶(電子)

 二戦目のお相手はtatataさん。私と一緒に千葉で大会の主催をしている、千葉の蛮族ミコトです。間合い2に収束するようなビードダウンのメガミをよく宿している印象があります。
 そんなtatataさんの選出は心琵琶電子(ユリナA/サイネA/オボロA2)でした。S9環境の三拾一捨大会で優勝した実績のある三柱で、オボロA2を宿したい場合は現状で最も無難な組み合わせになると思います。(感想戦でお聞きしたところ、やはり心電子が出発点だったそうです)

刀薙忍……お前ら、こんな姿になっちまって(´;ω;`)

 さて、こちら目線での三拾一捨ですが、真っ先に返す候補から除外したのは心電子でした。理由は、やはり『誘導』からの『天音揺波の底力』コンボで、櫂算でこれをケアするには『大衍算顆手打表』が必要になってしまいます。櫂算の場合、『源上安岐那の御明算』『イサナ海域』『ミオビキ航路』の切札から崩すと一気に出力が落ちてしまうので、できればこれだけは返したくありません。対して、サイネAは『二重奏:弾奏氷瞑』で定期的にフレアを落とす上に、『氷の音』がプールから消滅したことで対応札がすべて攻撃タイプとなったので、『開方冥式切取法』で一気にリーサルを取りやすいはずです。
 琵琶電子は私の知見ではないので詳説はしませんが、『斬撃乱舞』を非常に強く扱える組み合わせで、ホノカが返ってくれば『桜花のお守り』で上手く戦えそうですが、櫂算だと少し不安があるので消去法で心琵琶を返すことにします。

 返ってきたのは旗算でした。それなら琵琶電子返したよ~~って少し思いましたが、ユリナA2に対してホノカは、
・『阿吽』展開中に間合い2で振られた『問答』に『四季はまた廻り来る』で対応することで、間合い2で『阿吽』を誘発して2/1を飛ばさせない。
・『阿吽』展開中の『問答』を『桜花のお守り』で対応して打ち消すことで、『一閃』の持ち物検査を相手に強要する。
といった小ネタがいくつかあり、『開方冥式切取法』の通りも良さそうなので、結果オーライということで以下のような構築を組みました。
精霊式/桜吹雪/桜花のお守り/指揮/恫喝/算法/直接金融
四季はまた廻り来る/開方冥式切取法/源上安岐那の御明算

 ユリナA2は『阿吽』を展開すると間合い4あたりで返すことが多い*6ので、『桜吹雪』を採用します。相手が「間合い→自/オーラ」を選択するなら前進で間合い2着地、「相/オーラ→間合い」を選択するなら『恫喝』や『指揮』で『二重奏:弾奏氷瞑』の即再起を狙います。(余程のことがなければ、『開方冥式切取法』用に資本を残しておきたいので、後退してまで『阿吽』のケアはしません)
 『指揮』は相手の『音無砕氷』再起を牽制するためのものです。これを採用すると『無音壁』以外で『音無砕氷』を再起させると『指揮』の1/1がオーラ回収などからライフに通ってしまうので、『恫喝』を-/0にされる回数が減るはずです。逆にいえば、『無音壁』を綺麗に展開されると『音無砕氷』を再起させられてしまうので、相手の構築が見えてくるまではダストを枯らし気味に立ち回ることを目指します。(そうすれば、『阿吽』展開も同様に妨害できて一石二鳥です)
 また、サイネAの典型的な序盤の動きに「2宿し→1フレアで『二重奏:弾奏氷瞑』」というものがあります。これに対しては、『直接金融』のオーラ投資からのフレア回収を狙っていきます。そこから1フレアで『源上安岐那の御明算』を使用して、相手の初撃*7を『桜花のお守り』と『算法』で両構えして受け止めるのがこちらの一巡目のノルマになりそうです。
 『算法』は一巡目は相手に間合い4までの前進を共用するために手札に抱えて、二巡目以降は『一閃』を避けたり、後退せずに『恫喝』を振るために使用していきます。『二重奏:弾奏氷瞑』のことも考えると、『盤狂わせ』は出力が不安定そうだったので採用しませんでした。

 桜花決闘自体は概ね想定通りに進行します。一巡目は、『桜花のお守り』と『算法』を構えながら、投資した『直接金融』を『四季はまた廻り来る』で戻しながら敢えて引かないことで、4T目に『守護霊式』と『直接金融』を引けるように調整して、後ろでのんびり資本差を付けていきます。
 初回の『二重奏:弾奏氷瞑』は『恫喝』で即再起させて、返しに開け直されたところに、再構成で『恫喝』『算法』を引くことに成功し、ここで一気に盤面有利を確保します。相手の『問答』を『桜花のお守り』で打ち消すことで『阿吽』の誘発を阻止しながらライフを守っていき、最後は『開方冥式切取法』でリーサルでした。

3.3. 旗算(櫂) vs 嵐鋸(古)

 三戦目のお相手はのむさん。初めてお会いしたときは温厚そうで優しそうな方でしたが、今ではキレッキレの暴言を吐いたあとに「◯◯さん口悪いよ~」って他人に擦り付けたり、自虐ネタを披露したあとに「うるせえ」と逆ギレしたり、大会の決勝で対戦相手が反証に失敗したら「下手くそ」と煽ったりと、朱に交わって赤くなってしまった愉快な人です。
 のむさんの宿すメガミは基本的に「ユリナ・ライラ・ホノカ・シスイ」で網羅することができます。今回の選出も納得の古嵐鋸(ユリナA/ライラA/シスイ)でした。Twitterで「対戦相手透けて見えて草」とか言われてて草でした。

 さて、BANですがこちらは迷うことなくユリナA一択です。理由は単純で、旗櫂だと『月影落』が受からないからです。やろうと思えば『カラハリ灯台』などを使って上手く動けるかもしれませんが、別に嵐鋸を返したからといって不利ではないはず(むしろ、典型的な鋸Xなので有利のはず)です。
 返ってきたのは旗算でした。オーラ回収から『神霊ヲウカ』をライフに通して、世紀末覇者になりましょう。
 構築は以下のようになりました。
精霊式/桜吹雪/指揮/恫喝/算法/盤狂わせ/直接金融
四季はまた廻り来る/開方冥式切取法/源上安岐那の御明算

 通常札は、『神霊ヲウカ』を構えるための『精霊式』、打点確保のための『恫喝』、対応札として優秀な『算法』、一巡目の折衝手段兼リソース剥奪手段の『直接金融』までは概ね確定です。その後、『算法』を構えながら『突撃霊式』や『恫喝』で後ろに動くための手段として『盤狂わせ』、盤面次第で『盤狂わせ』用の相手フレアを捻出できる『桜吹雪』を採用します。最後は『神霊ヲウカ』をオーラ受けするための纏い回数を増やさせるという意図で『指揮』を採用して通常札は確定です。『桜花のお守り』は、嵐鋸のような優秀な攻撃札を多く持っている相手には効きづらいので、こちらの主張を通すことを優先して採用しませんでした。
 切札はテンプレから特に変更なしです。『ハドマギリ』ケアにも使える『四季はまた廻り来る』、アキナの主張の根幹である『源上安岐那の御明算』、そしてリーサル用の『開方冥式切取法』を採用しました。

 桜花決闘は概ね想定通りに進行しました。一巡目は『直接金融』オーラ投資から『恫喝』→ライフ回収で間合い5から2点のライフリードを稼ぎ、焦燥ドローから『守護霊式』を握り込み、『恫喝』オーラ投資からフレア回収→1フレア『源上安岐那の御明算』で安定した盤面を作ります。
 そのまま、二巡目には『盤狂わせ』から『突撃霊式』を使用して『神霊ヲウカ』を作り、さらにこの『神霊ヲウカ』をライフに通すことで一気にライフリードを取ります。その後は、相手に纏いを強要し続けて、資本差を確保してからの『開方冥式切取法』でリーサルでした。
 『開方冥式切取法』以外の切札の消費フレアが軽いことから『金屑纏い』でフレア裂傷を選択してもデッキを回しやすく、加えて『算法』と『四季はまた廻り来る』まで構えられているので、ライフリードを維持しやすかったです。

3.4. 旗櫂(算) vs 爪弓(遺)

 四戦目のお相手はかなしんさん。この方も二戦目のtatataさんと同様、千葉の蛮族ミコトです。YS千葉の大会によく参加される方で、大会前のふるよに大会前フリプ(≠大会前ふるよにフリプ)でもよく一緒に遊んでいます。
 個人的な印象としては、真っ当なビートダウンよりはクルルなどを含むコンボ系のデッキを好んで握っている印象があります。そんなかなしんさんの今回の選出は爪遺弓(ライラ/レンリA/ミソラ)でした。

 爪遺と遺弓はなんとなく知っていましたが、爪弓は初めて見るので困惑します。直感で思いつくのは『追尾撃』から『風雷撃』を使用してステップ対応を貫通して当てるぐらいですが、その動きについては『桜花のお守り』や『算法』(照準2限定)でケアも可能なので爪弓を返すことにします。(いま思えば遺弓を返してよかった可能性がありますが、如何せんレンリAは偽証と『欺瞞の霧』周りでブレやすいのと、『偽りの武器』絡みの受け方ミスが即死を招きやすいので、安定をとってBANしました)
 「冷静に考えて、この組み合わせだったら旗櫂返せそうだな~ワンチャン対面の手が滑ってアキナ返ってこないかな~」とか思っていましたが、案の定返ってきたのは旗櫂でした。なかなか難しいところですが、『突撃霊式』のライフ回復を使って上手く持ちこたえたいな~と考えて構築を組みます。
 最終的な構築は、以下の通りになりました。
精霊式/桜吹雪/桜花のお守り/水雷球/水流/強酸/波呼び
イサナ海域/カラハリ灯台/ミオビキ航路

 『精霊式』『水雷球』『水流』『波呼び』までは基本的にどのような構築でも入るので確定です。『桜吹雪』や『強酸』は相手が『弓流し』や『早矢乙矢』の照準のために間合い4~5で返す場合を想定して、ライフダメージを稼ぐ手段として採用します。『桜花のお守り』は「3.1 旗櫂」でも述べたように、ミソラのゲームプランを崩すため、というのに加えて、爪弓の場合は『追尾撃』からの『風雷撃』を打ち消す役目も担っています。反面、『海嘯』は『追尾撃』を経由されると『風雷撃』のケアにならないので採用しませんでした。
 切札は、リソースを縛って『桜吹雪』や『強酸』をライフに通しやすくするための『ミオビキ航路』、順風で返ってきた時にリーサルの可能性を高めてくれる『イサナ海域』、『風雷撃』のための照準セットおよび『追尾撃』の使用を妨害できる『カラハリ灯台』の三枚を採用することにしました。(感想戦では、『カラハリ灯台』は『風走り』『精密化』など裏返す手段がかなり多かったので、『天雷召喚陣』の構築をケアのために『四季はまた廻り来る』を採用したほうがよいのでは?みたいな話も出ました)

 桜花決闘としては、想像以上の泥沼となりました。お相手は、こちらの『水流』をケアするために『狙い蹴り』『風孔』も使いながら逆風で返し続け、こちらはお相手の『弓流し』『早矢乙矢』『追尾撃』からの『風雷撃』といったライフに通る攻撃を『桜花のお守り』で打ち消し続けます。
 その結果、爪弓側は攻撃、旗櫂側は纏いをひたすら繰り返す展開となります。ですが、盤面としては『波呼び』と『ミオビキ航路』で再構成ダメージの差がつくため、概ね3~4点程度ライフリードした状態が続きます。
 このような展開になると、気になってくるのがお相手の風雷ゲージです。序盤は風神ゲージをひたすら上げ続けていたので『風魔招来孔』が入ってくることは予想していましたが、風12雷7ぐらいになった辺りで「さすがにこのままじゃマズそうだ」と焦り始めます。最終的には、『突撃霊式』を後ろに構えることで2/2『水雷球』に『風魔天狗道』を切らせることに成功し、猶予を得ることに成功します。これにより相手のリーサルは遅れ、最後は『追尾撃』からの『風雷撃』→『雷螺風神爪』『風魔纏廻』『雷螺風神爪』『風魔旋風』を『桜花のお守り』も組み合わせながら受けきってお相手の投了でゲーム終了でした。今回も非常に時間ギリギリの対戦になってしまったので、申し訳なかったです。

3.5. 櫂算(旗) vs 鏡櫂(毒)

 最後、決勝戦のお相手はさとりさんです。「城東ふるよに櫂」という小岩周辺でのふるよにイベントを開催されている方でもあります。Zicoルールでは小岩は千葉県に分類されるのですが、以前ボールペンをさとりさんのイベントでお借りした時に「小岩は"蛮族の国"千葉とは違うからね」と言われてしまったので、泣く泣く小岩が東京にあることを認めました。
 さて、そんなさとりさんの選出は毒鏡櫂(チカゲ/ヤツハ/ハツミ)でした。ヤツハを好んで宿すことが多いという印象を持っていましたし、チカゲもハツミも環境的には悪くない(特にミソラに強い)立ち位置にいるので、非常に分かりみのある選出でした。

 何を返すかについてですが、こちらがホノカとアキナを宿している時点でヤツハには有利が取れている*8はずなので、毒鏡と鏡櫂のどちらを返すかを考えました。最終的には、比較的桜花決闘の展開が予想しやすい点から鏡櫂を返すことにしました。
 返ってきたのは櫂算です。おそらく、二巡目~三巡目の頭には決着がつく対戦になりそうです。短期決戦を想定して、以下のような構築を組みました。
水雷球/水流/強酸/波呼び/恫喝/投機/算法
イサナ海域/オヨギビ砲火/源上安岐那の御明算

 少しでも攻撃札を多くしたかったので『水雷球』『水流』『強酸』『恫喝』は確定、リーサル時に手札を揃えるために『波呼び』も採用します。
 次に想定したのは、一巡目の折衝です。普段は『直接金融』を採用しますが、今回は『カラハリ灯台』『四葉鏡のわらべ唄』といったメタカードがありますし、中盤以降は1/-『波呼び』からの攻撃を許してしまうことになるので、今回は採用しませんでした。そのため、このマッチでは代わりに『投機』を採用することにしました。
 『投機』の使い方としては、
・一巡目に「自/オーラ→自/フロー」を選択したあと、オーラ回収から『波呼び』展開に繋げる。
・相手の『カラハリ灯台』を未使用に戻して『波呼び』を展開する。
・相手の『ミオビキ航路』で萎縮をもらっても5オーラを構えられるようにする。
などを想定していました。
 『算法』は一巡目の折衝で『水雷球』『水流』をケアできるか否かが立ち回りの自由度に直結するので、保険として採用しました。『ミオビキ航路』による萎縮も考慮すると間合い調整用のリソースも欲しいので、二巡目以降はそのような使い方を想定していました。

 そして切札ですが、今回は『ミオビキ航路』を採用しませんでした。理由は以下の通りです。
・1回目に逆風になるのはおそらく『強酸』を振られた場合であり、お相手も逆風だった場合はフレアが増えないので、『ミオビキ航路』よりも『源上安岐那の御明算』を使用することになる可能性が高い。
・2回目に逆風になるのは『星の爪』『昏い咢』を振られた場合であり、ここで『ミオビキ航路』を使用しても相手は『昏い咢』の【攻撃後】効果で既に萎縮しているので効果が薄い。
・3回目に逆風になるタイミングでは、切札の攻撃などを合わせてリーサルを取られてもおかしくない。
 このような短期決戦では、むしろ攻撃の切札を多く採用したほうがリーサルの可能性が上がると考え、今回は代わりに『オヨギビ砲火』を採用することにしました。

 桜花決闘については、概ね想定通りに進行します。初手に3マリしても『投機』を引けなかったことは苦しかったですが、『算法』を構えていたおかげで何とか動くことができ、相手の『波呼び』を破棄させながら『幻影歩法』『星の爪』『昏い咢』『水流』の4点を甘んじて受け入れます。それからは、『源上安岐那の御明算』『強酸』『恫喝』からのライフ回収でライフ3点を稼ぎ、膠着状態が続きます。
 こちらは『波呼び』が展開中だったので順風の場合のリーサル圧が出せていたので、『ミオビキ航路』で受けた萎縮を『投機』で誤魔化しながら主導権を握り続けます。最終的には、順風で返ってきたターンに再構成から『水雷球』を引き込み、『双葉鏡の祟り神』で反射されてもライフ受けから『オヨギビ砲火』に繋げられることを確認して、オーラ回収→2/2『水雷球』→3/3『イサナ海域』でリーサルでした。『オヨギビ砲火』を採用していたおかげで『双葉鏡の祟り神』をケアできていたので、一気に踏み込んでリーサルを取りに行けたと思います。

4. あとがき

 以上がYS秋葉原感謝祭の対戦レポート記事となります。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 対戦レポートを書いていて思いましたが、全体的に引き運は良かったと思います。同時に反省できる箇所も見つけられたので、次回は運に頼りすぎないプレイングを心がけたいです。
 それはそれとして、ハツミ様を宿してハツミ様の英雄の証を手に入れることができたのは、めっちゃ嬉しいです。ドヤ顔のハツミ様も、『強酸』のぐるぐる目になっているハツミ様もマジ可愛いので、皆さんもぜひハツミ様を宿してみてください。『ミオビキ航路』が使いやすい環境になったので、今期のハツミ様はかなりアツいと思います。
 あと、ピンチ先生のハツミ様がめっちゃ可愛いのでオススメです。いま、私はこの画像をスマホの壁紙に設定しています。顔がいい……最高……。

 あと、今回のYS秋葉原感謝祭のベスト4は全員が千葉YS勢でした。千葉駅周辺には美味しいお店も沢山あるので、†ふるよにパワースポット†巡りをしたい方はぜひ千葉YSまで来てください。

パワースポット①Cheese Cheese Woker
パワースポット②ぼちぼち 千葉中央店

 最後に、私の検討に付き合ってくださった皆様や、対戦の機会・場所を設けてくださった皆様方に感謝を申し上げます。誠にありがとうございました。この記事を参考に、旗櫂算を宿す人が少しでも増えたら、非常に嬉しく思います。

 考察の内容の関係の有無を問わず、気になった点やご意見、ご指摘などがございましたら、このブログのコメント欄か、私のTwitterアカウントまで持ってきてくださると、非常にうれしいです。
 この記事の画像は「ふるよにコモンズ/BakaFire,TOKIAME」から拝借しております。

URL: https://main-bakafire.ssl-lolipop.jp/furuyoni/na/rule.html

サムネイル用画像(かわいい)

*1:『壬蔓』と『はらりゆき』によるコンボは『しこみび/ねこだまし』が手札に戻るようになったことで復活したと思います。『はらりゆき』の適正距離6消失は多少の影響がありそうですが、元から後ろステップケアで『しこみび/ねこだまし』は間合い5で使用することが珍しくなかったので、プレイ感はほぼ同じのはずです。

*2:『しこみび/ねこだまし』が手札に戻るようになったことで、手札に戻った『しこみび/ねこだまし』を伏せて、次のターンに『波呼び』で回収する動きが復活しました。『しこみび/ねこだまし』がナーフ前に戻ったことでS8以前に活躍していた『羅針盤』から『しこみび/ねこだまし』で傘を開いて『ゆらりび』を使う動きも取りやすくなり、傘櫂自体が『はらりゆき』に強く依存する二柱でもないので、強い三柱目が見つかればかなり有力候補だと思います。

*3:旗櫂算の特徴に、ウツロAに対して大幅な有利を取れるというものがあります。『終焉、来タレ』の全カードを捨て札にする効果は投資券と非常に相性が悪く、加えてウツロAは灰塵『円月』以外で『直接金融』の隙を割る手段に乏しいです。また、アキナがBANされても、相手の終焉の影が蘇る場合には『カラハリ灯台』を使用して間合い4まで離脱するだけで相手を完封できます。

*4:1フレアが-2AP、ダスト投資オーラ回収が+2AP、オーラ投資フレア回収が+2APです。ダストを作ることに意味があるウツロ/アキナ系統であれば悪くないかもしれませんが、それ以外では自分のフレアを減らし続けるだけなので、あまり強くありません。

*5:嘘、どう考えても旗櫂を練習していない俺が悪いよぉ~。

*6:間合い4であれば、オーラの増減を伴う基本動作である「前進」「纏い」「後退」すべてに対して2/1を飛ばせます。

*7:これは個人的な印象ですが、ユリナA2の強い動きは先行逃げ切りです。序盤に『阿吽』展開→前進→『問答』で相手の動きを崩して、次のターンにライフダメージを一気に稼ぎながらテンポを取り、相手が捲くる前に『神座渡』で手札6枚を叩きつけて物量で押し切る……というのがユリナA2の典型的な勝ちパターンだと思っています。そのため、ユリナA2の1回目の『問答』を打ち消せるか否かは、以降に『阿吽』からのテンポリードを取られないようにする、という意味でも重要だと思っています。

*8:一巡目の『星の爪』『昏い咢』に対して、アキナの場合は1フレア『源上安岐那の御明算』から-/1『恫喝』を当てて、次のターンにライフ回収をすればライフリードは取り返せるので、以降も『星の爪』『昏い咢』のデメリット効果分でリードをとれます。ホノカの場合、『四季はまた廻り来る』で容易に鏡映を外すことが出来るので、ヤツハの攻撃で致命傷を負うことが少ないです。