令和の刀薙!?暴れたら意外と勝てるぞ薙旗(サイネ/ホノカ)

 こんにちは、炎天(下)を喰らって殺意がフルバーストのZicoです。今日はブチ切れヒミカ様こと炎……ではなく薙旗(サイネ/ホノカ)の記事を書こうと思います。

 6月の中旬に引っ越しを決意(これはヤツハAのカードではありません)してからふるよには隠居状態で、完全戦3-1を毎週の金土あたりに数戦こなす程度でした。
 そこで使っていた三柱が薙旗花(サイネ/ホノカ/ヤツハA)で、薙花は以下の記事にて既に解説されており、旗花はやることがほぼ1パターン(この旗の名の下に→星の爪→深淵の大口→突撃霊式でしばく)なので、消去法で薙旗についての記事を書くことにしました。

thtfuruyoni.hatenadiary.jp

 薙旗は火力と防御力の調整が効きやすく、どこの間合いでもそれなりに戦えたりと対処できる範囲の広さが魅力的な組み合わせです。
 構築の幅もそれなりにはあると思うので、適切な眼前構築が出来るようになれば、非常に三拾一捨向きの二柱だと思います。ぜひとも、最後まで読んでいただけると幸いです。

1.薙旗の強み

 それでは、薙側の強みについて、具体的なカードと動きを交えて解説していきたいと思います。

1-1.リーサルラインの高さ

 サイネ単体でも『八方振り』『響鳴共振』『律動弧撃』と瞬間火力を叩き出せるカードは沢山ありますが、単純にスタッツの高い対応不可の攻撃である『突撃霊式』と、展開時に自らオーラを剥がすことで八相になれる『指揮』とを合わせることで、さらにリーサルラインを引き上げることができます。
 実際に計算してみると、あくまで対応されないという仮定を設けた理論値にはなりますが『響鳴共振』→『律動弧撃』→『音無砕氷』→『指揮』展開→後退→八相『八方振り』→『突撃霊式』→『薙切り』or『桜吹雪』で8点を取ることが出来ます。

 さすがにこれは机上の空論なので、少しだけ手札と切札の条件を緩めましょう。仮に、『律動弧撃』を『この旗の名の下に』で、かつ『薙切り』や『桜吹雪』を引けなかった場合として妥協しても、なんだかんだ理論値で6点を叩き出すことが出来ます。

 今回の記事タイトルで『令和の刀薙』『暴れたら意外と勝てる』と評した所以は、こういった非常に高いリーサルラインにあります。
 相手の打点が細く、火力が欲しいと感じた場合は前のめりな構築にして暴れましょう。対して、火力よりかは防御力が欲しいと感じる場合には、相手に合った対応札を採用するなどして、眼前構築を見直すようにしましょう。

1-2.幕開け適性が高い

 薙旗の強みその2は「胸に想いを」「両手に華を」「そして新たな幕開けを(以下:幕開け)」のいずれにも、妙な噛み合いを持ってることです。

予防線

 このブログを書いているZicoとかいうヤツは、幕開けを片手の指で数えられる回数しか組んだことのないエアプです。もしも突っ込みどころなどがございましたら、遠慮なく指摘していただけると助かります。

†予防線ここまで†

1-2-1. 幕開けへの個人的評価

 薙旗の強みに入る前に、まずは「胸に想いを」というカードに対する個人的な所感およびそれらのすり合わせから入りたいと思います。
 「胸に想いを」というホノカの切札は、基本的には最終形態でもある幕開けによる毎ターンの攻撃を目的に採用される切札です。

 しかし、幕開けを用意するまでの道のりはそれなりに険しいです。「胸に想いを」から幕開けを用意するまでの手順を細分化すると、私は以下の4つに分けられると思っています。
『胸に想いを』を使用する
「両手に華を」を使用する
「両手に華を」に桜花結晶を5つ乗せる
幕開けを使用する

 また、幕開けを活用するうえでの大前提として『ライフが5以下になる前に用意したい』というものがあります。

 これには2つの理由があります。一つ目は、単純に幕開けを早く用意すればするほどゲーム終了時までに飛ばせる攻撃の回数が増え、それまでに支払ったリソースをペイしやすくなるためです。二つ目は、最も幕開けの火力が高くなりやすいのは、ライフ6から相手の攻撃のライフ受けや再構成でライフを5にして、そこからライフが減少するまでの間だからです。
 具体的に言い換えると、その間に3/3以上の攻撃を作って、かつそれらをライフに通していくことが最も勝利に近づく一手になります。(相手のライフにまで目を通して開花できるようになると、さらに強みを発揮しやすくなりますが、こちらは不確定要素も多いので、変に意識しないほうが無難だと思います)

1-2-2. 幕開け採用のハードル

 これらの話を踏まえて、上記①~③の各フェーズに存在するハードルと、薙旗がそれらに対して有している回答について説明していきたいと思います。

1-2-2-1. ①『胸に想いを』を使用する

 ずばり「3宿し以降のフレアをどこから確保するのか」という問題です。上述したとおり「胸に想いを」は可能な限り早く使用したい切札ですが、桜花決闘開始時にオーラにある3つの桜花結晶を宿しをしたあと、残りの2フレアをどこかから確保する必要があります。

 最も思いつきやすいのは前進してから宿すという方法ですが、これには相手に攻撃札を使用されやすくなるという欠点があります。特に「胸に想いを」を採用した場合の一巡目は基本動作の回数が要求されるためにリソースがなく、相手の攻撃をオーラ受けしづらいです。したがって、安直にこの方法を取ってしまうと相手の先制攻撃を許してしまい、場合によっては幕開けを用意するまでにライフが5を割ってしまう可能性があります。

 これに対してホノカが単体で持っている回答が「精霊式」です。このカードによってダストを作って纏い→宿しとつなげることで、前進せずにフレアを1つ増やすことが出来ます。
 さらに、ホノカの横にサイネを添えた場合の動きとして「衝音晶」を即破棄するという動きがあります。自分のオーラとダストを0にした状態で「衝音晶」を展開することで即座に破棄時効果を解決し、相手が受けたオーラダメージの結晶を即座に回収することが出来ます。

一巡目でお茶を濁すときに使いやすいカードたち

 これらは幕開けに関係なく、薙旗の一巡目の折衝として頻出事項です。具体的な使い方が思いつかないような方(こんな場末のブログにそんな人いる?)は、以下の公式記事と併せて読むと理解しやすいのではないかと思います。

bfpblog.bakafire.main.jp

1-2-2-2. ②『両手に華を』を使用する

 それでは、なんとかして桜花決闘序盤に安全に「胸に想いを」を使用できたとしましょう。その場合、次に立ちはだかるのが「両手に華を」という全力札を使用するタイミングを作るというハードルです。

 ただ、便宜上ハードルという言葉を使いましたが、このカードを使用するだけで2回の纏いが付いてくるので、よっぽど相手のメガミと幕開けと相性の悪くなければこれは難しくありません。
 強いてあげるなら、オーラが0や1の状態からこのカードを使用するのが心細いような状況に備えて、対応札があるとちょっと便利というぐらいでしょうか。サイネには「見切り」を始めとする便利な対応札が豊富なので、持っているという顔ぐらいはしていてもいいかもしれません。

手札なんか伏せまくってるので、握っている顔し得ですよね。

 あと、これは小ネタなのですが、『音無砕氷』の再起条件を参照するタイミングと『両手に華を』で1纏いをするタイミングはターンプレイヤーが任意に選べるので、「オーラ1で『音無砕氷』を再起→『両手に華を』で1纏い」の順番で処理するとオーラ2を構えながら『音無砕氷』を再起させることが出来ます。

 これと同じようなテクニックはユキヒの『かさまわし』、ホノカAの『桜花眩く輝かん』、カナヱの構想ボードなどでも役立つので、「手札制限で手札を伏せ札にする」以外の終了フェイズの処理はターンプレイヤーが任意に選べるということは頭に入れておきましょう。(我田引水?はてなんのことやら)

1-2-2-3. ③『両手に華を』に5つの桜花結晶を乗せる。

 こうして無事に『両手に華を』を使用し、返しに特に全力札の使用を咎められることもなくターンを迎えられたとしましょう。
 さあ5纏いして幕開けを用意しよう……と考えると思いますが、ここで最後のハードルが立ちはだかります。

 それは「纏いを行うためのそのダスト、本当にありますか?」というものです。

 先ほど、「幕開けはなるべく早いタイミングで用意できたほうが強い」という話をしましたが、それは相手も知っている場合が多いです。となると相手は幕開けの用意が遅くなるように妨害しながら動いてくることでしょう。(幕開けを狙う側は、基本動作にリソースを要求され、かつ5フレアを吐き出しているので幕開けが開いて数ターン立つまでは苦しい状況を強いられがちです)

 妨害する方法はメガミに応じていくらでもありますが、全メガミに共通している基本動作で簡単にできる妨害があります。その一つが「『胸に想いを』を開けられた返しに纏いを繰り返してダストを枯らす」というものです。
 単純にダストから『両手に華を』の上に桜花結晶を乗せる行為は基本動作一回分ですが、ダストがなくなると「(適切な間合いに移動する)→攻撃札などでダストを作る→『両手に華を』の上に乗せる」「前進→オーラから『両手に華を』の上に乗せる」といった具合で二回以上の基本動作が必要になります。幕開けの準備が遅れるほど対面は有利盤面で上から動き続けることが出来、ライフを5未満に持っていきやすくなります。

 これに対しての回答が『音無砕氷』です。オーラ0以外の状況でこのカードをライフ受けする人は滅多にいない(あるとしたら、そのままリーサルを取られている)ので、これを対応で使用した瞬間にダストを3つ(2フレア+1オーラ)作ることができます。

 ただ、自分のターンにこのカードを使用する動きはかなり弱いので、なるべく『石突』『八方振り』といった攻撃札からダストを作るようにしていきましょう。

※ちなみに『音無砕氷』ですが、これ一枚で<自/フレア><ダスト>の調整ができるので幕開けパズルの計算で妙な輝きを見せることがあります。余力が出てきたら、そこまで含めて計算できるようになると、拾える勝ちが増えるのかもしれません。

1-2-2-4. ④幕開けを使用する

 これまで幾多の障壁を乗り越えて幕開けにまで開花させることが出来ました。おめでとうございます。

 最後に立ちはだかるハードルは当然ですが「幕開けを利用して桜花決闘に勝利する」というものになります。しかし、これだけを聞いてもいまいちピンと来ませんよね。もう少し具体的な話にしていきましょう。

 幕開けから勝利を手に入れるために必要なことは「最後の2~3点をきっちり削り切るリーサル力」であると思っています。幕開けの攻撃には対応不可がついていますが、それは言い換えると「他の攻撃に対応札を切られる」ということを意味しています。
 また、幕開けの用意までに相応のリソースを支払っていることをふまえると、あまり大きな切札を構えるようなフレアの余裕はないでしょう。つまり、幕開けのリーサルには「手札やフレアといった支払うリソースに対して火力が出る、燃費の良い手段」が求められるというわけです。

 薙旗はこの問いに対して「『響鳴共振』→『突撃霊式』」という回答を持っています。間合い2スタートの状態から「離脱or後退(→宿し)→『響鳴共振』→『突撃霊式』→八相『八方振り』」は現実的なリーサル手段の一つです。特に、幕開けはオーラが5つだと強化されてしまうことからオーラ4でターンを返すことが定石ですが、それに対して『響鳴共振』→『突撃霊式』でライフ2点を取りにいけるのが非常に偉いと思っています。

 ……めっちゃ話が長くなってしまいました。めちゃくちゃ圧縮してまとめるとこんな感じです。気が向いたら、もうちょっとスライドの情報量を増やしたいです。

2. 構築

 お待たせしました。ここからは薙旗の具体的な構築について話をしていきます。

 ぶっちゃけ、ここからが私の一番ブログに書きたかった内容になるので、最後まで読んでいただけるとうれしいです。

2-1. テンプレ構築

 まずは基本的な構築として、紹介するのは「真っ当なビートダウン」と「幕開け」の2つを紹介します。

2-1-1. ビートダウン構築

八方振り/薙斬り/石突/衝音晶/精霊式/桜吹雪/指揮
響鳴共振/音無砕氷/この旗の名の下に

 1-1. で紹介した6点リーサルを狙っていく構築です。

 一巡目の動きですが、先手を取ったときは即破棄『衝音晶』と『精霊式』でお茶を濁しながら相手の攻撃に『薙斬り』で対応するのが理想手です。したがって、マリガンは2T目までに『衝音晶』と『精霊式』、3T目に『薙斬り』を手札に抱えられるようにするように行います。
 『薙斬り』の他に手札を抱えるかどうかの判断は場況によるので一概には言えません。ただ、仮に手札が2枚の状態で奇数再構成になっても、『守護霊式』を『突撃霊式』に開花させながら山札を増やすことで調整できるので、その辺は神経質にとらえる必要はないと思います。

 後手の場合は場合によっては攻撃が振れるようになると思うので『八方振り』『薙斬り』『桜吹雪』あたりが3T目に引けるようにマリガンを狙いましょう。

 この構築では『響鳴共振』から『突撃霊式』を振れるかどうかがリーサルに直結します。たしかに『守護霊式』も強力なカードではありますが、基本的には即座に『突撃霊式』に開花させ、手札に抱えている方が自分からリーサルを取れるようになって強いと思います。

 ゲーム全体のダメージプランしては、間合い2に収束するまでに『八方振り』『薙斬り』『桜吹雪』で1~2点、収束してから『桜吹雪』『守護霊式』や八相『石突』八相『八方振り』で2~3点、再構成で2~3点、残りを『響鳴共振』『突撃霊式』『この旗の名の下に』で削り切るのが理想です。

 『衝音晶』は自由枠です。火力の安定を図るなら『圏域』、ダストができそうなら『無音壁』、上手ぶりたいなら『見切り』なんかを入れてもいいと思います。

 正直、こんな感じの構築が薙旗は一番強いです。理由としては『響鳴共振』『この旗の名の下に』『突撃霊式』で7~8とフレアと手札1枚からオーラ5ライフ2を取ることが出来、早いタイミングでリーサルを狙いにいけるところにあります。一見すると7~8フレアは重そうに見えますが、本来離脱や後退に必要なリソースを『響鳴共振』でごまかせているので、場合によってはフレア4から再構成などでも条件を満たすことができるでしょう。
 これに加えて、『音無砕氷』などサイネの対応札が代用できることで、相手の無茶な攻撃に対してもギリギリで耐えきり、返しに確実にリーサルを取る動きも取りやすいです。

2-1-2. 幕開け構築

八方振り/薙斬り/圏域/衝音晶/精霊式/桜吹雪/指揮
響鳴共振/音無砕氷/胸に想いを

 この構築では、1-2. で散々述べた幕開けを軸に据えた構築です。一巡目は『精霊式』と『衝音晶』で後ろの間合いから保有結晶量を増やして『胸に想いを』を開き、二巡目以降は『八方振り』『薙斬り』『桜吹雪』でダストを作りながら『両手に華を』に桜花結晶を乗せ、幕開けが用意できてからは付与札や『音無砕氷』で各領域の桜花結晶の個数を調整しながら戦っていきます。
 最後には『響鳴共振』からの『突撃霊式』と他の攻撃札も併用して2~3点のリーサルを狙っていきます。

 基本的な動きとしては、
・1T目に1宿し
・2T目に2宿し
・3T目に即破棄『衝音晶』→前進→『精霊式』→纏い→宿し(手札に薙斬り)
・4T目に『胸に想いを』
という流れが理想手になります。(2T目に再構成からフレアを作りに行く動きもあるらしいのですが、私は間合い5に行かないと結局幕開けにはならないと思っているので、最速レベルでは狙わないようにしています)

 幕開けは計算が煩雑なので、この構築を回すときは前日に十分な睡眠をとり、相手の動きを見落として以下のような変なミスをしないように気をつけましょう。
<KY活動>
・ダストの桜花結晶を調整するために、前進ではなく纏いを行った結果『熊介』に当たる。
・フレアを5にするために宿した結果、幕開けライフ受けから『天音揺波の底力』をライフに食らって即死する。

食らったときの記憶だけ、頭に残りがちですよね

2-2.カード評価

 構築の紹介だけだと、柔軟な眼前構築をするには情報が足りないと思ったので、構築を考える参考にしていただけるよう、いつものように薙旗という組み合わせにおける各カードの評価を解説します。

2-2-1.サイネの通常札

八方振り…序盤~中盤は『薙斬り』『桜吹雪』とセットで使用することで打点を確保でき、終盤は『突撃霊式』と一緒に使用することでリーサルに貢献してくれる。どんなに相手が前の間合いで戦ってきそうな場合でも、『響鳴共振』から打点を出すためにこのカードを採用している。
薙斬り…一巡目の折衝をするうえで、相手の攻撃を牽制してくれる(こともある)カード。中距離が得意なメガミが相手の場合、『石突』『守護霊式』『桜吹雪』『指揮』を引き打ちしながらこのカードを手札に抱えられるという意味では相性はそれなりだと思う。(他のメガミだと、手札キープの都合から常には握ってられないときもあるので)
石突…頭がユリナのミコトなのでどうしてもノータイムで採用したくなるが、薙旗が前進に対して強いモチベがあるわけではないので、気がついたら振れなかったこともしばしばある。相手が中距離で浮いてきそうだったら『追い風』を採用して「間合い4でも対応で振れる!」という顔をするのは悪くないと思う。(そういったマッチの場合、『突撃霊式』を作りさえすれば勝ちみたいなことも多く『守護霊式』のために『追い風』採用のモチベが高くなりがち)
見切り…弱いカードでは無いと思うが、環境にいるメガミに対してあまり存在感がない(と少なくとも私は思っている)ので採用したことは無い気がする。薙旗として見たときに、このカードに特別な何かがあるわけではない。
圏域…攻撃札を振るための後退札として雑に使いやすいので、「防御札いらんな~」と思ったときに余った枠にいれるのはけっこうありだと思う。ただ、今は中距離のメガミが多く、敵に塩を送ってしまうこともあるので採用した記憶はあまりない。
衝音晶…冷静に考えて『うまく扱えたら3AP』は破格なので個人的には悩んだらこれを入れている。このカードで相手の焦燥を受からなくして勝ったり、コルヌの『剣の舞』にこのカードで対応してオーラを開けることでライフダメージを減らせたりと、けっこう使い道は多い。あと、全力の攻撃札に合わせると強いことが多く、テンポを取りながら3→4に移動したり先手2ターンや後手1ターン目に即破棄『衝音晶』を構えて『詭弁』や『Steam Cannon』を避けたりもできる。
無音壁…中盤にテンポ札として使っても偉いし、終盤にしゃがみ札として相手のリーサル計算を崩しながら使っても強い。後者にいたっては普通に腹が立つので、国には「袖から『四葉鏡のわらべ唄』を取り出す権利」を認めてほしい。ただ、ビートダウンの構築だと道中でダストができるかどうかが相手に左右されやすく、幕開けの場合はそもそも相手にオーラ圧がない場合が多いので、これを入れなくても勝てるマッチには採用されないことが多いと思う。

2-2-2.ホノカの通常札

精霊式…S7-2の改定でなんかすごく強くなった通常札。『精霊式』は一巡目の折衝で活躍し、『守護霊式』は二巡目以降のテンポの取り合いで活躍し、『突撃霊式』は『響鳴共振』からのリーサルで活躍する。『圏域』や『響鳴共振』から早く『突撃霊式』を作って『神霊ヲウカ』を構えても強いとは思うけど、試したことがないのでわからず。
桜吹雪…普通は攻撃後効果を相手に選ばせる都合から見た目以上に気を使う札だが、横がサイネだと『八方振り』『薙斬り』のおかげで90%前進させてくれるカードになっている。さすがに2/1+1オーラは強いし、割と雑に入れてもええんちゃう?の気持ち。
義旗共振…サイネ対面みたいな、このカードが刺さる相手には入れてもいいのかな……?全力札としては『無音壁』という手強いライバルが居るので、進んで採用することはあまりないと思う。
桜の翅…後ろに下がるなら『圏域』、前に進みたいなら『追い風』があるので、まず採用されないと思う。『神霊ヲウカ』を急いで作るデッキなら入るのかな?『圏域』を入れても『神霊ヲウカ』を作ったら打たないだろうし……。(『圏域』展開の返しに、達人の間合いが上がっていることを利用して間合い4まで離脱すると、薙旗の間合いが5になって『神霊ヲウカ』を打てない)
桜花のお守り…『フルバースト』みたいな、どうしても止めたいうえにサイネではケアできないカードがある場合は、仕方がないので採用する。薙旗としてはこのカードに対してシナジーがあるわけではないので、普通の相手ならサイネの対応札を使うほうが強いことのほうが多いと思う。
指揮…2/1をオーラ受けしまくった相手を嫌な気持ちにさせるカード。普通に使うと、どこまでいっても「1/1を2ターン飛ばせる」というフェアなカードでしかなく、リーサル時に引くと少し悲しくなることもあるが、薙旗だと『律動弧戟』や『音無砕氷』といったオーラ受けを強いるカードが多いことで、リーサル時に単純にライフへの打点を1点底上げできる。また、1-1. でも述べたように、自らオーラを剥がして八相になる動きが(リーサル限定だが)普通に強いので割と入れ得だと思う。欠点があるとしたら、中盤にこれを展開できるようなダストができるかどうかが相手に左右されがちなことぐらいだと思う。
追い風…コルヌやハツミといった「爆速で『守護霊式』を振って『突撃霊式』を作れば相手に圧力をかけられる」みたいな相手には結構入れる。ついでに、副次的ではあるが、このカードを採用すると『石突』を入れても腐りづらくなるというメリット。あと、これは全く試していないので与太話にはなるが、このカードを展開すると、間合い5で『虚偽』をすり抜けて『律動弧戟』を全弾当てることができるので、誰か試したら感想を教えてください。(願望)

2-2-3.サイネの切札

律動弧戟…雑に強いので、相手リーサルラインが低そうだったら入れてもいいと思う。ただ、普通の対面だと、『この旗の名の下に』のほうが便利なことが多いと思うので、このカードを採用するとしたら『律動弧戟』『響鳴共振』『この旗の名の下に』みたいな前のめりの切札にしても怒られない相手とかだと思う。(こうすると、『響鳴共振』ケアでオーラを薄くしてきた相手に後出しジャンケンで†暴れて†リーサルを取ることができる)
響鳴共振…『突撃霊式』によって普通の薙Xよりも価値が高く、相手が間合い2に収束する桜花決闘を望んでいそうな場合はノータイムで採用しても良いレベルの切札だと思っている。また、自分が死にそうなときに相手のリーサルから避難できることもある。(もちろん不利にはなるが、確定負けよりはマシ)
音無砕氷…雑に強く、リーサル時にダメ押しになったりもするので、お互いに攻撃札でビートし合うときは素直に採用してもいいと思っている。ただ、ウツロ対面だと『虚偽』の都合から、いざという時に役に立たないこともあるので抜けることもある。
氷雨細音の果ての果て…宗教。自分がこれを当てることよりも、自分がこれに当たらないように考えたほうがコスパは良いと思う。

2-2-4.ホノカの切札

胸に想いを…1-2. で散々説明したので省略。幕開け算は本当に難しいので、幕開け算検定があったとしても私は信じると思う。
この旗の名の下に…基本的に『律動弧戟』との選択になると思う。個人的には「オーラを誤魔化す系の対応に強い」「『律動弧戟』は『響鳴共振』『音無砕氷』『指揮』で空いているオーラで受けられてしまうので、結果的に1点しか変わらない」「相手のオーラが3や4のときに『響鳴共振』と『律動弧戟』はフレアが足りないが、『この旗の名の下に』だったらフレアが足りるという場面が存在する」といった理由でこっちのほうが優秀だと思う。特にユリナ対面だと「適当な攻撃に切った『衝音晶』破棄→『響鳴共振』→『この旗の名の下に』→『突撃霊式』」とつなげることで、「対応がなければ4点取れて、『浦波嵐』で対応されても八相『八方振り』が準備できて結局4点取れる」という立ち回りが決死の上からぶち抜けて普通に強い。
四季はまた廻り来る…弱くはないのだが、対応札として『音無砕氷』と比べるとさすがに見劣りする。コルヌ対面だったら『音無砕氷』より少ないフレアで『旋回刃』を妨害できるので入れても良いのかもしれない。ヤツハに対しては、相手がちゃんと動くとこのカードは普通にケアされてしまうので『音無砕氷』のほうが対応としては安定すると思う。また、手札を入れ替えようとすると八相から遠のいてしまうのも、個人的にはあまり好きではない。
満天の花道で…ウツロやコルヌみたいな、このカードが順当に刺さるようなメガミが相手であれば、素直に採用すればいいと思う。それ以外だと、相手の攻撃をオーラ受けして八相になっても勝手にオーラが埋まってしまうので微妙に感じてしまう。

2-3. 実際の構築

 最後は、私が完全戦三拾一捨のレギュレーションで薙旗を返され、実際に組んだ構築についてカードの採用意図などから解説しようと思います。

2-3-1. vs笛機(トコヨA1/クルルA1)勝ち

八方振り/薙斬り/石突/圏域/精霊式/桜吹雪/指揮
胸に想いを/響鳴共振/音無砕氷

 クルルAのなかで特に警戒するべきカードとして『だうじんぐ』と『神渉装置:枢式』が挙げられると考え、それらに対してのケアを考えました。

 笛機は『無窮ノ風』と『どれーんでびる』を組み合わせた構築を組むことが出来、それらに対しては「オーラ1を維持する」という方法で『どれーんでびる』の効果は不発にさせることができます。

 それに対しての相手が用意できる裏目が『だうじんぐ』であり、まずは全力札を抜かれないために全力札の採用は避けます。
そして、相手にこちらの攻撃札を抜かれたときにオーラ0の状態からライフを守るために『音無砕氷』は採用します。『指揮』を使われた場合だけが非常に厄介なので、『指揮』を引いたら即展開を意識(手札に抱えると『無窮ノ風』でハンデス→『だうじんぐ』で『指揮』使用が裏目)して、『指揮』を抜かれうる瞬間だけオーラ2の立ち回りを行ってケアします。(再構成トップ『だうじんぐ』は、緑機巧の準備も運によるので、開き直ってケアしませんでした)

 これらを考慮すると、通常札についてはほとんど確定しました。そして、次に考えるのは切札です。前述した通り『音無砕氷』は確定で採用するとして、問題は残りの2枚です。
 本当は『律動弧戟』や『この旗の名の下に』を採用したいですが、上述の八相を維持した立ち回りの最中に『神渉装置:枢式』を使われると負けてしまうので、最終的には相手に使われてもほとんど被害のない『響鳴共振』と『両手に華を』に開花さえさせてしまえば問題なく使える『胸に想いを』を採用しました。(『胸に想いを』よりも『神渉装置:枢式』が先に揃ってしまうと、『胸に想いを』を表にされたときに爆発してしまう)

 ここまでが眼前構築です。桜花決闘の中身については、事前の予想とほとんど変わりなく進行しますが、それはそれとして苦しい状況が続きます。
 結局は『響鳴共振』から『突撃霊式』を打ってライフ回復でゲームを遅延し、相手の引きの下振れを祈ります。最終的には祈りが通じたのでヌルっと勝ちましたが、もしかしたらBANが違っていたかもなあ……という感想を抱きました。

2-3-2. vs銃旗(ヒミカ/ホノカ)勝ち

八方振り/薙斬り/石突/精霊式/桜吹雪/桜花のお守り/指揮
響鳴共振/氷雨細音の果ての果て/この旗の名の下に

 銃旗は『クリムゾンゼロ』から『バックドラフト』で『この旗の名の下に』や『突撃霊式』を4/3で使用して5点リーサルを取りに行く動きが強力です。

 そのため、
①『クリムゾンゼロ』に切れる対応札を採用する
②自分のライフを守り、相手のリーサルを遅らせる
③相手より先にリーサルを取る
の三点を軸に眼前構築を行います。

 最終的には、①に対しては銃旗のリソースが足りないという想定で『氷雨細音の果ての果て』、②に対しては『ラピッドファイア』を打ち消すための『桜花のお守り』、③に対しては『響鳴共振』と『この旗の名の下に』を採用します。
 結論から言うと、②と③については想定からあまり外れてなく、①については『音無砕氷』で十分に勝てそうなので冒険する必要は無かったかな……という感想になりました。『響鳴共振』についても、ちゃんと『音無砕氷』を採用しれいれば後ろ寄せには多少構築が裏目っても相性差でゴリ押せそうで問題なかったです。

2-3-3. vs薙旗(サイネ/ホノカ)負け

薙斬り/石突/無音壁/精霊式/桜吹雪/桜花のお守り/指揮
音無砕氷/胸に想いを/四季はまた廻り来る

 S7-2で薙旗を使って唯一の負け試合、ミラーマッチです。幕開けで八相をさせないように圧力を出しながら『この旗の名の下に』に『音無砕氷』、『律動弧戟』に『四季はまた廻り来る』、八相『八方振り』に『桜花のお守り』を合わせるつもりで眼前構築を行います。
 『桜花のお守り』を採用する都合で手札管理の安定性を高めるために『八方振り』を外して間合い2~3を主戦場にした構築を組みました。

 桜花決闘については『胸に想いを』を使用して『両手に華を』を開けるところまでは順調に進みましたが、以降は手札の攻撃札を使ってテンポを取りたい衝動に駆られ、結論から述べると幕開けにはなりませんでした。
 たぶんこれはプレミその1で、結果的に5フレアの『かさまわし』というかなり弱い動きに切札を割いてしまいました。

 もう一つのプレミは打点不足です。上述の幕開け用意できなかったことに加え、『八方振り』と『突撃霊式』のための後退札の両方を採用しなかったことで、相手にとって都合のいいオーラ受け/ライフ受けを許してしまいました。
 正直『桜花のお守り』を採用するよりかは『八方振り』を採用して、代わりに相手の『八方振り』に対応『薙斬り』を合わせればよいといった具合になりました。幕開けを早く作ろうと『両手に華を』のときに無茶をすると『この旗の名の下に』がライフに通ったりすることもあるので、幕開けへの開花は場況で決めたほうが良さそうでした。

2-3-4. vs薙橇(サイネ/コルヌ)勝ち

八方振り/薙斬り/石突/衝音晶/精霊式/桜吹雪/追い風
律動弧戟/音無砕氷/満天の花道で

 中距離同士の殴り合いになると考え、『八方振り』『薙斬り』『桜吹雪』を採用します。さらに、『突撃霊式』を作ることで相手の動きを歪めて有利が取れると考え、『守護霊式』を安全に振るために『追い風』を採用します。

 あとは、『追い風』を採用しているならどこかで振れる上に、『旋回刃』を消すことにも使える『石突』と、『絶対零度』に合わせる兼『旋回刃』を消す用の『衝音晶』を採用しました。
 切札については、『コンルルヤンペ』に合わせてオーラ受けしたり、単純に防御札として一定の価値がある『音無砕氷』とコルヌに刺さる『満天の花道で』、リーサル手段としては『氷雨細音の果ての果て』に引っかからない『律動弧戟』を採用しました。

 桜花決闘自体は、こちらは『満天の花道で』と『衝音晶』で相手の打点をいなし、こちらも八相になれずに打点が下がるために膠着状態が続きます。
 終盤に『音無砕氷』の切り方を間違えて「相手の見えていないカードが全て前のめりの場合にリーサルを取られる」という盤面を作ってしまいましたが、たまたま切札の噛み合いがこちらに傾いていたので相手がしゃがんだ返しに『律動弧戟』で先にリーサルを取って勝ちました。

2-3-5. vs心鏡(ユリナA2/ヤツハ)勝ち

八方振り/薙斬り/石突/衝音晶/精霊式/桜吹雪/指揮
響鳴共振/この旗の名の下に/四季はまた廻り来る

 概ね出来ることは刀鏡(ユリナ/ヤツハ)と変わらないので、刀鏡対面とほとんど同じ構築をぶつけることにしました。中身は2-1-1. で紹介したビートダウンの構築とほとんど同じで、『音無砕氷』の枠が『四季はまた廻り来る』になっているのは、『問答』で山札を破壊された場合に『守護霊式』を引ける可能性を上げて、リーサルまでに『突撃霊式』を手札に抱えられる確率を高めるためです。

 桜花決闘としては一巡目に『問答』で『八方振り』『薙斬り』『桜吹雪』で打点を取る動きが破壊され、引きが下ぶれて足踏みしていたところに、相手が間合い3で4/2の『神座渡』を使用してきます。それをオーラ受けで返しに『八方振り』がボトムったことにブチ切れながら暴れてリーサルラインまでの打点を稼ぎます。
 返しにお相手も手札5枚から暴れて大怪獣バトルが勃発し、ここで対応が『四季はまた廻り来る』であることに大後悔モウイレンワ状態に突入。

 前のターンに十分な打点を稼げていたので、タコ殴りにされた返しは死に筋を少しでも減らすことに意識を費やします。お相手もオーラ4でしゃがんできたところを、『響鳴共振』→『この旗の名の下に』→『突撃霊式』→で4点取ってリーサルでした。

3. あとがき

 以上が薙旗の記事になります。ここまで読んでくださった皆様に感謝を申し上げます。
 薙旗は、リーサルラインがすごく高く、S7-2で修正が入った質の高いホノカのカードを最大限活かしたビートダウンの構築を組むことが出来ます。タイトルにて『令和の刀薙』という表現をしたように、ユリナを使うことが好きなミコトにこそオススメしたいです!大会でもぜんぜん戦えるぐらいにはパワーの高い組合せなので、様々な横を検討して三拾一捨などで使ってみてほしいです!

 考察の内容の関係の有無を問わず、気になった点やご意見、ご指摘などがございましたら、このブログのコメント欄か、私のTwitterアカウントまで持ってきてくださると、非常にうれしいです。
 この記事の画像は「ふるよにコモンズ/BakaFire,TOKIAME」から拝借しております。

URL: https://main-bakafire.ssl-lolipop.jp/furuyoni/na/rule.html