YS秋葉原感謝祭レポート!旗櫂算(ホノカ/ハツミ/アキナ)

 どうも皆さんこんにちは、Zicoです。
 今回書くのは、12/24(日)の大公式大会:YS秋葉原感謝祭のレポート記事です。YS秋葉原感謝祭については、以下の公式ブログをご参照ください。

bfpblog.bakafire.main.jp

 この大会で私は旗櫂算(ホノカ/ハツミ/アキナ)を宿しました。結果は5-0、優勝でした。ハツミ様は私の最推しメガミなので、2023英雄の証を入手できて非常に嬉しいです。

 前回の32人大会(オフライン完全祭)では0-3ドロップという結果で、だいぶ凹んでいました。色々と検討をサボった自覚はあり、起源祭の優勝から来た甘えが結果に反映されてしまったと反省しました。場末とはいえブログを書いている身として同じような体験はしたくなかったですし、ちょうど英雄の証も更新された(しかもハツミ様!)ので、今回はもう少し真面目に取り組もうと考えていました。
 そのような気持ちで臨んだのが今回のYS秋葉原感謝祭だったので、満足のいく結果で終えることができて非常に良かったです。

 この記事では初めに選出までの経緯を説明して、その後に三組(旗櫂・櫂算・旗算)について解説、最後に5回分の対戦について振り返ります。
 かなり長い文章になってしまうかと思いますが、最後まで読んでもらえたら嬉しいです。それでは、始めていきましょう。

1. 選出経緯

 今回のYS秋葉原感謝祭ですが、12/9(土)のゲームマーケットでS9の情報が全て出揃ってから15日後の大会でした。そのため、準備期間の短さという点で、従来の32人以上の大会とは大きく異なっていました。このようなタイミングで意識するべきは、S9のメタゲーム予想と、それに基づく検討事項の選別です。

 ここでは、新環境のメタゲームの個人的な予想を述べて、その後に私が今回のYS秋葉原感謝祭に旗櫂算を持ち込むに至った経緯を説明します。

1.1. 新環境について

 当たり前ですが、新メガミの追加とS8-2→S9のカード更新により、環境は大きく変わることが予想されました。具体的なカード更新の内容については、以下の公式ブログ記事をご参照ください。

bfpblog.bakafire.main.jp

 これらのカード更新について、強い/弱いという点でのみ評価すると以下のような印象でした。あくまで12/24(日)時点での私の所感なので、参考程度にとどめてください。

ユキヒ
 概ね弱体化です。『はらりゆき』の適正距離3が消失したことにより、近距離で戦いたい傘Xは『ゆらりび』が当たらない相手に対して非常に弱くなりました。特に、『ウバラザキ』のフレア裂傷を『はらりゆき』で踏み倒す構築はかなり厳しくなったので、傘鋸(ユキヒ/シスイ)はほとんどいなくなると予想しました。
 ただ、『はらりゆき』に代わって『しこみび/ねこだまし』はナーフ前に戻ったので、中距離の傘Xは強化された印象です。しかし、『はらりゆき』の適正距離から6が消えたことで銃傘(ヒミカ/ユキヒ)は全盛期の力を取り戻すには至りませんでした。結局、警戒が必要な傘Xは忍傘(オボロ/ユキヒ)*1と傘櫂(ユキヒ/ハツミ)*2ぐらいといった印象です。

シンラA
 強化です。少し増えることは予想されましたが、経典のケアは基本動作による比重が大きいので、選出の時点での警戒は不要だと判断しました。ただ、プレミ防止のために、自分の持っている『使徒』は見えやすい場所に置いたほうが事故が減らせて安全だと思いました。

レンリA
 少し弱体化です。『魚吊り』がなくなったことで、中距離メガミもレンリAを相手に戦いやすくなりましたが、『ラナラロミレリラ』や『夜山恋離のなれの果て』からの『完全論破』は健在なので有利/不利がひっくり返るほどではないと思います。また、『神授』とその入れ替え先はカード変更がなかったので、大会にも余裕で持ち込めるという認識です。

アキナ
 少し強化です。アキナはS8-2時点でも遺算鋸(レンリA/アキナ/シスイ)といった強い三柱に含まれていたので、S9でトップメタを張る可能性は十分にあると予想しました。そのため、宿すことを検討するべきであると同時に、対面に来ることも想定するべきであると考えていました。

シスイ
 かなり弱体化です。『金屑纏い』でオーラ裂傷を与えて、次のターンに前進する動きができなくなったので、一巡目の折衝で主導権を握りづらくなりました。加えて、『ウバラザキ』が間合い4で使えなったことで、相手が前進拒否した場合はオーラ4フレア2で『ウバラザキ』を再起させる動きが難しくなっています。しかし、中盤以降の出力は概ね今まで通りなので、メタゲームによっては採用を検討するレベルではあります。

サイネA
 諸説です。3/Xや-/Xを持つ相方と合わせる場合は、『二重奏:弾奏氷瞑』の消費フレアが(条件付きで)軽くなったことで、ライフダメージのバフを活かしやすくなりました。そのような場合では、強化といえるでしょう。
 しかし、それ以外の場合は『八方振り』『氷の音』を持たなくなったためにサイネA単体でのビート性能が減少し、『二重奏:弾奏氷瞑』から不可避バフ、萎縮、ドローなどが消えたことも相まって弱体化した印象です。
 選出時点での警戒は不要だと思っていますが、『合奏』絡みはプレミを誘発しやすいの注意が必要です。対戦するときは手元に置いておくと安心できそうですね。

トコヨA
 弱体化です。『奏流し』は少し強くなりましたが、火力についてはミソラが上位互換に近いので、-/1打点によるクロックメガミという枠では存在感に欠ける印象があります。変更後の『二重奏:吹弾陽明』はトリガーが相手依存となり安定しなくなったことから、従来の『二重奏:吹弾陽明』を軸にしていた笛Xはかなり解散気味です。
 したがって、サイネAと同様に選出時点での警戒は不要だと思っています。ただし、カードの入れ替わりが非常に激しいので、『合奏』含めて勘違いをしないよう細心の注意を払う必要があります。

 ここまでがカード更新についての所感となります。
 次に、新しいメガミの電子(オボロA2)弓(ミソラ)についてです。こちらも、詳しく解説しようとすると長くなってしまうので、結論だけを簡単にまとめます。
 各メガミのカードについては、以下の公式HPカードリストからご参照ください。

main-bakafire.ssl-lolipop.jp

オボロA2
 これからの研究で覆る可能性は十分にありますが、現状は概ね忍(オボロ)や戦略(オボロA2)と同程度の強度という印象です。少なくとも、12/24(日)の時点ではオボロA2単体としては無警戒で問題ないという印象です。

ミソラ
 『風孔』『カガゲルカゲ』といった汎用性の高い対応に加えて、『弓流し』『早矢乙矢』『ミハテヌハテ』とった複数のクロック手段を持つメガミです。個人的には、「防御力のパラメータを少し攻撃力に割り振ったトコヨ」といった印象を持っています。
 かなり強い主張を持っていますが、オーラ圧が少なかったり全体的に切札耐性が乏しかったりと、ピーキーな性能を持っているため相手の強い動きが明確で、対策は講じやすい印象です。言い方を変えると、対策なしだと相手の主張を一方的に通されて完敗となる場合もあり得るので、選出時点での警戒は必須になると考えていました。

 ここまで長くなってしまいましたが、以上を踏まえた私の環境予想および選出基準は、以下のとおりです。
①ゲームスピードの鈍化
 シスイが減るため、環境はかなり低速化するはずです。それに伴って、従来はゲームスピードが課題だったメガミが選出できるようになり、それに伴い強いとされるカードも変化していくと予想しました。
②中距離環境
 シスイとレンリAの減少に伴い、シスイの『黒き絆』『アブダグイ』、レンリAの『魚吊り』『ラナラロミレリラ』を苦手としていた、強い主張を持つ中距離メガミが増えるはずです。そのような中距離メガミを宿すことを検討すると同時に、それらのメガミに対する対策が必要になると予想しました。
③三柱の方向性は算XY
 宿すメガミの有力候補でも想定すべき対面でもあるのは、アキナです。一応、アキナに対抗する手段を持つメガミは存在はしていますが、大幅な有利を取るには至りませんし、加えて全体的にピーキーな性能を持つメガミが多いので、安定して勝ちたいなら宿す側に回ったほうが無難だと予想しました。
④メタの中心は弓
 ミソラへの対策は必須です。ミソラメタの筆頭は毒XYや鎌(塵)XYで、可能であればそこまでを見据えて有利を取れるような選出を意識したいところです。

 ここまでを前提として、以降の節で旗櫂算の選出理由を説明します。

1.2. 旗櫂算の選出理由

 先述の通り、YS秋葉原感謝祭の環境予想と選出基準は、
①ゲームスピードの鈍化
②中距離環境
③三柱の方向性は算XY
④メタの中心は弓
の4つでした。仮説を立てたのは12/9(土)に新拡張の情報が出揃ったタイミングで、この時点では旗櫂算の他にも旗算弓(ホノカ/アキナ/ミソラ)毒塵橇(チカゲ/ウツロA/コルヌ)なども考えていた記憶があります。
 この時点でぼんやり考えていたこととしては、
・ミソラ自体が繊細なメガミでリソースも潤沢とは言い難いことから、搦め手に長ける毒塵橇は弓X全般に対して強く出られるだろう。
・毒塵橇などを想定するなら、ミソラを宿す場合に横に添えるべきはリソース供給に長けたメガミだろう。(例:ホノカ、アキナ)
・旗櫂算であれば、ミソラに対して主張を持てる(詳細は後述)うえに、毒塵橇に対しても有利を取れる*3だろう。
といったものがあります。ただ、12/10(日)のネット対戦(シミュレーター読み替え)で旗弓を使って敗北してからは、旗弓Xの検討は止めた記憶があります。

 次に検討をする機会は、12/16(土)のお気楽交流祭でした。ここでは、毒塵橇を可能な限り持ち込んで、少しでも多くの弓を倒して毒塵橇を流行らせようと画策していました。(そして、その毒塵橇を旗櫂算で倒そうという算段でした)
 そんな心構えで臨んだお気楽交流祭でしたが、初戦のY裏さんから旗櫂算をお出しされて「マジか~」と困ってしまいます。※お気楽交流祭なので、『困りますボタン』を押すのは、あくまで心のなかにとどめました。

こまりますボタンjp.daisonet.com

 もちろんその対戦は負けましたが、そのあとの塵橇vs傘弓(ユキヒ/ミソラ)でも引きの偏りが多少あったとはいえ、ギリギリ負けてしまいます。その日は、なんとも微妙な手応えで終わりました。
 お気楽交流祭から帰宅後、「傘弓であそこまで肉薄できるなら、やはり弓XYを考えるべきなのでは?」と考えました。そのなかでも、弓算は概ね扇算(トコヨ/アキナ)の上位互換だろうと予想していたので、まずはその横を探す方向性で考えることにしました。
 このとき、弓Xの相方に求めるものとして、
・クロックという弓の主張を補強できること
・オーラを薄くしてきた相手を咎める手段を持つこと
・リソース確保手段を持つこと
の3つを掲げました。そして、最終的には、三柱目としてレンリAを思いつきます

・『偽りの武器』で『ミハテヌハテ』や『弓流し』を-/2にできる。
・『欺瞞の霧』や『御劔桐子の巫女神楽』でオーラの薄い相手を咎められる。
・『最初の桜鈴』でリソースを確保できる。
…これだ!と思い、12/17(日)の大会遺算弓(レンリA/アキナ/ミソラ)を持ち込み、そのまま優勝して概ね仮説が正しいことが確認できました。

 しかし、実際に使ってみると色々な弱点も見えてきて、例えば以下に示すような課題を感じました。
・私が組んだ弓算は『算盤珠』を用いたライフ回収がダメージプランに組み込まれていました。そのため、オーラ回収よりもオーラ投資の回数が多くなり、全体的にリソースが不足気味でした。したがって、一般的な算Xにありがちなリソースの余裕は感じられず、繊細な印象を受けました。
・遺弓の打点は『偽りの武器』からの-/2攻撃に依存するため、最初の『神授』を『最初の桜鈴』にすると打点が激減してしまいます。そのため、相手もリソースが豊富だと時間切れ両者敗北のリスクがありました。
 さらに、その後のフリプで遺弓を使ったところ某令和ふるよに最強プレイヤーの塵橇に完敗してしまい、「これちょっとダメそうだな」という感想を得て、24(日)のYS秋葉原感謝祭の本番には遺算弓は持ち込まないことにしました。(もちろんこれは黙っていました、遺算弓が増えてくれたらお得なので)

 ただ、同日に不幸中の幸いもありました。それは、遺弓算を試すなかで、旗櫂算が弓算に対して有利を取れそう、というものです。そのため、YS秋葉原感謝祭まで脆弱性が発見されない限りは、旗櫂算を持ち込むつもりでいました。
 また、この時点で色々な人が旗櫂算を使っていたので、旗櫂算の秘匿は諦めました。その代わりに、積極的に大会後のフリプで使って対戦数を稼ぐことにしました。

 様々な三柱とフリプなどで対戦して気づいたことがいくつかありました。例えば、ゲームスピードの鈍化に伴いライフ回復が付いている『突撃霊式』と、複数回の萎縮と山破壊でテンポとライフの両方でリードを取れる『ミオビキ航路』は相対的に強い立ち位置にあるということです。
 この二枚のお陰で、旗櫂算の対策をしていない一定強度以下の任意の組み合わせに対しては全体的に微有利以上を取れている感覚がありました。それが、旗櫂算に気持ちが偏った理由でもあります。

 正直、旗櫂算のなかでも旗算以外はエアプだったので、経験値不足が懸念されましたが、
某飲酒ふるよに勢さんが銃旗櫂で勝ちまくっていたことが幸いして、なぜか旗櫂が帰ってこなかったので、旗櫂の知見不足が問題になりづらかった。
・櫂算が概ね典型的なビートダウンの算Xで、相手が悪いときの微妙な打点の細さ含めてS8剣算(カムヰ/アキナ)あたりと同じような感覚で回せたので困らなかった。
といった要素が複合的に重なり、「12/24(日)までは何とか誤魔化せそうだ」という結論に至りました。S9開始から1ヶ月以上経ったら、おそらく旗櫂の過大評価が改められ、強い人達は旗櫂か櫂算を三面でメタれるような三柱を見つけられていたことでしょう。

 それはそれとして、12/23(土)の大会でも旗算と櫂算の両方で算弓に勝つことができ、決勝戦やその後のフリプでは旗櫂が思っていたよりはちゃんと強いことも確認できました。そのため、特に軌道修正はせずに旗櫂算で12/24(日)当日も臨むことにしました。

 ここまでが三柱選出までの経緯です。ここからは、大会当日のレポートに入る前に旗櫂算の各組み合わせを紹介します。

2. 旗櫂算の紹介

 最初に断っておきますが、旗櫂算で20回弱ほど対戦したなかで、返ってきた頻度は櫂算>旗算>旗櫂で体感6:3:1です。したがって、旗櫂についての説明は想像がかなり混ざっていることをご留意ください。(なんで誰も旗櫂のブログ記事を書いてないんや……)

2.1. 旗櫂

 旗櫂の主な主張は『精霊式』と『波呼び』にあります。
 『精霊式』は序盤にダストを生成してくれるので、安全に『波呼び』を展開することができます。そして、『波呼び』の【展開中】効果で山札を増やすことで、開花した『守護霊式』を再構成や『四季はまた廻り来る』に頼らずに確実に引くことができます。
 さらに、『波呼び』の優秀な点として「破棄時にダストが2つ増える」というものがあります。これは『羅針盤』と特に相性が良く、「『波呼び』破棄→『水雷球』→生じたダストで『羅針盤』展開→『守護霊式』」は頻出手筋の一つです。この動きを取る際に、『波呼び』の【展開中】【破棄時】効果で山札枚数を予め奇数に調整していれば、次のターンには確実に開花した『突撃霊式』を引けます。逆に、山札を0にしておくと『四季はまた廻り来る』から『突撃霊式』を同じターンにそのまま使用できます。

 また、『波呼び』は【展開中】効果で毎ターン山札を増やせるので、破棄されるまでの間は山札が1枚ずつしか減りません。対して、【展開中】効果が発動し続けるということは即ち逆風でターンを返され続けている状況であるため、相手の山札は『ミオビキ航路』によって減り続けます。
 このような、山札の増減による再構成ダメージも塵も積もれば何とやら……と無視できない要素です。これだけならハツミ単体でも再現可能な挙動ですが、旗櫂はこれに『桜花のお守り』によるライフダメージへの防御、『突撃霊式』によるライフ回復といった要素が加わります。したがって、「攻撃している側のライフが、逆に何故かジリジリと減っていく」という不思議な盤面を作ることができます。

 他にも、『波呼び』に関連した旗櫂の小ネタとして、
・『桜花のお守り』で伏せたカードを引き直せる。
・『神霊ヲウカ』ケアで間合い5まで後退されても、【破棄時】効果で前進すれば『神霊ヲウカ』を使える。(もちろん、間合い0における離脱も同様)
などがあります。『神霊ヲウカ』に関連した小ネタは多く、
・『水雷球』で間合い1を踏むことで後退によるケアを難しくさせる。(間合い5まで下がって『神霊ヲウカ』をケアするという動きへの対策)
・『羅針盤』で適正距離5を追加して後退によるケアを難しくさせる。(『突撃霊式』から『神霊ヲウカ』を作る場合の典型的な課題である「相手が間合い5にとどまる」というケースへの想定解)
・『ミオビキ航路』で萎縮させることで、纏い直しや後退によるケアを難しくさせる。(逆風で返すと『神霊ヲウカ』がライフに通り、順風で返すと今度は『波呼び』【破棄時】効果から『水雷球』『水流』『イサナ海域』でリーサル、という盤面を作れる)
などなど様々です。(考えてはいたのですが、結局使いませんでした)

 基本的には、『ミオビキ航路』で相手のリソースを縛りながら『精霊式』の開花を進めていくだけで、特に対策を考えていない相手には主導権を握って立ち回ることができます。また、『神霊ヲウカ』『水流』『強酸』とライフダメージを確保できる優秀な通常札を多く持つことから切札の自由度が高く、相手に合わせた構築を組みやすいという点も魅力の一つです。

 最後に、仮想対面としてミソラに対して使おうとしていた構築を紹介します。

精霊式/桜吹雪/桜花のお守り/水雷球/水流/強酸/波呼び
イサナ海域/ミオビキ航路/自由枠

 ミソラ対面における後手の場合の基本的な立ち回りは、
後手1T:手札を伏せて宿し
(相手の『早矢乙矢』に対応『桜花のお守り』で打ち消し)
後手2T:集中宿し→『ミオビキ航路』→集中纏い
後手3T:(集中前進→)『精霊式』→間合い8で『波呼び』展開
後手4T:順風なら『波呼び』【破棄時】効果で『水流』『水雷球』を構えて攻撃、逆風なら『強酸』から『水雷球』で間合い2を踏んで『守護霊式』を構える
といった感じで考えていたことにしました。先手の場合は2T目に『精霊式』から『波呼び』を展開できるように初手で前進でもすれば多分大丈夫でしょう。
 弓Xは「『早矢乙矢』で1点、『弓流し』で2点、『ミハテヌハテ』で2点、再構成で3点……」みたいに構築の時点で打点が決まっている場合が多いので、『桜花のお守り』で攻撃札による打点、『波呼び』で再構成によるライフダメージといった相手の計算を妨害しながら、『ミオビキ航路』の萎縮からの『桜吹雪』や『強酸』でライフを詰めていきます。
 ミソラ側のよくあるホノカ対策として、「『カガゲルカゲ』で『守護霊式』を打ち消す」というものがありますが、実際は間合い2~3に着地していれば、相手は逆風で返すために『狙い蹴り』などの攻撃札を使用せざるを得なくなるので、そこに対応として合わせれば大体解決します。(順風で返してくれるなら大体『水流』とかに『カガゲルカゲ』を切ってくれるので、そこから満を辞して『守護霊式』を振ればOKです)

 ここまでやって『突撃霊式』が作れれば、あとは大体手なりで攻撃札を振っていれば、【攻撃後】効果のライフ回復で相手の勝ち筋がなくなるか、あるいはこちらがリーサルを取って勝つか……になると思います。(未検証)
Q1. 『そして新たな幕開けを』はどうなの?
A1. 『ミオビキ航路』の萎縮のおかげで相手の動きを制限できるため、パズルがやりやすいです。したがって相性は悪くないです。おそらく、パズルを組むうえでは『水雷球』の扱い方がカギになると思います。
 逆風『水雷球』なら間合い3→5に移動できますし、そこから3/2『突撃霊式』→3/3『そして新たな幕開けを』でライフダメージを稼ぐこともできるでしょう。また、順風なら1/-『波呼び』破棄(離脱or後退)→2/2『水雷球』→3/2『突撃霊式』→3/3『そして新たな幕開けを』で一気にリーサルも狙えます。

2.2. 櫂算

 次は櫂算です。何故か一番良く返ってきますが、実は大会でもフリプでも全勝しています。(12/24(日)時点での話です。旗算は『開方冥式切取法』の計算ミスって1敗しました。旗櫂も実は全勝ですが、そもそもサンプルが少なすぎて論外です)

 櫂算も『波呼び』をうまく扱える二柱です。ここでは、先にテンプレ構築をご紹介したいと思います。
水雷球/水流/強酸/波呼び/恫喝/算法/直接金融
イサナ海域/ミオビキ航路/源上安岐那の御明算

 私が使う櫂算の7割ぐらいはこの構築です。相手が普通のビートダウンの場合は、これを使っておけば大体勝ちます。

 一巡目の主なノルマは、
・『波呼び』展開
・『ミオビキ航路』使用
・『直接金融』展開
の3つです。あとは『算法』で相手の無茶な攻撃だけケアしながら、『波呼び』で山を調整しながら後ろで盤面を整え、基本的には相手に前進してもらうつもりで戦っていきます。
 一巡目の折衝で覚えておきたいのが、「『波呼び』【破棄時】効果で宿し(→『源上安岐那の御明算』【使用済】効果で宿し)→『直接金融』集中払い」という打ち筋です。これは間合い6~7で自分から前進したくない時に使うテクニックで、相手は『直接金融』の隙を割るために、『算法』ケアのリソースも払いながら全力で攻撃してくるはずです。
 その後は、『ミオビキ航路』で萎縮を撒きながら、その場その場で最適な動きを考えて立ち回ることになります。ここら辺は櫂算というよりかはアキナの立ち回りへの理解度が要求される部分です。選択肢が多く場況での判断が入るので言語化が難しいですが、感想戦などを行って都度ブラッシュアップを進めていくしか無いと思います。
 二巡目以降も、伏せ札に戻した投資券を『波呼び』で戻すことを選択肢に入れながら、逆風なら『ミオビキ航路』で萎縮を撒いて『恫喝』『直接金融』『強酸』あたりでアドバンテージを稼ぎ、順風なら『水雷球』『水流』でライフを稼ぎ、可能であればオーラ回収や『イサナ海域』でリーサルを狙います。

 櫂算の強みは、『波呼び』による実質的な投資券密度の増幅と、『ミオビキ航路』によるリソース剥奪能力です。『直接金融』は隙が付いたから弱いと思う人がいるかもしれませんが、冷静に考えて「手札1枚+集中力1→相オーラ-2、自オーラ+2」は破格の性能ですからね。
 『ミオビキ航路』で萎縮を撒くと対応『算法』の上から出せる最大火力を値踏みしやすく、オーラ4以下でもターンを返しやすくなります。そうなると、『源上安岐那の御明算』による宿しも入れれば『直接金融』を展開するときに納をオーラから乗せなくても済み、より効率的にリソースを回せるようになります。
 『ミオビキ航路』と『直接金融』と回収で相手のリソースを根こそぎ奪い尽くし、順風で返さざるを得なくなった相手に『水雷球』『水流』『イサナ海域』で一気にリーサル……というのは櫂算の典型的な勝ち筋の一つです。

 最後に、ミソラ対面の櫂算について説明します。
 構築は、上述のテンプレ構築と全く同じです。一見すると『直接金融』は-/1で割られやすいように見えますが、上述の理由から納をダストから乗せて展開できる場合は気にせず使用していきます。(ミソラはオーラ圧が少ないので、自オーラ3以下の状況は比較的作りやすいです)
 『早矢乙矢』に対しては、『恫喝』を捨ててライフ受けします。これにより、返しに『ミオビキ航路』使用から『波呼び』を展開、その次のターンには1フレアで『源上安岐那の御明算』を使用して以降は継続的にリソースを稼ぎ続けます。
 それ以降は、逆風『水雷球』も検討して、少しでも早く間合い2に行くことを意識します。ミソラは間合い2で使用できる攻撃札は『狙い蹴り』と『風孔』しかなく、使用すると必然的に『弓流し』が-/1になりません。
 こうなると、『直接金融』を割る手段が『ミハテヌハテ』しかないので、展開した場合は甘んじて受け入れるか、2フレアを払う(≒さらに資本差がつく)かの選択を強いることができます。そして、一度照準が2や3になると『カガゲルカゲ』で『水流』を打ち消せなくなるので、順風で返してしまうと『水流』と『イサナ海域』でリーサルを取りやすくなります。このとき、『算法』で適正距離を弄ると『カガゲルカゲ』で打ち消されてしまうリスクがあるので、注意してください。(n敗)

Q1. 後退手段としては『盤狂わせ』の方が強くない?
A1. 櫂算とは相性があまり良くないと思っているので、私は基本的に採用しません。
 『盤狂わせ』は【破棄時】効果で間合い1に移動する場合はあり、結局は自分の離脱回数が増えるだけなので、フレア剥奪で生まれた資本差を離脱という弱い基本動作で潰してしまい、アンチシナジーとなってしまいます。また、相手が『ミオビキ航路』で萎縮する都合で間合い2~3に収束する保証がなく、使用機会が安定しません。
 このような要因を考えると、対応としても使用できる『算法』の方が無難な場合が多く、相手のフレアを破壊することに強いインセンティブが生じるような対面以外では『盤狂わせ』をほとんど採用しません。

2.3. 旗算

 最後は旗算です。三国杯での優勝者の選出にも含まれていた、確かな強度を持つ二柱です。
 攻撃力は正直に言うとあまり高くないと思っていますが、何だかんだで最後は勝つことの多い不思議な二柱です。

 「何だかんだで勝てる」を言語化したとき、旗算の強みは『四季はまた廻り来る』を軸に構成されていると思います。一見すると『恫喝』以外にライフダメージを稼ぐ手段が不足しているように見える旗算ですが、『恫喝』を投資券として使用したあとに『四季はまた廻り来る』で山札に戻すことで、『開方冥式切取法』のリーサルまでに必要なライフダメージを稼ぐことができます。
 『四季はまた廻り来る』で『恫喝』を引く動きがうまく噛み合えば、「-/1『恫喝』→『恫喝』を投資してライフ回収→『四季はまた廻り来る』で『恫喝』を引いて-/1で使用→再び『恫喝』を投資してライフ回収」といった具合で一巡でライフ4点を稼ぐこともできます。これを見た人は本当に二回目の『恫喝』が-/1になるのか疑問に思うかもしれませんが、それを可能にするのが『守護霊式』『桜吹雪』『指揮』といったテンポ面で優れるホノカのカードです。

 旗算で資本を増やしたい時に意識する点としては、『源上安岐那の御明算』の使い方にあります。
 S8では、『源上安岐那の御明算』を1フレアで使用して、次のターンに『源上安岐那の御明算』を投資して回収後に再使用する……という動き(通称:御明算ループ)がありました。しかし、現在は『源上安岐那の御明算』は【使用済】効果の宿しと回収が択一となっているので、これを行うと自分のフレアが減り続けてしまいます。この場合、『源上安岐那の御明算』が単独で産出するリソースは概ね±0AP*4です。

 旗算は、正直そこまで強いオーラ圧を持ちません。オーラ回収は、他の攻撃がライフに通る瞬間だけにして、ライフ回収を行うとき以外は『源上安岐那の御明算』の【使用済】効果で宿した方が強い場面が多いです。
 それでは、オーラ回収をするべきなのは具体的にどのようなタイミングなのでしょうか。オーラ回収をするべき典型的な盤面は、
・相手のオーラが4のときの、オーラ回収からの『神霊ヲウカ』
・相手のオーラが3のときの、オーラ回収+『直接金融』→終了フェイズの『指揮』1/1
・相手のオーラが1のときの、オーラ回収からの『指揮』1/1
の3つです。特に、『指揮』は『直接金融』ケアで相手がオーラ1以下で返したときに咎めるという役割があります。また、上記の3パターンの他にも、『突撃霊式』を使用するターンも、オーラを回収することで相手の攻撃の受け方が変わってくるか確認してみましょう。

 『源上安岐那の御明算』の【使用済】効果による宿しは、全力行動を選択する場合でも行なえます。旗算が持つ全力札は『神霊ヲウカ』『再生』『直接金融』で、いずれもオーラを増やす効果を持っています。したがって、資本を稼ぐことを考えた際に、「『源上安岐那の御明算』の宿し→全力札の使用」という打ち筋は非常に効率的で、これも『源上安岐那の御明算』を【使用済】にし続けることのメリットになります。
 このなかでも、特によく採用するであろう『神霊ヲウカ』と『直接金融』はオーラを2つ増やす効果です。そのため、理想は手番をオーラ4で終え、次のターンに『源上安岐那の御明算』で宿してから、それらのカードを使用することです。(もちろん、相手の攻撃によってオーラが減っている場合は、そのまま使用しても大丈夫です)旗算は『四季はまた廻り来る』を対応に持つことから、オーラ4で手番を終えても他の二柱と同じ感覚でオーラ受けできます。
 特に、ミソラは単体だとオーラ圧が非常に小さいのでこの動きを取りやすく、資本差をつけやすいです。また、照準をセットするために間合い3~5でターンを渡されることもあり、その場合は離脱せずに『桜吹雪』を使用できます。このような動きで相手との資本差を広げて、最後に『開方冥式切取法』でリーサル……というのが私の考える最もオーソドックスな旗算になります。

 最後に、旗算もミソラ対面用の構築を紹介します。

精霊式/桜吹雪/桜花のお守り/指揮/恫喝/算法/直接金融
四季はまた廻り来る/開方冥式切取法/源上安岐那の御明算

 立ち回りは、旗櫂のときと大きくは変わりません。相手の『早矢乙矢』を『桜花のお守り』で打ち消してからは間合い8で『精霊式』を使用してステイします。(このとき、『早矢乙矢』の返しに『直接金融』を使用できると、次のターンに『直接金融』から落ちた納を宿し纏いで回収する選択肢を取れたり、オーラ投資で前進の余裕を確保したりと一巡目の折衝の選択肢が増えるので強いです)
 理想は間合い8オーラ3で手番を返すことで、以降は相手の動きによって多少の分岐があります。
・相手が照準7で返してきた場合
 『算法』で対応すれば『弓流し』の適正距離が3-6になることで照準から外れ、スタッツが2/1になってオーラ受け出来るようになります。
 次の『弓流し』が使用されるまでにはタイムラグがあるので、その間に一気に間合いを詰めることを目標に前進しましょう。このとき、『桜吹雪』を下手に使用すると相手に後退されてしまうので、手なりで振らないよう気をつけてください。
・相手が照準6で返してきた場合
 素直に間合い4ぐらいまで前進して、次のターンの『弓流し』-/1を甘んじて受けます。その後、1フレアで『源上安岐那の御明算』を使用して、『恫喝』を-/1で使用します。この場合相場は2になっているので、上手く行けば『恫喝』と『源上安岐那の御明算』を投資することでライフ回収に繋げられます。
 もしも。相手に相場を下げられてしまった場合は、『恫喝』のダスト投資だけ行い、回収はせずに『源上安岐那の御明算』の【使用済】効果で宿しながら前進して間合いを詰めるのが安定の盤面が多いと思います。
 このように動くと、二巡目以降はライフ回収以外のほぼ全てのターンで『源上安岐那の御明算』による宿しが行えるようになるので、かなりの資本を蓄えることがあります。道中で『恫喝』に対して『風孔』や『カガゲルカゲ』で対応されることもあると思います。ですが、前者は『弓流し』-/1と相反するので甘んじて受け入れることでゲームの冗長化による資本差の拡大を狙えますし、後者は「相手の対応枚数とフレアが減ったことで最終的な『開方冥式切取法』の打点が増えた」と捉えられます。いずれにせよ、目先のライフリードに囚われることなく「現時点でのライフ差は『突撃霊式』や『開方冥式切取法』で巻き返せる」という意識を持ち、リーサルのために資本差の拡大(特に、自分のフレア)を目指しましょう。  

 あと、これは完全な思いつきで喋りますが、ミソラ対面の場合はダストが発生しづらい展開もありがちなので、もしかしたら『指揮』より前進用の『桜の翅』の方が優秀な可能性があります。このように、通常札の選択肢の多さが旗算の魅力でもあるので、色々な構築を試してみてください。

Q1. 『衰垜逐肘守料術』から『胸に想いを』を開ける構築は?
A1. 基本的に弱いです。
 S8でアキナが実装された直後、『衰垜逐肘守料術』の活用法として『胸に想いを』を1T目に使用して『そして新たな幕開けを』を一巡目~二巡目頭で構える構築が少し流行りました。(通称:アグロ幕開け)
 この構築は『衰垜逐肘守料術』を持つ旗算だからこそ組める構築ではありますが、純粋な強度としては疑問符を付けざるを得ません。理由はいくつかありますが、ざっと思いつくのはこんなところです。
① 切札が早期に割れるため、足元を見られやすい
 アグロ幕開けにおける基本的な切札の組み合わせは『胸に想いを』『衰垜逐肘守料術』『源上安岐那の御明算』です。一応、『源上安岐那の御明算』の枠は『四季はまた廻り来る』でも良いですが、その場合は旗算の弱点であるオーラ圧の不足が浮き彫りになり、打点不足に陥りやすいです。
 そして、このような構築にすると二巡目ぐらいには切札が全て公開されることになります。そうなると、相手目線では最大出力(≒理想引きされたときの立ち回り)を想定しやすくなり、相手のプレミ頻度が一気に減少します。
② 序盤の『そして新たな幕開けを』はそこまで強くない
 『そして新たな幕開けを』のスタッツが最も大きくなるのは、自分か相手のライフが5になる瞬間です。しかし、『衰垜逐肘守料術』から『そして新たな幕開けを』を作ると自分のライフは6なので、概ね再構成を挟まないと自分のライフは5になりません。そして、再構成に合わせて3/1などでライフを取られてしまうとライフが一気に6→4となってしまい、『そして新たな幕開けを』のスタッツが伸びません。そうなると、相手のライフが5になるのも遅れてさらに『そして新たな幕開けを』のスタッツが伸び悩む……という悪循環に陥ってしまいます。
③ 『胸に想いを』返しのダスト枯らしに弱い
 また、1T目に『衰垜逐肘守料術』から『胸に想いを』を使用する動きは、返しの相手ターンに全力でダストを吸い上げる動き(1T後手の場合、1宿し3纏いなど)に弱いです。こうなると、次のターンに『両手に華を』を使用しても、その上に桜花結晶を5つ乗せることが難しく、自分のオーラから乗せてしまうとリソ損が激しく『恫喝』のスタッツが安定しません。
 このような点から、私の個人的な評価は「旗算を知っている人であれば容易に対策できるので強くない」というものです。余程の理由がない限りは、素直に『開方冥式切取法』を軸にした構築を組んだほうが強いと思います。

3. 対戦レポート

 ここからは対戦レポートです。実際の対戦で三拾一捨・眼前構築・桜花決闘それぞれで何を意識していたのかを説明していきます。

3.1. 旗櫂(算) vs 鎌旗(銃)

 初戦のお相手はkasekiさんで、ヒミカ(銃扇Xや、クリスマス三柱である炎嵐橇など)をよく使われている印象があるミコトです。そんなkasekiさんの今回の選出は銃旗鎌でした。なぜか三面とも全くナーフを受けていないので、ヒミカを含む三柱という意味では非常に納得感のある選出でした。

 前日の大会後フリプで櫂算vs鎌旗は既に対戦していて、所感としては「同じ実力同士でこのマッチングをするなら、概ね櫂算が有利だろう」といったものでした。旗櫂なら『羅針盤』からの『守護霊式』で前進せずに一方的に『突撃霊式』を作れますし、旗算なら相手の『守護霊式』を『桜花のお守り』で打ち消すプレッシャーを掛けながら『恫喝』や『直接金融』でお茶を濁せるので、まあ問題ないと判断して鎌旗を返します。
 返ってきたのは旗櫂……いきなり慣れてないのが返ってきてしまい困惑します。相手(オフライン完全祭を銃旗櫂で準優勝)が悪い*5よぉ~。

 私が組んだ旗櫂の構築は以下のとおりです。
精霊式/桜吹雪/水雷球/水流/海嘯/羅針盤/波呼び
イサナ海域/カラハリ灯台/ミオビキ航路

 主張は『羅針盤』から『守護霊式』使用して『突撃霊式』を作ることと、相手の『守護霊式』を『カラハリ灯台』と『海嘯』によって止め続けることです。先に『神霊ヲウカ』を作ることさえできれば、あとは「2.1. 旗櫂」で述べたように圧力を書ければ普通に勝てるだろう……という算段でした。
 『強酸』は一巡目に使用しても『影の壁』で止まることが想定されたので抜き、代わりに前の間合いでも使用できる『桜吹雪』を採用しました。(今思うと、別に『強酸』を入れても良かったかもしれません……)また、『四季はまた廻り来る』を絡めて一気に『守護霊式』から『神霊ヲウカ』まで開花させる動きは『桜花のお守り』や『虚偽』『終末』で妨害されやすく、相手のライフ打点(特に『円月』)に対してあまり仕事をしなさそうだったので今回は採用しませんでした。その代わりに、相手の『遺灰呪』を咎めたり、『影の翅』から『突撃霊式』を使用する動きへの牽制、『海嘯』をケアして『守護霊式』を振るための間合い2を妨害といった多様な役割を見込めることから『カラハリ灯台』を切札に採用しました。

 そして桜花決闘ですが、こちらは、結論から述べると全くの想定外で進行しました。序盤は伏せ札に『羅針盤』と『守護霊式』を埋めて、順風で返ってきた時に『波呼び』の効果で両方を引く、という構えをとります。しかし、『波呼び』【破棄時】効果の1/-に合わせるように『終末』を展開されたことで1回目は失敗に終わります。
 鎌旗側も下手に前進すると『守護霊式』を振られ、『突撃霊式』に『羅針盤』を合わせられることが分かっているため迂闊に前進できず、逆風を作るための攻撃と、それに対する纏いを繰り返す展開がしばらく続きます。(この時点でお互い時間がヤバそうだったので「お互い時間に気をつけないとヤバそうですね~」みたいな話をしていた記憶があります)
 再び、盤面の噛み合いによって『羅針盤』『守護霊式』を振れる機会が訪れると、今度は『虚偽』を展開されて【攻撃後】効果の+1オーラまで消えたことで隙が生まれてしまいます。そのまま返しに『この旗の名の下に』で『虚偽』の納を増やされてしまいますが、この時点で相手の切札がすべて判明したうえに、予め『波呼び』と『ミオビキ航路』の山差によって3~4点程度のライフリードを確保できていたので、盤面としては思ったほど悪くない状況が続きます。
 終盤に差し掛かったタイミングでようやく『守護霊式』をお互いが使用して『突撃霊式』に開花させますが、『ミオビキ航路』と『カラハリ灯台』で『影の翅』まで含めた離脱を牽制したり、『羅針盤』を展開したりで相手に『突撃霊式』を振らせないように丁寧に動きます。そして最後は、相手が『円月』を引かずにリーサルを取られなかったので『波呼び』の1/-から『水流』『イサナ海域』でリーサルでした。

 正直、こちらにかなり引きが偏った試合だったとは思います。(最後に『円月』を引かれなかったのは運ですし、終盤に『羅針盤』をドンピシャのタイミングで引けたのも運です)
 「もっと良い構築があったかもな~」とは思いますが、これ以降も対戦が控えているので、一旦は気持ちを立て直して二戦目へと臨むことにします。

3.2. 旗算(櫂) vs 心琵琶(電子)

 二戦目のお相手はtatataさん。私と一緒に千葉で大会の主催をしている、千葉の蛮族ミコトです。間合い2に収束するようなビードダウンのメガミをよく宿している印象があります。
 そんなtatataさんの選出は心琵琶電子(ユリナA/サイネA/オボロA2)でした。S9環境の三拾一捨大会で優勝した実績のある三柱で、オボロA2を宿したい場合は現状で最も無難な組み合わせになると思います。(感想戦でお聞きしたところ、やはり心電子が出発点だったそうです)

刀薙忍……お前ら、こんな姿になっちまって(´;ω;`)

 さて、こちら目線での三拾一捨ですが、真っ先に返す候補から除外したのは心電子でした。理由は、やはり『誘導』からの『天音揺波の底力』コンボで、櫂算でこれをケアするには『大衍算顆手打表』が必要になってしまいます。櫂算の場合、『源上安岐那の御明算』『イサナ海域』『ミオビキ航路』の切札から崩すと一気に出力が落ちてしまうので、できればこれだけは返したくありません。対して、サイネAは『二重奏:弾奏氷瞑』で定期的にフレアを落とす上に、『氷の音』がプールから消滅したことで対応札がすべて攻撃タイプとなったので、『開方冥式切取法』で一気にリーサルを取りやすいはずです。
 琵琶電子は私の知見ではないので詳説はしませんが、『斬撃乱舞』を非常に強く扱える組み合わせで、ホノカが返ってくれば『桜花のお守り』で上手く戦えそうですが、櫂算だと少し不安があるので消去法で心琵琶を返すことにします。

 返ってきたのは旗算でした。それなら琵琶電子返したよ~~って少し思いましたが、ユリナA2に対してホノカは、
・『阿吽』展開中に間合い2で振られた『問答』に『四季はまた廻り来る』で対応することで、間合い2で『阿吽』を誘発して2/1を飛ばさせない。
・『阿吽』展開中の『問答』を『桜花のお守り』で対応して打ち消すことで、『一閃』の持ち物検査を相手に強要する。
といった小ネタがいくつかあり、『開方冥式切取法』の通りも良さそうなので、結果オーライということで以下のような構築を組みました。
精霊式/桜吹雪/桜花のお守り/指揮/恫喝/算法/直接金融
四季はまた廻り来る/開方冥式切取法/源上安岐那の御明算

 ユリナA2は『阿吽』を展開すると間合い4あたりで返すことが多い*6ので、『桜吹雪』を採用します。相手が「間合い→自/オーラ」を選択するなら前進で間合い2着地、「相/オーラ→間合い」を選択するなら『恫喝』や『指揮』で『二重奏:弾奏氷瞑』の即再起を狙います。(余程のことがなければ、『開方冥式切取法』用に資本を残しておきたいので、後退してまで『阿吽』のケアはしません)
 『指揮』は相手の『音無砕氷』再起を牽制するためのものです。これを採用すると『無音壁』以外で『音無砕氷』を再起させると『指揮』の1/1がオーラ回収などからライフに通ってしまうので、『恫喝』を-/0にされる回数が減るはずです。逆にいえば、『無音壁』を綺麗に展開されると『音無砕氷』を再起させられてしまうので、相手の構築が見えてくるまではダストを枯らし気味に立ち回ることを目指します。(そうすれば、『阿吽』展開も同様に妨害できて一石二鳥です)
 また、サイネAの典型的な序盤の動きに「2宿し→1フレアで『二重奏:弾奏氷瞑』」というものがあります。これに対しては、『直接金融』のオーラ投資からのフレア回収を狙っていきます。そこから1フレアで『源上安岐那の御明算』を使用して、相手の初撃*7を『桜花のお守り』と『算法』で両構えして受け止めるのがこちらの一巡目のノルマになりそうです。
 『算法』は一巡目は相手に間合い4までの前進を共用するために手札に抱えて、二巡目以降は『一閃』を避けたり、後退せずに『恫喝』を振るために使用していきます。『二重奏:弾奏氷瞑』のことも考えると、『盤狂わせ』は出力が不安定そうだったので採用しませんでした。

 桜花決闘自体は概ね想定通りに進行します。一巡目は、『桜花のお守り』と『算法』を構えながら、投資した『直接金融』を『四季はまた廻り来る』で戻しながら敢えて引かないことで、4T目に『守護霊式』と『直接金融』を引けるように調整して、後ろでのんびり資本差を付けていきます。
 初回の『二重奏:弾奏氷瞑』は『恫喝』で即再起させて、返しに開け直されたところに、再構成で『恫喝』『算法』を引くことに成功し、ここで一気に盤面有利を確保します。相手の『問答』を『桜花のお守り』で打ち消すことで『阿吽』の誘発を阻止しながらライフを守っていき、最後は『開方冥式切取法』でリーサルでした。

3.3. 旗算(櫂) vs 嵐鋸(古)

 三戦目のお相手はのむさん。初めてお会いしたときは温厚そうで優しそうな方でしたが、今ではキレッキレの暴言を吐いたあとに「◯◯さん口悪いよ~」って他人に擦り付けたり、自虐ネタを披露したあとに「うるせえ」と逆ギレしたり、大会の決勝で対戦相手が反証に失敗したら「下手くそ」と煽ったりと、朱に交わって赤くなってしまった愉快な人です。
 のむさんの宿すメガミは基本的に「ユリナ・ライラ・ホノカ・シスイ」で網羅することができます。今回の選出も納得の古嵐鋸(ユリナA/ライラA/シスイ)でした。Twitterで「対戦相手透けて見えて草」とか言われてて草でした。

 さて、BANですがこちらは迷うことなくユリナA一択です。理由は単純で、旗櫂だと『月影落』が受からないからです。やろうと思えば『カラハリ灯台』などを使って上手く動けるかもしれませんが、別に嵐鋸を返したからといって不利ではないはず(むしろ、典型的な鋸Xなので有利のはず)です。
 返ってきたのは旗算でした。オーラ回収から『神霊ヲウカ』をライフに通して、世紀末覇者になりましょう。
 構築は以下のようになりました。
精霊式/桜吹雪/指揮/恫喝/算法/盤狂わせ/直接金融
四季はまた廻り来る/開方冥式切取法/源上安岐那の御明算

 通常札は、『神霊ヲウカ』を構えるための『精霊式』、打点確保のための『恫喝』、対応札として優秀な『算法』、一巡目の折衝手段兼リソース剥奪手段の『直接金融』までは概ね確定です。その後、『算法』を構えながら『突撃霊式』や『恫喝』で後ろに動くための手段として『盤狂わせ』、盤面次第で『盤狂わせ』用の相手フレアを捻出できる『桜吹雪』を採用します。最後は『神霊ヲウカ』をオーラ受けするための纏い回数を増やさせるという意図で『指揮』を採用して通常札は確定です。『桜花のお守り』は、嵐鋸のような優秀な攻撃札を多く持っている相手には効きづらいので、こちらの主張を通すことを優先して採用しませんでした。
 切札はテンプレから特に変更なしです。『ハドマギリ』ケアにも使える『四季はまた廻り来る』、アキナの主張の根幹である『源上安岐那の御明算』、そしてリーサル用の『開方冥式切取法』を採用しました。

 桜花決闘は概ね想定通りに進行しました。一巡目は『直接金融』オーラ投資から『恫喝』→ライフ回収で間合い5から2点のライフリードを稼ぎ、焦燥ドローから『守護霊式』を握り込み、『恫喝』オーラ投資からフレア回収→1フレア『源上安岐那の御明算』で安定した盤面を作ります。
 そのまま、二巡目には『盤狂わせ』から『突撃霊式』を使用して『神霊ヲウカ』を作り、さらにこの『神霊ヲウカ』をライフに通すことで一気にライフリードを取ります。その後は、相手に纏いを強要し続けて、資本差を確保してからの『開方冥式切取法』でリーサルでした。
 『開方冥式切取法』以外の切札の消費フレアが軽いことから『金屑纏い』でフレア裂傷を選択してもデッキを回しやすく、加えて『算法』と『四季はまた廻り来る』まで構えられているので、ライフリードを維持しやすかったです。

3.4. 旗櫂(算) vs 爪弓(遺)

 四戦目のお相手はかなしんさん。この方も二戦目のtatataさんと同様、千葉の蛮族ミコトです。YS千葉の大会によく参加される方で、大会前のふるよに大会前フリプ(≠大会前ふるよにフリプ)でもよく一緒に遊んでいます。
 個人的な印象としては、真っ当なビートダウンよりはクルルなどを含むコンボ系のデッキを好んで握っている印象があります。そんなかなしんさんの今回の選出は爪遺弓(ライラ/レンリA/ミソラ)でした。

 爪遺と遺弓はなんとなく知っていましたが、爪弓は初めて見るので困惑します。直感で思いつくのは『追尾撃』から『風雷撃』を使用してステップ対応を貫通して当てるぐらいですが、その動きについては『桜花のお守り』や『算法』(照準2限定)でケアも可能なので爪弓を返すことにします。(いま思えば遺弓を返してよかった可能性がありますが、如何せんレンリAは偽証と『欺瞞の霧』周りでブレやすいのと、『偽りの武器』絡みの受け方ミスが即死を招きやすいので、安定をとってBANしました)
 「冷静に考えて、この組み合わせだったら旗櫂返せそうだな~ワンチャン対面の手が滑ってアキナ返ってこないかな~」とか思っていましたが、案の定返ってきたのは旗櫂でした。なかなか難しいところですが、『突撃霊式』のライフ回復を使って上手く持ちこたえたいな~と考えて構築を組みます。
 最終的な構築は、以下の通りになりました。
精霊式/桜吹雪/桜花のお守り/水雷球/水流/強酸/波呼び
イサナ海域/カラハリ灯台/ミオビキ航路

 『精霊式』『水雷球』『水流』『波呼び』までは基本的にどのような構築でも入るので確定です。『桜吹雪』や『強酸』は相手が『弓流し』や『早矢乙矢』の照準のために間合い4~5で返す場合を想定して、ライフダメージを稼ぐ手段として採用します。『桜花のお守り』は「3.1 旗櫂」でも述べたように、ミソラのゲームプランを崩すため、というのに加えて、爪弓の場合は『追尾撃』からの『風雷撃』を打ち消す役目も担っています。反面、『海嘯』は『追尾撃』を経由されると『風雷撃』のケアにならないので採用しませんでした。
 切札は、リソースを縛って『桜吹雪』や『強酸』をライフに通しやすくするための『ミオビキ航路』、順風で返ってきた時にリーサルの可能性を高めてくれる『イサナ海域』、『風雷撃』のための照準セットおよび『追尾撃』の使用を妨害できる『カラハリ灯台』の三枚を採用することにしました。(感想戦では、『カラハリ灯台』は『風走り』『精密化』など裏返す手段がかなり多かったので、『天雷召喚陣』の構築をケアのために『四季はまた廻り来る』を採用したほうがよいのでは?みたいな話も出ました)

 桜花決闘としては、想像以上の泥沼となりました。お相手は、こちらの『水流』をケアするために『狙い蹴り』『風孔』も使いながら逆風で返し続け、こちらはお相手の『弓流し』『早矢乙矢』『追尾撃』からの『風雷撃』といったライフに通る攻撃を『桜花のお守り』で打ち消し続けます。
 その結果、爪弓側は攻撃、旗櫂側は纏いをひたすら繰り返す展開となります。ですが、盤面としては『波呼び』と『ミオビキ航路』で再構成ダメージの差がつくため、概ね3~4点程度ライフリードした状態が続きます。
 このような展開になると、気になってくるのがお相手の風雷ゲージです。序盤は風神ゲージをひたすら上げ続けていたので『風魔招来孔』が入ってくることは予想していましたが、風12雷7ぐらいになった辺りで「さすがにこのままじゃマズそうだ」と焦り始めます。最終的には、『突撃霊式』を後ろに構えることで2/2『水雷球』に『風魔天狗道』を切らせることに成功し、猶予を得ることに成功します。これにより相手のリーサルは遅れ、最後は『追尾撃』からの『風雷撃』→『雷螺風神爪』『風魔纏廻』『雷螺風神爪』『風魔旋風』を『桜花のお守り』も組み合わせながら受けきってお相手の投了でゲーム終了でした。今回も非常に時間ギリギリの対戦になってしまったので、申し訳なかったです。

3.5. 櫂算(旗) vs 鏡櫂(毒)

 最後、決勝戦のお相手はさとりさんです。「城東ふるよに櫂」という小岩周辺でのふるよにイベントを開催されている方でもあります。Zicoルールでは小岩は千葉県に分類されるのですが、以前ボールペンをさとりさんのイベントでお借りした時に「小岩は"蛮族の国"千葉とは違うからね」と言われてしまったので、泣く泣く小岩が東京にあることを認めました。
 さて、そんなさとりさんの選出は毒鏡櫂(チカゲ/ヤツハ/ハツミ)でした。ヤツハを好んで宿すことが多いという印象を持っていましたし、チカゲもハツミも環境的には悪くない(特にミソラに強い)立ち位置にいるので、非常に分かりみのある選出でした。

 何を返すかについてですが、こちらがホノカとアキナを宿している時点でヤツハには有利が取れている*8はずなので、毒鏡と鏡櫂のどちらを返すかを考えました。最終的には、比較的桜花決闘の展開が予想しやすい点から鏡櫂を返すことにしました。
 返ってきたのは櫂算です。おそらく、二巡目~三巡目の頭には決着がつく対戦になりそうです。短期決戦を想定して、以下のような構築を組みました。
水雷球/水流/強酸/波呼び/恫喝/投機/算法
イサナ海域/オヨギビ砲火/源上安岐那の御明算

 少しでも攻撃札を多くしたかったので『水雷球』『水流』『強酸』『恫喝』は確定、リーサル時に手札を揃えるために『波呼び』も採用します。
 次に想定したのは、一巡目の折衝です。普段は『直接金融』を採用しますが、今回は『カラハリ灯台』『四葉鏡のわらべ唄』といったメタカードがありますし、中盤以降は1/-『波呼び』からの攻撃を許してしまうことになるので、今回は採用しませんでした。そのため、このマッチでは代わりに『投機』を採用することにしました。
 『投機』の使い方としては、
・一巡目に「自/オーラ→自/フロー」を選択したあと、オーラ回収から『波呼び』展開に繋げる。
・相手の『カラハリ灯台』を未使用に戻して『波呼び』を展開する。
・相手の『ミオビキ航路』で萎縮をもらっても5オーラを構えられるようにする。
などを想定していました。
 『算法』は一巡目の折衝で『水雷球』『水流』をケアできるか否かが立ち回りの自由度に直結するので、保険として採用しました。『ミオビキ航路』による萎縮も考慮すると間合い調整用のリソースも欲しいので、二巡目以降はそのような使い方を想定していました。

 そして切札ですが、今回は『ミオビキ航路』を採用しませんでした。理由は以下の通りです。
・1回目に逆風になるのはおそらく『強酸』を振られた場合であり、お相手も逆風だった場合はフレアが増えないので、『ミオビキ航路』よりも『源上安岐那の御明算』を使用することになる可能性が高い。
・2回目に逆風になるのは『星の爪』『昏い咢』を振られた場合であり、ここで『ミオビキ航路』を使用しても相手は『昏い咢』の【攻撃後】効果で既に萎縮しているので効果が薄い。
・3回目に逆風になるタイミングでは、切札の攻撃などを合わせてリーサルを取られてもおかしくない。
 このような短期決戦では、むしろ攻撃の切札を多く採用したほうがリーサルの可能性が上がると考え、今回は代わりに『オヨギビ砲火』を採用することにしました。

 桜花決闘については、概ね想定通りに進行します。初手に3マリしても『投機』を引けなかったことは苦しかったですが、『算法』を構えていたおかげで何とか動くことができ、相手の『波呼び』を破棄させながら『幻影歩法』『星の爪』『昏い咢』『水流』の4点を甘んじて受け入れます。それからは、『源上安岐那の御明算』『強酸』『恫喝』からのライフ回収でライフ3点を稼ぎ、膠着状態が続きます。
 こちらは『波呼び』が展開中だったので順風の場合のリーサル圧が出せていたので、『ミオビキ航路』で受けた萎縮を『投機』で誤魔化しながら主導権を握り続けます。最終的には、順風で返ってきたターンに再構成から『水雷球』を引き込み、『双葉鏡の祟り神』で反射されてもライフ受けから『オヨギビ砲火』に繋げられることを確認して、オーラ回収→2/2『水雷球』→3/3『イサナ海域』でリーサルでした。『オヨギビ砲火』を採用していたおかげで『双葉鏡の祟り神』をケアできていたので、一気に踏み込んでリーサルを取りに行けたと思います。

4. あとがき

 以上がYS秋葉原感謝祭の対戦レポート記事となります。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 対戦レポートを書いていて思いましたが、全体的に引き運は良かったと思います。同時に反省できる箇所も見つけられたので、次回は運に頼りすぎないプレイングを心がけたいです。
 それはそれとして、ハツミ様を宿してハツミ様の英雄の証を手に入れることができたのは、めっちゃ嬉しいです。ドヤ顔のハツミ様も、『強酸』のぐるぐる目になっているハツミ様もマジ可愛いので、皆さんもぜひハツミ様を宿してみてください。『ミオビキ航路』が使いやすい環境になったので、今期のハツミ様はかなりアツいと思います。
 あと、ピンチ先生のハツミ様がめっちゃ可愛いのでオススメです。いま、私はこの画像をスマホの壁紙に設定しています。顔がいい……最高……。

 あと、今回のYS秋葉原感謝祭のベスト4は全員が千葉YS勢でした。千葉駅周辺には美味しいお店も沢山あるので、†ふるよにパワースポット†巡りをしたい方はぜひ千葉YSまで来てください。

パワースポット①Cheese Cheese Woker
パワースポット②ぼちぼち 千葉中央店

 最後に、私の検討に付き合ってくださった皆様や、対戦の機会・場所を設けてくださった皆様方に感謝を申し上げます。誠にありがとうございました。この記事を参考に、旗櫂算を宿す人が少しでも増えたら、非常に嬉しく思います。

 考察の内容の関係の有無を問わず、気になった点やご意見、ご指摘などがございましたら、このブログのコメント欄か、私のTwitterアカウントまで持ってきてくださると、非常にうれしいです。
 この記事の画像は「ふるよにコモンズ/BakaFire,TOKIAME」から拝借しております。

URL: https://main-bakafire.ssl-lolipop.jp/furuyoni/na/rule.html

サムネイル用画像(かわいい)

*1:『壬蔓』と『はらりゆき』によるコンボは『しこみび/ねこだまし』が手札に戻るようになったことで復活したと思います。『はらりゆき』の適正距離6消失は多少の影響がありそうですが、元から後ろステップケアで『しこみび/ねこだまし』は間合い5で使用することが珍しくなかったので、プレイ感はほぼ同じのはずです。

*2:『しこみび/ねこだまし』が手札に戻るようになったことで、手札に戻った『しこみび/ねこだまし』を伏せて、次のターンに『波呼び』で回収する動きが復活しました。『しこみび/ねこだまし』がナーフ前に戻ったことでS8以前に活躍していた『羅針盤』から『しこみび/ねこだまし』で傘を開いて『ゆらりび』を使う動きも取りやすくなり、傘櫂自体が『はらりゆき』に強く依存する二柱でもないので、強い三柱目が見つかればかなり有力候補だと思います。

*3:旗櫂算の特徴に、ウツロAに対して大幅な有利を取れるというものがあります。『終焉、来タレ』の全カードを捨て札にする効果は投資券と非常に相性が悪く、加えてウツロAは灰塵『円月』以外で『直接金融』の隙を割る手段に乏しいです。また、アキナがBANされても、相手の終焉の影が蘇る場合には『カラハリ灯台』を使用して間合い4まで離脱するだけで相手を完封できます。

*4:1フレアが-2AP、ダスト投資オーラ回収が+2AP、オーラ投資フレア回収が+2APです。ダストを作ることに意味があるウツロ/アキナ系統であれば悪くないかもしれませんが、それ以外では自分のフレアを減らし続けるだけなので、あまり強くありません。

*5:嘘、どう考えても旗櫂を練習していない俺が悪いよぉ~。

*6:間合い4であれば、オーラの増減を伴う基本動作である「前進」「纏い」「後退」すべてに対して2/1を飛ばせます。

*7:これは個人的な印象ですが、ユリナA2の強い動きは先行逃げ切りです。序盤に『阿吽』展開→前進→『問答』で相手の動きを崩して、次のターンにライフダメージを一気に稼ぎながらテンポを取り、相手が捲くる前に『神座渡』で手札6枚を叩きつけて物量で押し切る……というのがユリナA2の典型的な勝ちパターンだと思っています。そのため、ユリナA2の1回目の『問答』を打ち消せるか否かは、以降に『阿吽』からのテンポリードを取られないようにする、という意味でも重要だと思っています。

*8:一巡目の『星の爪』『昏い咢』に対して、アキナの場合は1フレア『源上安岐那の御明算』から-/1『恫喝』を当てて、次のターンにライフ回収をすればライフリードは取り返せるので、以降も『星の爪』『昏い咢』のデメリット効果分でリードをとれます。ホノカの場合、『四季はまた廻り来る』で容易に鏡映を外すことが出来るので、ヤツハの攻撃で致命傷を負うことが少ないです。

【ふるよに】ライラの風雷ゲージ管理が楽しくなる!後出し帯電解除講座

※この記事は、へくとぱ(@3422project)さんが主催している『ふるよに Advent Calender2023』への寄稿記事となります。他の方が書かれた面白い記事が沢山載っておりますので、ぜひ読んでみてください。

adventar.org

 ニャンハロー!帯電解除ケアのZicoです。

 今回は、ライラの特性である「帯電解除」について記事を書きます。
 初めに帯電解除のルールと後出しで帯電解除を行うメリットや注意点について説明して、その後は各メガミをライラの相方および対面に添えた場合に気をつけるべき点を取り上げます。

 この記事で、最も重要なのは2章です。まずはそこの内容を理解していただいたうえで、興味があったら3章や4章のカード紹介を読んでもらうのが良いと思います。もし2章の内容が少し理解できないと感じた場合は、1章に帯電解除周りのルールを整理しているので、そちらも合わせて見ていただくのが良いと思います。
 3章と4章はカードの紹介です。私の気力が尽きて画像を差し込むのをサボってしまったので、カードの名前と効果が一致していない初心者の方が読まれる場合や、実物のカードやカードリストと併せてご覧いただくのが良いかと思います。

↓カードリストURL
https://main-bakafire.ssl-lolipop.jp/furuyoni/na/card.html

 このブログ記事を読んだ皆さまがライラを宿すときに、少しでも役に立ったら幸いです。それでは、早速始めます。

1. 帯電解除のルールについて

 初めに、ライラの帯電解除周りのルールについて情報を整理しましょう。公式攻略ページのメガミ個別攻略では、以下のように説明されています。

【特性:風雷】
神ゲージと雷神ゲージを持ち、初期値は0、最大値は20である。 あなたが他のメガミのカードを使用するたびにそれは帯電し、帯電を解除すればどちらかのゲージを1上げられる。
出典:
ライラの特徴とカード評価 | 桜降る代に決闘を/公式攻略ページ
furuyoni.kyoa.co.jp

 敢えて雑な言い方をすれば、ライラと一緒に宿したメガミのカードを使用すると風神ゲージか雷神ゲージを1上げられる、ということが分かりますね。それでは、ここからは総合ルールを見ながら帯電解除周りのルールを説明したいと思います。

1.1. 帯電状態が解除されるパターン

 風雷ゲージを上げるとき以外で帯電状態が解除されるケースは、
(1) 再構成
(2) 切札の再起および即再起
(3) 隙による付与札への移動
(4) 相手の領域への移動
の4パターンに分けられます。(4)は一部のカード効果による例外的な処理になるので、一旦は「カードが裏返ったら帯電解除される」「隙と再起が書いてあるカードは早めに帯電解除して風雷ゲージを上げる」と覚えておきましょう。

帯電状態はライラを宿しているプレイヤーの<使用中>、<捨て札>、<付与札>、<切札> でのみ有効である。それ以外の領域への移動、または切札の状態が未使用へ戻った場合、帯電状態を解除する。
(例: 帯電状態の「はらりゆき」が傘の開閉によって未使用に戻った場合、帯電状態を解除する。)
出典:『総合ルール 10-3-1-1 帯電状態』

 また、類似事例(≒風雷ゲージを上げる機会を逃す)として、カードの効果によるカードの使用が挙げられます。簡単に言えば、『どれーんでびる』と『ミオビキ航路』ですね。これについては後で説明します。

カードの使用は「メインフェイズにおけるプレイヤーの選択」「《攻撃》に対する対応」「カードの効果」のいずれかによりなされる。
出典:『総合ルール 9-2 カードの使用』

1.2. 風雷ゲージを上げられるタイミング

 風雷ゲージを上げられるタイミングは、
(1) カードを使用した瞬間(そのカード限定)
(2) 再構成の直前
(3) 標準行動を選んだメインフェイズ(選択肢追加)
の3つに分けられます。少し念頭に置いていただきたいのが、(2)による帯電解除は<捨て札>以外の領域のカードにも行える点です。一部の切札は再構成からメインフェイズに移行するまでに再起および即再起する場合があるので、覚えておくとプレミを減らせると思います。

ライラを宿しているプレイヤーは以下のタイミングでルール上効果により帯電状態を解除することができる。この方法で帯電状態を解除した時、自身の風神ゲージか雷神ゲージを 1 上げる。
・カードが<使用中>へと移動した時に帯電状態を解除できる。ただし、このタイミングで帯電状態を解除できるのは移動したカード自身のみである。この効果は状況起因で解決する。
・山札の再構成を行うことを選んだ場合、その直前に帯電状態を解除できる。この効果は入れ子解決で解決する。
・メインフェイズに標準行動を選んでいるならば、その際に「<手札>にあるカードを1枚選び、それを使用する」「未使用の切札を1枚選び、それを使用する」「基本動作を行う」といった従来の選択肢に加え、「帯電状態の解除」を選ぶことができる。
出典:『総合ルール 10-4 ルール上効果の追加』

 「状況起因」とは、いくつかの条件が満たされた場合に効果が発生して、解決することを指します。今回の場合は、「他のメガミのカードが<使用中>へと移動する」という条件が満たされて、「移動したカードだけを帯電解除できる」という効果が発生して、「帯電状態を解除して風雷ゲージを1上げる」という解決をする、ということですね。(『総合ルール 5-5 状況起因』)
 そして、この一連の解決は、入れ子解決(簡単に言えば割り込み)によって行われます。《攻撃》も《行動》も《付与》もカードを使用する手順としては、<使用中>領域へと移動した後に、次の手順で効果を解決します。(『総合ルール 9-2 カードの使用』)
 したがって、(1)による帯電解除は、効果の解決前に行うことになります。使用するカードが《攻撃》の場合は相手の対応の是非を伺う前に帯電解除しなければならないので、大会では特に注意してください。

 ここまでが帯電および帯電解除についての基本的なルールです。これらはライラの相方や対面にどのようなメガミが来る場合でも共通なので、しっかりと頭に入れておきましょう。

2. 後出し帯電解除概論

 ここまでで、帯電解除についての基本的なルールは確認できたと思います。ここからは、この記事のタイトルにも入っている「後出し帯電解除」について解説します。
 後出し帯電解除とは、
・風雷ゲージを無駄にしないことは大前提に、
・帯電解除のタイミングをカードおよび対面ごとに可能な限り後ろへ引き伸ばし、
・必要なタイミングで必要な分だけ帯電解除して風雷ゲージを確保する。
という立ち回りのことです。

 構成としては、初めに後出しで帯電解除をすることの一般的なメリットを解説して、その後にミスなく後出し帯電解除をするために注意するべきカードの特徴を挙げていきます。

2.1. 帯電解除を先延ばすメリット

 帯電解除を先延ばしにするメリットは、「手番中に取れる選択肢を増やし、その場で最適となる風神ゲージを用意できる」という点にあります。
 他にも、細かいところでは「風雷ゲージの上げ方から構築を読まれるタイミングが後ろにずれ、可能な限り相手に与える情報量を少なく出来る」というものがあります。これは、特にライラオリジンで顕著ですが、主観的な話ですし、あくまで副次的なものなのでこの記事では割愛します。

 というわけで、ここからはライラ(爪)とライラA(嵐)とでほんの少しだけ出てくるカードが違うので、ちょっと具体的な話に落とし込んで話を進めたいと思います。

2.1.1. 風雷撃と雷螺風神爪(爪)

 ライラオリジンの場合、風神ゲージと雷神ゲージを両方参照するカードとして『風雷撃』と『雷螺風神爪』があります。そして、これらのカードは基本的に両方採用されるケースがほとんどだと思います。
 そのような構築が最大出力を発揮するのは風雷ゲージが5/5になったときで、それ以降はハッキリ言ってほとんど誤差です。(一応、風雷撃が『浦波嵐』などで軽減される時にほんの少しだけ話が変わりますが、レアケかつ脱線するのでここでは言及しません)
 そのため、帯電解除を後出しにするメリットが発揮されるのはもっと早いタイミングになります。具体的に言えば、相方のメガミのカードの使用回数が4~7回のときです。

 例えば、桜花決闘の二巡目で、相方のメガミのカードの使用回数が6回(一巡目に2回、二巡目に4回)だったとしましょう。この時点で、使用した瞬間に風雷ゲージを交互に上げていた場合は風雷ゲージが3/3(以降:風神ゲージ◯、雷神ゲージ△を◯/△と表記)になっているはずです。この場合、『風雷撃』は3/2になっていますが、『雷螺風神爪』は2/2で再起しません。
 もちろん、ほとんどの場合はこれで困らないと思います。しかし、相手のオーラが1以下であれば『風雷撃』の3/2スタッツは過剰で『雷螺風神爪』再起のために風神ゲージを確保したくなるかもしれません。他にも、『風雷撃』をバフする手段(例:『バックドラフト』『戦場』)があれば、『雷螺風神爪』を3/2にしていた方がダメージが伸びる盤面が来るかもしれません。

 このように、風雷ゲージの合計値が同じ6であっても、風雷ゲージは4/2と3/3と2/4と3つの選択肢があり、どれが正解になるかは相手の纏い回数にもよるので、そのタイミングが訪れないと分かりません。このような不確定な盤面状況に対応できる余裕を確保したい、というのが後出し帯電解除のコンセプトです。

2.1.2. 嵐の力と雷螺風神爪(嵐)

 ライラアナザーにおいても、上述の観点で後出し帯電解除は有用です。ライラアナザーの場合は『風雷撃』はありませんが、かわりに『暴風』や『陣風祭天儀』による嵐の力を考慮する必要があります。とりあえず5/5を作っておけば良いライラオリジンと比べると、こちらの方が風雷ゲージの管理はシビアかもしれません。
 特に迷うのが、風雷ゲージを消費して盤面有利を取りに行く嵐の力と、風雷ゲージを残してより強力な効果を得る『雷螺風神爪』の間に存在するジレンマです。ここまで考え出すと、風雷ゲージは1点たりとも無駄にできないと言っても過言ではありません。

 そのような難しさを抱える嵐において、最適の風雷ゲージを用意するために必要なのが後出し帯電解除の考え方です。可能な限り自由に帯電解除できるカードを残しておくことで、盤面に対して最適となる嵐の力を使用しながら『雷螺風神爪』のための必要最低限の風雷ゲージを確保できます。

2.2. 注意するべきカードの特徴(相方編)

 ここまで、後出し帯電解除のメリットに重点に置いて説明しました。しかし、当然デメリットも存在します。最も典型的なデメリットは、「プレミによる帯電解除忘れ」です。様々な要因が重なり、カードの帯電解除のタイミングを逃して、風雷ゲージを上げ損ねる、というパターンですね。

 確かに「うっかりしていました、しっかりします」と言うのは簡単ですが、それではしょうもないですし、結局ミスするリスクがあるなら使用した瞬間に都度上げるほうが安定するよね、ということになってしまいます。
 ということで、ここからは、後出し帯電解除を意識する際に、各カードに存在するミスの誘発要因を抽象化して、説明したいと思います。1つのプレミによる敗北には、29の軽微な帯電解除忘れ、そして300のプレミ要因が潜んでいると考え、ありがちな要因を述べていきましょう。

2.2.1. 捨て札から移動する

 1つ目は、すでに捨て札にあるカードが、カードの効果によって他の領域に移動する場合です。ライラの『流転爪』などが典型的ですね。このようなカードで帯電解除していないカードを山札に戻してしまうと風雷ゲージを1点分に無駄にしてしまいます。

 他にも、捨て札から手札に移動するカードも注意が必要です。この記事を書いている段階では、そのようなカードで帯電解除ミスにつながるのは『手裏剣』しかないと思いますが、そのようなカードが今後の拡張で追加された場合は気をつけましょう。

 あとはアキナの投資券ですね。あれも捨て札から伏せ札に移動することで帯電解除のタイミングを逃すリスクがあります。次のターンに再構成するのであれば問題ないですが、それ以外では基本的に使った瞬間に帯電解除した方が良いと思います。
 あと、捨て札から伏せ札に戻るという点では『虚魚』も該当します。多くの場合は、オボロのカードを伏せ札に戻すことになると思うので、帯電解除忘れに気をつけてください。

2.2.2. 切札が未使用に戻る

 2つ目は切札が未使用に戻る場合です。当然、カードごとに未使用に戻る条件は異なるので、それについては「3. 使うときに注意するカード紹介」で詳説する予定です。ですが、この時点でものすごく簡単に言ってしまうと、基本的にそのようなタイプのカードは使った瞬間の帯電解除が無難な傾向が強いです。
 特に、全力札が入っている構築では帯電解除のタイミングを逃しやすいです。
 ライラAの場合はほとんどの場合『大嵐』が採用されるでしょうし、ライラオリジンでも再起する切札をずっと帯電状態のままにしていると相方の全力札が入っていない(=全力札が入っていたらタイミングを逃すので、そのような立ち回りはできない)と読まれやすくなるので、欠かさず帯電解除している方が情報アドバンテージはむしろ高いと思います。※個人の感想です

2.2.3. 使うと消える

 3つ目は使用するとどこかに消える場合です。もうちょっと具体的に述べると、
・山札に戻る(例:『梳流し』など)
・取り除かれる(例:『神渉装置:枢式』など、開花も含む)
とかですね。このようなカードは使った瞬間に帯電解除する必要があります。相手が対応したりオーラ/ライフ受けを選択すると巻き戻せなくなってしまうので、大会中は特に気をつけましょう。

2.2.4. 隙を持つ付与札

 隙を持つ付与札は、ライフダメージを受けると伏せ札になってしまうため、帯電解除のタイミングを逃してしまうリスクがあります。
 また、一般的な二柱であれば隙を持つ付与札が全ての攻撃が終わった後に展開すると思いますが、ライラの場合は帯電解除の都合で先に展開する場合があります。その場合、『久遠ノ花』をはじめとする攻撃/対応によって割られてしまうリスクがあるので、それも同時に注意してください。

2.2.5 「カードを使用する」効果

 「カードを使用する」というテキストを含むカードも注意が必要です。具体的には『どれーんでびる』や『ミオビキ航路』などですね。
 カードは使用する度に帯電状態に戻るため、繰り返し使用するタイプのカードは、次に使用するまでに帯電解除しておく必要があります。例えば、『分身の術』だと一回目の使用の時点で帯電解除しておかないと、二回目の使用でもう一度帯電するので風雷ゲージが無駄になってしまいます。必要に応じて、使った瞬間に帯電解除を行うように気をつけましょう。

2.3. 警戒するべきカードの特徴(対面編)

 ここまでは、ライラの相方のカードを使う際の注意点を解説してきましたが、ここからは相手のメガミごとの注意点を説明します。こちらはそこまでパターンも多くないので、「4. 対面で警戒するべきカード紹介」と合わせて読んでもらえるとありがたいです。

2.3.1. 帯電状態のカードを使うカード

 わかりやすく言えば「こちらのカードをパクってくるカード」のことです。具体的には、
・鬼謀『詭弁』(捨て札) ・『だうじんぐ』(捨て札) ・『神渉装置:枢式』(切札) ・『四葉鏡のわらべ唄』(付与札」) あたりですね。これらのカードを持つメガミが相手のときは、使われるリスクのあるカードは即座に帯電解除することを心がけましょう。

2.3.2. 封印するカード

 要は『論破』と『完全論破』です。構築が割れていないシンラと、『刻まれし衣(完全論破)』を構えたレンリ相手に帯電状態のカードを捨て札に残してはいけない(戒め)

2.3.3. 神算『使徒

 はい。詳細は「4.1.4. 使徒」を読んでください。

3. 使うときに注意するカード紹介

 それでは、ここからはメガミごとの話を進めたいと思います。まずはライラの横に宿した場合の話をメガミごとに説明します。ルールミスや話に抜けなどがございましたら、気兼ねなくご指摘いただけると助かります。

 採用頻度まで含めて考慮して、特に帯電解除ミスを誘発しやすいと私が感じるカードは赤字で記載しています。基本的に、メガミごとに「オリジン通常札→オリジン切札→アナザー1通常札→アナザー1切札→(以下略)」という順番で並んでいるので、少し違和感をおぼえる方がいらっしゃるかもしれませんが、ご了承ください。

 ぶっちゃけ、この章の優先度は他と比べると高くありません。どちらかといえば、2章の内容が頭に入っていればその場で対応できるようなケースがほとんどなので、ここまでの内容を理解してもらうことが一番重要だと思います。
 二柱として考えたときにほぼ採用されないようなカードも言及しているので、「まあ確かにそうだよね~」ぐらいの気持ちで流し見するのが良いと思います。くれぐれも、「このカード全部覚えなきゃいけないのか~~」なんて思う必要ないですからね!何から私もカードリスト見ながら書いてますから!

3.1. ユリナ(刀・古刀・心)

3.1.1. 圧気(刀・心)

 隙を持つ付与札です。攻撃/対応のライフ受けによって伏せ札に移動する場合があるので、基本的に使った時点で帯電解除しましょう。

3.1.1. 浮舟宿(刀・古刀・心)

 決死に入ったら即再起する切札です。
 次のメインフェイズまで決死に入らなさそうな場合でも、『居合』などの全力札を使用して帯電解除の機会を逃す可能性があるので、基本的に使用したターンが終わるまでに帯電解除するのが無難だと思います。

3.2. サイネ(薙・琵琶・拒絶)

3.2.1. 音無砕氷(薙・琵琶)

 八相で再起する切札です。『無音壁』を採用していると、全力行動を選択して帯電解除する機会を逃して『音無砕氷』が再起してしまう場合があります。もちろん、『無音壁』をはじめとする全力札を採用していなければ後回しにしても帯電解除し損ねることはありませんが、帯電した状態をキープしていると今度は『無音壁』が採用されていないことが相手に透けてしまいます。

 したがって、相手に余計な情報を与えないためにも、基本的には使用した瞬間の帯電解除がオススメです。そうすることで、「相手の攻撃に『音無砕氷』で対応→返しに『無音壁』展開で『音無砕氷』再起」という流れになっても無駄なく帯電解除が行なえます。

3.2.2. 二重奏:弾奏氷瞑(琵琶)

 再構成以外で1点以上のライフダメージを受けると即再起する切札です。感覚としては隙を持つ付与札に近いかもしれません。このカードには終端がついており、返しのターンに即再起させられる場合もあるので、基本的に使用した瞬間に帯電解除しましょう。

3.3. ヒミカ(銃・炎)

3.3.1. ヴァーミリオンフィールド

 手札0枚で手番を終えると再起する切札です。全力行動を選択した場合は最低でも手札は1枚残るので、基本的に帯電解除は再起させたいターンまで後ろに延ばして問題ありません。(厳密には『呼び声』による雷神ゲージ倍化がありますが、その場合は『天雷召喚陣』が入っているはずなので、全部即上げで逆に問題ないです)

3.4. トコヨ(扇・笛・恐怖)

3.4.1. 梳流し

 境地で使用すると【攻撃後】効果で山札に戻る攻撃札です。必ず使った瞬間に帯電解除を行いましょう。これは捨て札に移動しない攻撃札全般に言えることですが、大会では「『梳流し』を◯◯ゲージを上げて使用します」と繋げたほうが、相手が対応や受け方を決める前に帯電解除できるのでトラブルを避けやすいと思います。※個人の感想です

3.4.2. 要返し(扇・恐怖)

 事故発生装置です。扇爪や恐怖爪を宿している際にカードを帯電したままでいるとこのカードの不採用が透けて、構築がバレやすくなります。これらの組み合わせを宿す場合は、すでに『要返し』を使用した山巡や、相手目線で『要返し』不採用が確定している(=通常札7枚をすべて見せた)場合を除いて、遅くてもターン終了時までには通常札を全て帯電解除することを心がけてください。

3.4.3. 奏流し

 ライラの切札が使用済でないと山札に戻る誘発しない点以外は、注意点は『梳流し』と同じです。

3.4.4. 二重奏:吹弾陽明

 『二重奏:弾奏氷瞑』と同様に、再構成以外で1点以上のライフダメージを受けると即再起する切札です。相手の攻撃/対応によってライフダメージを受けて即再起する場合もあるので、基本的に使った瞬間の帯電解除を推奨します。

3.5. オボロ(忍・戦)

 まず、設置のカードを使用する際は、効果を解決する前に帯電解除を欠かさず行いましょう。特に、『影菱』や『鋼糸』はダメージの選択という相手の判断が入ってしまうので、大会でも巻き戻して帯電解除できません。

3.5.1. 分身の術

 このカードからオボロのカードを使用する場合は、1回目の効果を解決する前(カードを使用した瞬間)に帯電解除しないと風雷ゲージを1点分損しています。2回目の使用時は帯電状態で残るので、相手を見てカードを使用した瞬間に帯電解除するかは判断しましょう。

3.5.2. 生体活性

 隙を持つ付与札です。基本的に、メインフェイズを終えるまでには帯電解除しましょう。設置で展開した後に適当な攻撃に『久遠ノ花』などで対応されると帯電解除前に伏せ札になってしまうリスクがあるので、基本的に使用した瞬間を帯電解除を推奨します。
 また、【破棄時】効果で切札が未使用に戻ります。基本的にこのカードの納が0になるのは自分のターンの開始フェイズなので、事前に切札は帯電解除して風雷ゲージを無駄にしないよう気をつけましょう。相手に余計な情報を与えないためにも、本命の切札以外も帯電解除するのがいいと思います。(途中で【破棄時】効果についての言及を忘れていたのを思い出し、戻って書き直しました笑)

3.5.3. 虚魚

 オボロのカードはほとんどが設置を持つので、このカードの【展開時】効果で伏せ札にすることになると思います。この切札を使用する前に、全てのオボロのカードを帯電解除できているか指差し確認を心がけてください。

3.5.4. 壬蔓

 自分のフレアが0だと再起する切札です。『音無砕氷』などと違って全力札を使用した時に勝手に再起するようなことは、相手にフレアを妨害されるなどしない限りはほとんどありえませんが、忍爪で『壬蔓』+『雷螺風神爪』の構築を組んでいるときなどは普通に帯電解除し忘れがちなので注意しましょう。

3.5.5. 手裏剣

 シーズン5では、戦嵐が流行ったときに『手裏剣』を帯電解除せずに手札に戻してしまうプレミがあってだなあ……
 条件を満たすと手札に戻る攻撃札です。全力札を使用するとメインフェイズに帯電解除できなくなってしまうので、いつ手札に戻っても良いように使ったターンの終了フェイズまでには帯電解除するのがベターだと思います。

3.5.6. 神代枝(+最後の結晶)

 使用した瞬間に取り除かれる切札です。必ず、効果解決前に帯電解除を行いましょう。
 『最後の結晶』も、少し色々と書かれていますが、要はライフゲインの効果を解決したら帯電状態になります。尤も、この効果を使うぐらいのタイミングなら風雷ゲージはとっくに十分だと思いますが……。

3.6. ユキヒ(傘・社交)

3.6.1. はらりゆき

 傘の開閉によって即再起する切札です。基本的に、使ったターンの終了フェイズまでには帯電状態しましょう。帯電解除の話ではありませんが、集中力が2の状態でこのカードを使うと【攻撃後】効果が無駄になるので気をつけましょう。(n敗)

3.6.2. よこいと

 【攻撃後】効果で山札の底に置かれる攻撃札です。相手がダメージの受け方を決める前に、必ず帯電解除するようにしましょう。

3.7. シンラ(書・経典)

3.7.1. 詭弁

 計略が鬼謀のとき、相手の捨て札にあるカードを使用できます。使用したあとのカードは、付与札以外の場合は基本的に相手の捨て札に戻ってしまうので、使用した瞬間に帯電解除しましょう。

3.7.2. 引用

 内容は先述の鬼謀『詭弁』と同様です。使用した瞬間に帯電解除しましょう。

3.7.3. 壮語

 計略が神算だと、【破棄時】効果で山札に戻る付与札です。仮に鬼謀の効果を使用する予定でも、相手に余計な情報を与えないためにも使用したターンの終了フェイズまでには帯電解除するのが良いと思います。

3.7.4. 皆式理解

 計略が神算の場合、自分の納0の付与札を再展開できます。基本的に『大嵐』か『円環輪廻旋』が選ばれると思うので問題ないとは思いますが、万が一シンラの付与札を再展開する場合は、事前に対象のカードが帯電解除してあるかチェックしましょう。

 ちなみにこれは余談ですが、『全知経典』の【攻撃後】効果は「カードから任意の数の計略を任意の順で実行する」という効果でカードの使用にはあたりません。したがって、伏せ札のシンラのカードを捨て札にしても帯電はされておらず、当然帯電解除も行えません。お気をつけください。

3.8. ハガネ(鎚・金床)

3.8.1. 大重力アトラク

 このカードを使用していないターンで、遠心を持つカードを使用すると再起する切札です。遠心を持つカードをするということは即ち標準行動を選択しているので、勝手に再起して風雷ゲージを無駄にするパターンは起こり得ません。必要になるまでは、帯電解除のタイミングは後ろに延ばすのがいいと思います。

3.9. チカゲ(毒・絆)

3.9.1. 抜き足

 隙を持つ付与札です。攻撃/対応のライフ受けによって伏せ札に移動する場合があるので、基本的に使った時点で帯電解除しましょう。

3.9.2. 流転の霞毒

 相手の手札が2枚以上だと再起する切札です。全力行動を選択した場合に勝手に再起する可能性があるので、使用したターンの終了フェイズまでには帯電解除しましょう。

3.9.3. 闇昏千影の生きる道

 隙を持つ付与札と同様、ライフダメージを受けると帯電解除のタイミングを逃してしまいます。全力札で返しのターンに未使用に戻るリスクまで考慮するなら、使用した瞬間に帯電解除するのが無難だと思います。

 ……こんなカードを使うんだったら帯電解除して殴るなー!

3.10. クルル(絡繰・機器・友情)

3.10.1. いんだすとりあ

 再構成で即再起する切札です。遅くても、再構成する直前のターンのメインフェイズで帯電解除するように気をつけたいところですが、実際は『くるるーん』のドロー効果により再構成のタイミングが早まる場合もあるので、どこまでケアするかは難しいところです。

3.10.2. どれーんでびる

 「カードの効果による使用」にあたり、かつ帯電解除においてプレミを誘発しやすいカードです。簡単に言うと、相手のオーラを自分のオーラにする効果を使用するたびに帯電状態になります。

 クルル+ライラにおいて『どれーんでびる』を誘発するのは主に『いんだすとりあ』と『雷螺風神爪』が再起するときです。『雷螺風神爪』は終了フェイズ、『いんだすとりあ』は開始フェイズに再起するため、「終了フェイズに『雷螺風神爪』再起→『どれーんでびる』使用→次のターンの開始フェイズに再構成で『いんだすとりあ』再起→『どれーんでびる』使用」となった場合に1回目の『どれーんでびる』分の風雷ゲージを無駄にしないように気をつけましょう。

3.10.3. 神渉装置:枢式

 使用すると取り除かれてしまう切札です。必ず、使った瞬間に帯電解除しましょう。

3.10.4. だうじんぐ

 相手の捨て札にあるカードを使用できます。使用したあとのカードは、付与札以外の場合は基本的に相手の捨て札に戻ってしまうので、使用した瞬間に帯電解除しましょう。

3.10.5. らすとりさーち

 帯電解除については、要領は『どれーんでびる』にかなり近いです。こちらは使用タイミングが終了フェイズに固定されているので比較的タイミングは逃しにくいですが、全力カードを使用したときは他のカードの帯電解除を行えないため、このカードも基本的には使った瞬間に帯電解除してしまうので無難だと思います。
 細かいはないですが、終了フェイズの効果解決は、手札制限によるディスカード以外はターンプレイヤーが任意の順番で行えるので、「『らすとりさーち』使用で帯電解除して風4→『雷螺風神爪』再起→『どれーんでびる』使用」と繋げることは可能です。

3.11. サリヤ(乗騎・新型)

3.11.1 Alpha-Edge

 騎動を行うと即再起する切札です。『Turbo Switch』により相手ターンに即再起する場合もあるので、基本的に使用したターンの終了フェイズまでには帯電解除するのがいいと思います。

3.11.2. BlackBox NEO

 条件を満たすと再起する切札です。造花結晶の個数は『Turbo Switch』により想定より減る場合もあるので、全力行動で帯電解除のタイミングを逃すリスクを考慮するなら、終端であることを踏まえると使用した瞬間の帯電解除がいいと思います。  なお、このカードでTransFormする場合は直後に再起してしまうので、必ず使用した瞬間に帯電解除しましょう。(大会の場合、『Form:ASURA』にTransFormしてしまうと相手の情報が一部公開されてしまうので、巻き戻しての帯電解除ができません。特に気をつけてください)

3.12. ライラ(爪・嵐)

3.12.1. 流転爪

 【攻撃後】効果で捨て札の攻撃札を山札に戻すことができます。相方のカードを山札に戻す可能性がある場合は、必ず帯電解除を事前に済ませておきましょう。

3.12.2. 風雷の知恵

 相方のカードを山札に戻すことができます。注意点は『要返し』『流転爪』あたりと同様です。

3.13. ウツロ(鎌・塵)

3.13.1. 灰滅

 使用すると取り除かれてしまう切札です。必ず、使った瞬間に帯電解除しましょう。

3.13.2. 終末

 ダスト13以上で再起する切札です。ウツロの場合は特に『遺灰呪』によりダストが増える場合があるので、使用したターンの終了フェイズまでには帯電解除しておくと、「『終末』展開→相手のターンに『終末』破棄→『遺灰呪』展開で『終末』再起」となった場合でも風雷ゲージが無駄になりません。

3.13.3. 残響装置:枢式

 このカードを使用して、終焉の影が蘇ると、このカードは除外されてしまいます。ゲーム開始直後などでない限りは、使用した瞬間の帯電解除をおすすめします。また、終焉の影が蘇ると捨て札のカードもゲームから取り除かれてしまうので、事前に全てのカードを帯電解除しておきましょう。

3.13.4. 望我

 次のメインフェイズ開始時に即再起する切札です。言うまでもないと思いますが、終了フェイズまでには帯電解除しましょう。

3.14. ホノカ(旗・勾玉)

3.14.1. 精霊式(守護霊式・突撃霊式)

 【攻撃後】効果で他のカードに開花できるカードです。開花したカードは帯電解除できなくなってしまうので、開花させるつもりのカードは使った瞬間に帯電解除しましょう。(いずれも攻撃札のため、ダメージの選択が入ると大会では巻き戻せません。注意してください)

3.14.2. 義旗共振

 【攻撃後】効果で山札に戻す効果があります。注意点は『よこいと』などと変わりません。使用した瞬間に帯電解除しましょう。

3.14.3. 桜の翅(再生)

 使用すると必ず開花するカードです。必ず、使用した瞬間に帯電解除しましょう。

3.14.4. 桜花のお守り

 使用したあと、任意効果で『仄かなる輝き』に開花できます。開花しない場合は通常のカードと同様に考えて問題ないですが、開花させる場合は使用した瞬間に帯電解除しましょう。

3.14.5. 胸に想いを(両手に華を)

 『胸に想いを』は使用すると必ず『両手に華を』に開花します。必ず、使用した瞬間に帯電解除しましょう。
 『両手に華を』は桜花結晶が5つ乗ると『そして新たな幕開けを』に開花します。タイミングはプレイヤーが任意で選べるのでミスは発生しづらいですが、全力行動を宣言したターンの終了フェイズに【使用済】効果で開花する場合は帯電解除のタイミングを逃してしまうので、気持ち早めの帯電解除が良いと思います。

3.14.6. 四季はまた廻り来る

 追加札からカードが捨て札、山札、切札などに入ってくると未使用に戻ってくるカードです。基本的には開花がこれに該当しますが、『守護霊式』や『桜花のお守り』といった対応で誘発する場合もあり、他のカードによって未使用に戻るトリガーが引かれるという特徴からとにかく帯電解除を忘れやすいです。(逆に言えば、開花のカードは使用した瞬間に帯電解除すれば良いのでミスは起こりづらいです)

 余談ですが、『風魔招来孔』によっても未使用に戻るので、一応気をつけましょう。

3.14.7. 桜の双剣(影の両手)

3.14.8. ひとり目覚めて(標をたどり・影面見向き)

 使用すると強制で他のカードに開花するカードです。必ず、使用した瞬間に帯電解除しましょう。

3.14.9. 桜花眩く輝かん

 桜花結晶が5つの領域があると再起する切札です。全力行動を宣言したターンに再起する可能性も十分ありえますので、終了フェイズまでには帯電解除するのがいいと思います。

3.14.10 旧き虚路を歩みゆく

 使用すると取り除かれてしまうカードです。必ず、使用した瞬間に帯電解除しましょう。

3.15. コルヌ(橇)

3.15.1. ウパシトゥム

 相手のオーラが埋まると即再起する切札です。こちらの凍結以外でも、相手のオーラを増やす対応でも即再起を誘発する可能性があるので、相手によっては使用した瞬間に帯電解除してしまってもいいと思います。
 これは他のミコトに聞いた話ですが、爪橇だと『風魔纏廻』を早いタイミングで準備するために、相手のオーラが5でも『ウパシトゥム』を使うケースがあるそうです。(放っておいても宿し+前進などで即再起場合もあるため)

3.15.2. ポルチャルトー

 【破棄時】効果で消費2フレアで再展開できる付与札です。納が0になるタイミングは決まっていますが、全力行動を選択すると帯電解除のタイミングを逃すリスクがあるので、標準行動を選択したターンの終了フェイズまでに帯電解除してしまうのが無難だと思います。

3.16. ヤツハ(鏡・花・魂)

3.16.1. 寄花

 隙を持つ付与札です。攻撃/対応のライフ受けによって伏せ札に移動する場合があるので、基本的に使った時点で帯電解除しましょう。

3.16.2. 四葉鏡のわらべ唄

 展開中の付与札を再展開できる切札です。自分の付与札を選択する場合の注意点は『皆式理解』、相手の付与札を選択する場合の注意点は『だうじんぐ』と同じです。

3.16.3. 八葉鏡の向こう側

 納が0になると取り除かれてしまう付与札です。納1の状態での帯電解除が理想ですが、『鏡の悪魔』を使用したいときに帯電状態の『八葉鏡の向こう側』が吹っ飛んで悲しくなるので、展開した次のターンには帯電解除しておくことをおすすめします。

3.16.3. 八葉鏡の徒桜

 使用時と再構成直前にヤツハのカードを完全態にできる切札です。再構成時は「ヤツハのカードを帯電解除→『八葉鏡の徒桜』効果で完全態に交換」という順番で解決できるので帯電解除ミスは起きませんが、使用時だけはミスが起こりうるので、事前に交換予定のヤツハのカードを帯電解除しておきましょう。

3.16.4. 徒寄花

 完全態のカードが4枚以上だと【破棄時】効果で山札に戻る付与札です。全力札を採用している場合はタイミングを逃さないように、事前に帯電解除しておきましょう。

3.16.5. 見知らぬ世界

 【破棄時】効果で取り除かれてしまう付与札です。納1のため先1以外だと次の相手の開始フェイズで破棄されてしまうので、終了フェイズまでには必ず帯電解除しましょう。

3.17. ハツミ(櫂・信頼)

3.17.1. イサナ海域

 逆風の場合、【攻撃後】効果で未使用になる切札です。逆風でこのカードを使用する場合は、必ず使った瞬間に帯電解除しましょう。

3.17.2. オヨギビ砲火

 相手のターンに間合いが2以上前に変化すると即再起する切札です。即再起するかどうかが相手に依存するため、必ず終了フェイズまでには帯電解除しましょう。

3.17.3. カラハリ灯台

 相手のターンに相手が《行動》か《付与》のカードを使用すると未使用に戻る切札です。『オヨギビ砲火』同様、未使用に戻るかどうかが相手依存のため、必ず終了フェイズまでには帯電解除しましょう。

3.17.4. ミオビキ航路

 『どれーんでびる』同様、効果を発動するたびに帯電し直す切札です。こちらは帯電するタイミングが自分ターンの開始時で固定されているため、標準行動をする予定なら終了フェイズまで延ばして、全力行動をする予定なら使った瞬間に帯電解除するのが良いと思います。(ハツミの場合、『波呼び』があるのでカードを引く前からこれらの判断をしやすいです)

3.17.5. 潜雷

 隙を持つ付与札です。攻撃/対応のライフ受けによって伏せ札に移動する場合があるので、基本的に使った時点で帯電解除しましょう。

3.17.6. ワダナカ航路

 逆風だと再起する切札です。全力行動を選択していると帯電解除のタイミングを逃してしまうので、終了フェイズまでには帯電解除するのが良いと思います。

3.18. ミズキ(兜)

3.18.1. 三重膝丸櫓

 終端を持つカードの使用によって即再起する切札です。基本的には『槍兵』や『騎兵』でトリガーを引くことになると思いますが、そうでない場合も『盾兵』による即再起を相手に警戒させるために使ったターンには帯電解除するのが良いと思います。

3.18.2. 闘神

 使用したら取り除かれてしまう攻撃札です。必ず使った瞬間に帯電解除しましょう。

3.19. メグミ(棹)

3.19.1. 鳳仙花

 隙を持つ付与札です。攻撃/対応のライフ受けによって伏せ札に移動する場合があるので、基本的に使った時点で帯電解除しましょう。

3.19.2. 因果律の根

 萌芽している種結晶が土壌にないと即再起する切札です。『野茨』展開によって即再起する可能性があるので、構築が相手に全て割れていない段階では終了フェイズまでに帯電解除するのが良いと思います。

3.20. カナヱ(仮面)

3.20.1. 脚本化

 【常時】効果で山札に戻せる攻撃札です。注意点は『梳流し』や『よこいと』と変わりませんが、こちらは任意なので少し帯電解除のタイミングを後ろに延ばすことができます。それでも、全力行動を選択すると帯電解除のタイミングを逃してしまうので使ったターン中には帯電解除するのが良いと思います。

3.20.2. たまふらゆみ

 構想を進めなかった場合に相手ターン開始時に未使用に戻る切札です。全力化『断行』から構想をセットする場合なども考慮すると、使ったターンで帯電解除しておくのが無難だと思います。

3.20.3. ほかげきらぼし

 次の幕へ向かうと即再起する切札です。構想が達成されるかは相手に影響される側面もあり、帯電解除を先延ばしにしているとそのまま即再起してしまうといった事故を引き起こしやすいです。必ずしも使ったターンに帯電解除する必要はないと思いますが、気持ち早めで帯電解除したほうが無難です。

3.21. カムヰ(剣)

3.21.1. 血飛沫

 隙を持つ付与札です。攻撃/対応のライフ受けによって伏せ札に移動する場合があるので、基本的に使った時点で帯電解除しましょう。

3.21.2. 尸

 禁忌ゲージが6・12のときに即再起する切札です。『血晶乱流』などでしゃがむ場合や、相手の攻撃によってライフが5を割った場合などを考慮すると、使った瞬間とまではいかなくても、禁忌ゲージが6や12になる2~3ターン前には帯電解除するのが無難だとは思います。

3.22. レンリ(衣)

3.22.1. ルルララリ

 終了フェイズに【使用済】効果で未使用に戻る切札です。必ず、終了フェイズまでには帯電解除しましょう。

3.22.2. オリレテラレル

 切札以外の場所に表のカードが3枚以上あると再起する切札です。
 全力行動を選択したターンに再起する場合もありますが、明らかに次のターンには再起しない場合もあるので、帯電解除のタイイングは難しいです。あまりギリギリまでは先延ばしにせず、気持ち早めに帯電解除しておくのが良いと思います。

3.22.3. 刻まれし衣

 『夜山恋離のなれの果て』で追加される切札です。特に注意が必要なのが『夜山恋離のなれの果て』の納が2で『刻まれし衣』が『完全論破』になっているときで、これを使用すると次の自分の開始フェイズで『望我』になるため、一度即再起します。
 ほとんどの場合は、『望我』のタイミングで再構成するのでリカバリーが利くと思いますが、念のために終了フェイズまでには帯電解除しておいたほうが、敢えて再構成しないという選択肢も残せてベターだと思います。

3.22.4. 神授

 使用すると遺物領域の通常札と交換されるカードです。そのため、必ず使った瞬間に帯電解除しましょう。

3.22.5. 偽りの武器

 偽証設置として、オボロの『影菱』や『鋼糸』の要領で再構成の直前に伏せ札から使用できるカードです。注意点は『影菱』や『鋼糸』と同様です。必ず、使った瞬間(相手が対応の有無やダメージの受け方を決める前)に帯電解除しましょう。

3.23. アキナ(算盤)

3.23.1. 恫喝

 投資券として使える攻撃札です。投資券として使用すると伏せ札になるため、帯電状態の場合は帯電解除のタイミングを逃してしまいます。『恫喝』の場合はライフ回収のために、次のターンに投資券として使う場合がかなり多いので、終了フェイズまでには帯電解除しておいた方が良いと思います。(ただし、次のターンが再構成の場合は、「帯電解除→投資券の使用→再構成」という順番で解決することでギリギリ帯電解除が間に合います)

3.23.2. 直接金融

 投資券かつ、隙を持つ付与札です。おまけに全力札なので、必ず使った瞬間に帯電解除しましょう。

3.23.3. 開方冥式切取法

 「0-10、-/1、以下略」の攻撃を飛ばす切札です。これを使うような終盤では風雷ゲージはもはや誤差のような気もしますが、一応このカードは、繰り返しの使用によって-/1を飛ばしているので、-/1を飛ばすたびに帯電解除しないと風雷ゲージを上げそこねてしまいます。一応知っておくようにしましょう。

3.23.4. 源上安岐那の御明算

 投資券として使える切札です。注意点は『恫喝』と同じです。こちらは一度の桜花決闘で何度も使用することになるので、帯電解除し忘れを引き起こしやすいです。基本的に、使ったターンに帯電解除したほうが無難だと思います。
 また、2纏いの効果を使用する際は取り除かれてしまうので、必ず使った瞬間に帯電解除しましょう。

3.24. シスイ(鋸)

3.24.1. ウバラザキ

 オーラとフレアの保有結晶が合計6以下だと再起する切札です。オーラもフレアも返しの相手の攻撃によって左右されがちですし、全力行動を選択した場合のタイミング逃しも考慮して終了フェイズまでには帯電解除しておくのがいいと思います。

3.24.2. アブダグイ

 3回のダメージを受けると即再起する切札です。相手の攻撃回数によっては使ったターンに即再起する可能性もあり得るので、基本的に使った瞬間に帯電解除しておくのが良いと思います。(ただし、相手のリソース的にこのターン中に即再起しないことが確定している場合は少し別です。その場合は、次の自分のメインフェイズまで帯電解除を先延ばしにしてもいいと思います)

4. 対面で警戒するべきカード紹介

 ここからは対面に来たときに、メガミごとで警戒するべきカードを紹介しています。

4.1. シンラ(書・経典)

4.1.1. 詭弁

 鬼謀の【攻撃後】効果で、こちらの捨て札にあるカードを使用してきます。帯電状態のカードを選択されると、相手の<使用中>領域に移動することで帯電解除してしまいます。間合い3~8でターンを返さざるを得なかったり『全知経典』からの効果使用を警戒する場合は、捨て札に帯電状態のカードを残さないようにしましょう。

4.1.2. 論破

 【展開時】効果で、破棄されるまでの間、こちらの捨て札にあるカードを封印してきます。
 帯電状態のカードを選択されると、相手の<付与札>領域に移動するため、戻ってきても帯電解除してしまいます。シンラ対面で相手の通常札がすべて見えていない場合は、捨て札に帯電状態のカードを残さないようにしましょう。

4.1.3. 完全論破

 こちらの捨て札にあるカードを封印してきます。そのまま帯電解除のタイミングを逃してしまうので、シンラ対面で相手の切札がすべて見えていない場合は、捨て札に帯電状態のカードを残さないようにしましょう。

4.1.4. 使徒

 神算の【展開時】および【破棄時】効果でこちらの捨て札のカードを山札に戻してきます。こちらが選べるので大きな問題にはなりにくいですが、そこで相方のカードを戻したい場合は事前に帯電解除しておくのが良いと思います。

4.2. クルル(絡繰・機器・友情)

4.2.1. 神渉装置:枢式

 機巧が揃っていなくても、こちらの使用済の切札を使ってくる場合があります。その場合、帯電状態のカードを選択されると、相手の<使用中>領域に移動することで帯電解除してしまいます。相手の切札が全て見えていない間は、切札は帯電状態で手番を返さないように気をつけましょう。

4.2.2. だうじんぐ

 注意点は『詭弁』と同じです。相手の通常札が全て見えていない場合は、捨て札に帯電状態のカードを残さないように気をつけましょう。

4.3. ヤツハ(鏡・花・魂)

4.3.1. 四葉鏡のわらべ唄

 こちらの展開中の付与札を奪って展開してくる場合があります。その場合、こちらの付与札が相手の<付与札>領域に移動するため、戻ってきても帯電解除してしまいます。ヤツハ対面で付与札を展開する場合は、必ず終了フェイズまでに帯電解除するように気をつけましょう。

4.4. レンリ(衣・遺物)

4.4.1. 刻まれし衣(完全論破)

 内容は、シンラの『完全論破』と同じであるため省略します。

5. あとがき

 以上がライラの後出し帯電解除講座の記事となります。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 ぶっちゃけ、カードを書き出して一枚一枚コメントを添えてる瞬間が苦しくて、途中から体裁を整えることを放棄してしまいました。そのうち、こっそり修正とか加えるかもしれません。
 「このカード抜けてるよ~」とかあったら、あとで追加しようと思うので、教えていただけると助かります。

 この記事を参考にライラやライラAを使って、風雷ゲージを管理する楽しさに目覚めてもらたら嬉しいです。もちろん、この記事の通りに動いて帯電解除を忘れて敗北しても責任は取りません!仲良く「今日も一日帯電解除ケア!」と声高らかに叫びましょう。

 考察の内容の関係の有無を問わず、気になった点やご意見、ご指摘などがございましたら、このブログのコメント欄か、私のTwitterアカウントまで持ってきてくださると、非常にうれしいです。
 この記事の画像は「ふるよにコモンズ/BakaFire,TOKIAME」から拝借しております。

URL: https://main-bakafire.ssl-lolipop.jp/furuyoni/na/rule.html

君なんかS5と違わない?新爪(サリヤA/ライラ)

 どうも皆さんこんにちは、ライトロード・マZiシャンライラです。嘘です、Zicoです。
 7月ごろからS8-2が始まり、そろそろ3ヶ月が経ちましたが、皆さん楽しんでますか?カード更新によって全体的にメガミのパワーが平準化されたので、各々が好きなメガミを宿しやすい良環境なのではないかと思います。

 今回のカード更新の影響を受けたメガミはかなり多いと思いますが、カードが強化されたメガミのなかで最も目立っているのは、ライラではないかと個人的には感じています
 ライラのカード更新は「『風雷撃』に適正距離1が追加された」という一見すると些細なものでした。しかし、これにより、かつてからライラの課題だった「『風雷撃』の脆弱性によるリーサルの不安定さ」がある程度は解決したといえるでしょう

 今回は、そんなライラに『Steam Cannon』の更新が入ったサリヤAを添えた、新爪(サリヤA/ライラ)について記事を書こうと思います。ライラが相方に求める要素を満たした、非常にシナジーのある二柱となっております。最後まで読んでいただけると嬉しいです。

S5、実は3年以上前らしいですよ。

1. 新爪の強み

 まず初めに、ライラの相方という観点でサリヤAが優れている点をご説明します。

1.1. 序盤の動きと帯電解除が両立する

 私は爪Xについて評価するときに、どれぐらいのタイミングで『風雷撃』を3/2以上にできるかを考えます。
 『風雷撃』を3/2以上に育てて間合い2に着地できれば、そこからは『獣爪』でクロックを刻みながら『流転爪』で『風雷撃』を戻し、最後は『雷螺風神爪』でリーサル……といったように、ライラ単体でも火力面は解決できます。
 以前は『風雷撃』の適正距離が2のみだったので心もとない側面がありましたが、今回のカード更新により、ライラ単体での完結性は向上しました。

 このような前提を踏まえると、一巡目から帯電解除の手段を持つメガミは、ライラの相方として非常に適正が高いといえます。
 対して、後ろで使用するカードがない組み合わせは「宿しと前進で間合い2に着地→相方のカードを使用→風雷撃を使う」という手順になってしまいます。これだと、相手の主張を先に受けてから後手に回る場面が多くなり、あまり強くありません。
 サリヤAはその点において、一巡目にTransFormするまでの間に『BlackBox NEO』『Turbo Switch』『Steam Cannon』『BlackBox NEO』と最低でも4回の帯電解除を行えます。

 大抵の場合は『BlackBox NEO』をTransFormした次のターンに使用するので、その後に『Waving Edge』などを使えばこの時点で『風雷撃』は3/2です。
 たしかに、ゲーム序盤から風雷ゲージを稼ぐだけなら『呼び声』でもできます。しかし、それに加えて、中盤以降に間合い2に着地してからも動きを歪めずに使用できるカードを持つメガミは、意外と多くありません。
 その点、サリヤAは2回目のTransFormでも『BlackBox NEO』『Steam Cannon』は使うでしょうし、『Turbo Switch』は相手のリーサルの妨害として、非常に有効に機能します。

 このように、帯電解除と強い立ち回りを両立できる点が、新爪の強みその1です。

1.2. オーラを増やすリソースを得られる

 ライラの相方を考えるうえで、手札を伏せて纏う機会を減らすことは極めて重要です。ライラの得意なゲーム展開は、強力な攻撃札(≒『風雷撃』)を絶えず使っていく(≒『流転爪』で山札に戻す)ことで、テンポ・アドバンテージを稼いでいくことです。
 ライラのカードを伏せて攻め手を緩めたり、相方のカードを伏せて帯電解除が遅れる(≒リーサルを取れるターンが遅くなる)展開は可能な限り避ける必要があります。

 このような点を意識するうえで、非常に役立つのが『Form:DEVA』の常時効果『Phi-Cycle』です。

 これにより、相手に攻撃された返しに纏いやすくなりますし、カードの効果によって後ろに下がられた場合でも前進し直しやすくなります。

 絶え間なく湧いてくるリソースによってライラの主張を押し付け続けられる点が、新爪の強みその2です。

1.3. 大技を避けるための対応がある

 一般的に、一気にリーサルを取る手段は
・スタッツの大きな攻撃札をライフに通す
・ライフ受けできない攻撃を複数回当てる
の2つに大きく分けられます。最近の完全戦環境ですと、前者の典型例が『ゆらりび』で、後者の典型例がシスイの『ハドマギリ』を絡めた連続攻撃でしょうか。

ちなみに、組み合わせるとすごく強い。お得だなあ()

 ライラは、後者の主張に対しては『円環輪廻旋』によって連続攻撃を妨害できるので、ある程度は耐性を有しています。しかし、ライラは使用条件の厳しい『風魔天狗道』以外のステップ対応も、オーラを増やせるような対応も持たないため、前者のような主張は苦手です。
 つまり、ライラで対処できる範囲を広げようとする場合、相方に優秀な対応札を持っていることは非常に重要です。そのような観点で見ると、サリヤAは『Turbo Switch』という非常に優秀な対応札を持っています。

 以前は、造花結晶の回復手段が乏しかったため、『Turbo Switch』で対応すると返しのターンに『Waving Edge』や『Shield Charge』を使えなくてリーサルを逃すケースが存在しました。しかし、『Steam Cannon』が更新されたことで、最近はそのようなリスクもかなり低くなったと思います。

 連続攻撃は『円環輪廻旋』、大技は『Turbo Switch』でケアという盤石の布陣を敷ける点が、新爪の強みその3です。

1.4. 間合い2→1に移動できる

 ライラができるテンポ奪取の1つに、間合い1に潜るというものがあります。ライラは間合い1でも全ての攻撃札を使用できるため離脱が不要であり、相手にのみ離脱のリソースを強要できます。
 この特徴は以前からありましたが、カード更新前は『風雷撃』が間合い1で使用できなかったため、どちらかと言えばライラAでよく見られる立ち回りでした。
 いずれにせよ、今回のカード更新でライラも間合い1に潜る動きが強くなりましたが、ライラオリジンには『暴風』がありません。そのため、その主張を押しつけるには他の手段が必要です。
 『風走り』は確かに間合い1を踏める手段ではあります。しかし、間合い3へ離脱するリソースが必要で、直接的には盤面に影響を与えないという点から間合い1に潜る手段としてはあまり強くはありません。したがって、上手く間合い1に潜るには、そのような手段を持った相方を添えなければなりません。

 新爪において、その際に役立つのが『Waving Edge』です。狙い目は相手がフルリソース(手札4枚+集中力2)になる直前のターンで、そこで間合い1に潜ると、相手は攻撃のために離脱が必要で、将来的な纏いの回数を減らせます。加えて、間合い1スタートから『Turbo Switch』や『円環輪廻旋』で前に動くと、相手は手札を伏せて離脱する必要があり、さらに攻め手が薄くなります。

 『Waving Edge』による間合い2から1への移動で、相手に離脱を強要してリソースでマウントを取れるのが新爪の強みその4です。

2. 構築

 ここからは、具体的な新爪の構築についてご説明します。

 新爪はビートダウン1本の二柱である(と私は思っている)ので、構築の主張は1パターンだけです。今回は最もオーソドックスな構築を紹介したあとに、各カードの採用基準などを説明します。

2.1. テンプレ構築

Waving Edge/Steam Cannon/Turbo Switch/Quick Change/獣爪/風雷撃/流転爪
BlackBox NEO/雷螺風神爪/円環輪廻旋

 1. 新爪の強み で説明した強みをすべて織り込んだ構築です。ゲーム序盤はサリヤAのカードで風雷ゲージを稼いで、間合い2に着地してからはライラの攻撃札を軸にゲームプランを組み立てます。

 一巡目の動きは、
・1T目に1宿しから『BlackBox NEO』
・2T目に『Turbo Switch』で騎動後退して『BlackBox NEO』再起
・3T目に『Steam Cannon』から纏い宿しで『BlackBox NEO』で『Form:DEVA』にTransForm
でほぼ確定です。無理に自分から前進せずに、安全な状態でのTransFormを意識します。

 二巡目以降は、盤面状況を見ながら2回目のTransFormを狙っていきます。
 相手が間合い3~4でターンを返してくるのであれば、集中力で間合い2まで前進してライラの攻撃札も使いながら
・『BlackBox NEO』
・『Waving Edge』or『Turbo Switch』で『BlackBox NEO』再起
・『Steam Cannon』or『Quick Change』から『BlackBox NEO』で『Form:KINNARI』にTransForm
という手順でのTransFormを狙います。
 『Form:KINNARI』へのTransFormはマストではないので、『Form:NAGA』にTransFormして『風雷撃』などで与えたフレアを破壊しても良いですし、『Quick Change』に『Form:KINNARI』を埋めて2/2の攻撃札として使っても良いです。

 二巡目以降のメイン打点は『Waving Edge』『獣爪』『風雷撃』です。3/1でクロックを刻みながら、相手の攻撃は『Phi-Cycle』を活かすためにも可能な限りオーラ受けして、複数枚使わせることを意識しましょう。

 リーサルでは基本的に『風雷撃』と『雷螺風神爪』を使います。ここで『Quick Change』を抱えておけると、
・前の攻撃がオーラ受けされたら『Form:ASURA』の『Sigma-Drive』で3/2をライフに通す
・相手のライフが1になったら『Form:NAGA』の『Gamma-Ray』で相手の山札を0枚にする
といった具合で、相手の受け方に合わせたリーサルを狙うことができます。

 とにかく、新爪で意識しておいて欲しいのが、「きれいなTransForm≒勝利」という点です。この構築で必要なTransFormは、最初の『Form:DEVA』だけです。帯電解除さえ出来ていれば『Waving Edge』とライラの攻撃札で打点は十分に足りているので、綺麗にTransFormするよりもライフリードをしっかり取ることを意識しましょう。

2.2. カード評価

 最後に、構築を組み替える際の参考にしていただけるように、新爪における各カードの評価を解説します。

2.2.1. サリヤAの通常札

Burning Steam
 離脱不要がライラの強みなので、適正距離が3~5のこのカードは基本的に使わない。相手の得意間合いと適正距離が重なっている場合は、攻撃札として採用する。

Waving Edge
 適正距離とスタッツがライラの攻撃札と非常に相性が良い。新爪としては100%採用する。

Steam Cannon
 TransFormするうえでの必須パーツであり、100%採用する。かつての新型は一巡目に『Roaring』で集中力を追加で払うか『Quick Change』をオーラを納に展開することでしか造花結晶を3→4にできなかったので、このカードが更新された影響は非常に大きい。
 『Waving Edge』で間合い1を踏んで手番を返して、相手が離脱すると次のターンは間合い3より後ろで始まるので、このカードを使うための離脱が不要になる。
 攻撃札なので打ち消される可能性があるのがネックだが、個人的には打ち消されても、ゲームを後ろに倒して再構成で引き直せばいいと思っている。

Shield Charge
 下記のブログにあるように、このカードの本質は後退札だと思っているので、間合い1にいることが強い新爪にはあまり採用しない。あと、このカードを『Waving Edge』から使っていると『Turbo Switch』用の造花結晶確保が苦しい。
 フレアを破壊することに意味がある場合と、このカードを採用しないといけないぐらいダメージレースが熾烈になりそうであれば採用するかもしれない。

kochiyamy3.hatenablog.com

Roaring
 新爪の主張とは一貫しているが、『Waving Edge』と『Turbo Switch』に加えてこのカードを採用するとさすがに造花結晶が足りないと思う。
 一巡目の折衝が重要な相手であれば『Turbo Switch』の代わりに採用してもいいのかもしれないが、そのような相手はこのカードをケアして集中力0で手番を返すはずなので、結局妨害できているリソースは『Turbo Switch』と同じでは……?という気持ちになる。概ね「『Turbo Switch』でよくね?」となるので私は入れない。

Turbo Switch
 一巡目のTransFormのパーツ兼、ライラの不足しがちな防御力を補ってくれる非常にお得なカード。後がなくなった相手は基本的にこのカードのケアを切ってぶっぱしてくるので、そのときに死なないためにも基本は採用する。

Quick Change
 TransFormは『Steam Cannon』と『Turbo Switch』で完結しているので別に必須ではないが、あると細かい部分で安定感が増すカード。基本的には再構成直前に『Form:KINNARI』を埋めて2/2の攻撃札みたいに使う。もちろん、2回目以降のTransFormに繋げるために使用しても良い。
 リーサル時には、構築紹介で述べたように相手の受け方を見てから『Form:ASURA』と『Form:NAGA』の都合の良い方を埋めたりする。

2.2.2. ライラの通常札

獣爪
 実は必須パーツではない。振ればライフ1点なので基本的に採用するが、相手のレンジロックが厳しそうな場合などはこのカードを抜いて『風走り』などを採用しても良い……かもしれない。
 ほとんどの場合では、このカードよりも『流転爪』の方が『風雷撃』を山札に戻せるという点で優秀だと思う。

風雷撃
 新爪の場合『風魔招来孔』や『天雷召喚陣』を99%採用しないので、このカードは99%採用される。令和の『紅刃』は適正距離1~2で振れるなんてお得だなあ。(『紅刃』も令和のカード定期)

流転爪
 『風雷撃』を採用するのであれば、『風雷撃』を山札に戻せるこのカードも99%採用される。別に必ずしもこのカードで『風雷撃』を対象に取る必要はなく、レンジロックが厳しい相手なら『Burning Steam』、カムヰ対面では相手に離脱を強要できる『Waving Edge』といったように、相手と盤面を見て臨機応変に選んだほうが強い。

風走り
 相手の得意な間合いが4より後ろであれば採用する。新爪として特別なシナジーがあるわけではないので、進んで採用するカードではない。
 余談だが、『Waving Edge』で間合い1を踏んだ返しに離脱されると造花結晶を燃焼した直後の間合い3以降になるので、他の爪Xよりは使いたい場面は多いのかもしれない。

風雷の知恵
 基本的に『天雷召喚陣』で使うカードなので、『天雷召喚陣』をやらない新爪では採用されない。

空駆け
 基本的にレンジロック対策として採用するカードだが、新爪は『Thallya's Masterpiece』という使いやすい間合い操作手段があるので、このカードは採用されない。

呼び声
 新爪は一巡目から帯電解除ができ、何よりTransFormのために忙しいのでこんなカードを使っている余裕はない。

2.2.3. サリヤAの切札

BlackBox NEO
 サリヤAの主張の根幹であり、100%採用する。帯電解除のためのカードとして非常に優秀だが、他の切札を使用するフレアが残っていないと本末転倒なので使いすぎ注意。
 終盤では『Turbo Switch』と返しに『Waving Edge』を使用するための3つは造花結晶を持っておきたいので、このカードを使って上手く調整したい。

OMNIS-Blaster
 基本的に2/2以上として使いたいが、新爪は2回目以降のTransFormが安定しないので、『円環輪廻旋』の方が安定して仕事してくれる印象がある。
 シンラとかクルルみたいな『円環輪廻旋』が対応として不要そうな相手であれば、リーサルの足しになるので採用して良いかもしれない。

Thallya's Masterpiece
 本質的には2枚目以降の『風走り』をデッキに増やしてくれるカード。
 便利なカードではあるが、この切札を採用すると『円環輪廻旋』か『雷螺風神爪』が抜けるので、動きが全体的にシビアになりがちではある。相手が中距離だからといって手放しでは採用せず、普通の『Burning Steam』や『Sigma-Drive』だけでは主張が足りないか考えてから採用を検討した方がいい。

Julia's BlackBox
 基本的には造花結晶が0のときにこのカードで、『Form:DEVA』、次のターンに『Form:ASURA』か『Form:KINNARI』と2ターン連続で2回のTransFormをするためのカード。
 かつては造花結晶を3→4にする手段が全体的に渋かったので採用の余地があったが、『Steam Cannon』が更新された現在では相対的に価値が下がったと思う。
 また、新爪は一巡目でDEVAに変形してリソースを得たい二柱なので、実質的に造花結晶を使い切れないと『Form:DEVA』になれないこの切札とは相性が悪い。切札の枠もカツカツなので、この切札を採用するケースは基本的にないと思う。

2.2.4. ライラの切札

雷螺風神爪
 使いやすい攻撃切札で、『風雷撃』と適正距離も重なることから、他に採用しないといけない切札がなければ採用する。
 このカードの効果と『風雷撃』のスタッツを踏まえると、帯電解除は可能な限り後ろに引っ張った方が強い。(今度、別に記事を作成する予定)

 とりあず、新爪においては
・サリヤAの攻撃札を『流転爪』で山札に戻す場合
・『BlackBox NEO』が再起する場合
以外は帯電解除を保留にして、『風雷撃』のスタッツと『雷螺風神爪』の効果を選べる状態にしておいた方が強い。

風魔招来孔
 新爪の場合、『BlackBox NEO』を用いて風雷ゲージを稼いでいくことになるため、多くのフレアを要求されるこのカードは相性が悪い。
 一般的に、このカードを採用する目的は
・『風魔纏廻』で『雷螺風神爪』を1ターンに2回使ってリーサル力を高める
・『風魔天狗道』で『月影落』『ゆらりび』などの大型切札を避ける
の2パターンが考えられる。
 しかし、前者は『BlackBox NEO』にフレアを費やすために消費が重く、普通に動くとフレアが足りないことが多い。単純に瞬間火力を上げるだけなら、リーサルの直前ターンに『Quick Change』で『Form:ASURA』を埋めた方が安定すると思う。後者も、『Turbo Switch』がほとんど同じ役割を果たしてくれるので微妙。

3. 実際の構築(vsカムヰ/シスイ)

 最後は、私が完全戦三拾一捨の大会で実際に組んだ構築について説明いたします。
 この大会では、1~3戦目の全てで新爪が返ってきましたが、1戦目が最も新爪の強みを発揮したマッチングだったのでピックアップしました。

 マッチングは新爪(傘)vs剣鋸(爪)でした。新爪は1.4. で述べたように間合い1で優位を取れることが強みであるため、間合い1での攻撃手段が豊富なライラをBANしました。

 剣鋸は非常に攻撃力が高い組み合わせですが、間合い0~1に潜られると攻撃とオーラの両立が難しくなります。
 剣鋸自体にオーラを増やす手段はそれなりにありますが、『散華刃』『反乱撃』は間合い2~3への離脱が必要で、『血晶乱流』は間合い1ではほとんど仕事をしません。加えて、『金屑纏い』フレア裂傷も『獣爪』『Waving Edge』という裏目があるので難しいです。

 このような点を踏まえて、「継続的に間合い1に潜り、相手の攻め手を薄くする」という方向性で構築を考えます。この時点で『Waving Edge』と使い回すための『流転爪』は確定で、『風走り』も、序盤に剣鋸の得意な間合い(2~3)を駆け抜けて間合い1に着地するために採用します。*1
 次に、剣鋸の攻撃(特に『紅刃』)を避けるために『Turbo Switch』を採用します。また、剣鋸のリーサルは概ね「手札1枚=1~1.5点」程度という感覚があったので、伏せ離脱を強要するために『円環輪廻旋』も採用します。
 また、剣鋸は一気にライフダメージを受けると『ハドマギリ』以外でフレアを吐きづらく、『ウバラザキ』再起が難しいという弱点があります。カード更新前は『理』である程度は誤魔化せましたが、カード更新後はこの弱点がより顕著です。*2この点を踏まえて、『Waving Edge』『獣爪』『風雷撃』『雷螺風神爪』あたりを絡めて一気に4点程度のダメージを与えることを目標に据えます。したがって、これらのカードの採用も確定です。
 最後にTransFormの必須パーツである『Steam Cannon』『BlackBox NEO』を採用すれば完成です。TransFormは一巡目の『Form:DEVA』着地はマストで、以降は一気にダメージを稼げそうなら『Form:KINNARI』も検討するつもりでした。

 最終的な構築は、以下のとおりです。

Waving Edge/Steam Cannon/Turbo Switch/獣爪/風雷撃/流転爪/風走り
BlackBox NEO/雷螺風神爪/円環輪廻旋

 桜花決闘は概ね想定通りに進行します。
 一巡目は、2.1. で述べた立ち回りで『Form:DEVA』にTransFormして、相手に間合い4を踏まれないように意識して動きます。

 二巡目は、『風走り』で一気に駆け抜けて間合い1に着地します。それからは『Waving Edge』も絡めて継続的に間合い1を維持して、離脱する相手に対してこちらは『Phi-Cycle』で集中力を得ることでテンポ・アドバンテージを稼ぎます。
 途中で『Waving Edge』『獣爪』『風雷撃』で一気に4点のダメージを与えたことで、『ウバラザキ』の使用回数を減らして間接的に自分のライフを守ることに成功します。それ以降は、『Turbo Switch』と『円環輪廻旋』を構えながらライフリードを維持して危なげなく勝利できました。

4. あとがき

 以上が新爪の記事になります。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

 新爪は、お互いの不足な点(爪が求めるリソースと大技耐性・新型が求める攻撃力)を補い合っている、非常に使いやすい二柱です。更新されたカードを試してみるのにうってつけの二柱だと思います。
 私はいい感じの三柱目を見つけられなかったのでボツにしてしまいましたが、新型が好きな方はぜひともベストフィットな三柱目を探してみてください。もちろん、使っていて非常に楽しい二柱なので、フリプでもおすすめです!

 考察の内容の関係の有無を問わず、気になった点やご意見、ご指摘などがございましたら、このブログのコメント欄か、私のTwitterアカウントまで持ってきてくださると、非常にうれしいです。
 この記事の画像は「ふるよにコモンズ/BakaFire,TOKIAME」から拝借しております。

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*1:中盤以降も、『棘縫い』で間合い1から3に動かれたときの返しに使う可能性がありますし、最悪、手札を伏せて纏う必要があるときに使えるだろう、という見通しを立てていました。

*2:これは余談ですが、新爪は3/1でクロックを刻む性質から『尸』に強く、テンポを取る戦い方からオーラを厚く持って初めて仕事をする『アブダグイ』にも強いです。『桑畑志水の死に所』についても、『雷螺風神爪』でフレアを調整してケアできます。

オフライン起源祭、2023夏ノ陣レポート!銃忍爪(ヒミカ/オボロ/ライラ)

 どうも皆さんこんにちは、白幕で『鐘鳴らし』を封殺して爆発したZicoです。

 今回は、8/20(日)の『オフライン起源祭、200夏ノ陣』で銃忍爪(ヒミカ/オボロ/ライラ)を宿して優勝したので、レポート記事を書きます。
 8月の時点で新しい起源戦のレギュレーションが公開されていますし、起源祭も終わったので旧起源戦の知見に対して強く興味がある方はほとんどいないと思います。それでも、メガミの相性的な話がネットの海に転がって困ることはありませんし、何より優勝レポートというものは書いていて気持ちが良いので、書き連ねたいと思います。

 構成は、選出を決めるまでの経緯から入って、その後に銃忍爪について簡単に説明をして対戦レポート、というものになっています。
 最後まで読んでいただけますと幸いです。それでは始めます。

1. 選出理由

 私が銃忍爪を選出した理由の前に、簡単に経緯と環境予想を説明します。なお、今回の起源戦環境はカード更新前後で全くの別物であるため、カード更新前については言及しません

 カード更新後の起源祭環境は、レンリとライラがトップメタであると予想しました
 レンリは『魚吊り』が更新されたことで全体的にフレアの余裕が増え、対応切札と攻撃切札の両立が容易になりました。ライラは『風雷撃』が更新されたことで、間合い1に潜る手段を用意すれば一方向のステップではケアできなくなり、リーサルを取りやすくなりました。
 したがって、『魚吊り』で間合い1に潜って『風雷撃』を当てながら『雷螺風神爪』の火力に変換できる爪衣(ライラ/レンリ)は起源祭環境で頻繁に見られると予想し、爪Xか衣Xに有利を取れることを前提に三柱を考えました

 初めは、レンリ対面で有利を取るべく銃爪面(ヒミカ/ライラ/カナヱ)を宿していました。しかし、実際は銃面の終幕の強度が足りず、レンリ側が適切に動くと勝てないと分かります。
 当時の関東では銃面を起源戦で使っている人がほとんどいなかったので、相手の動きの歪みにより勝てることは何度かありましたが、起源祭には持ち込めない印象でした。

 この辺りで、某氏から「銃爪面を宿すなら、銃忍爪で良いのでは?」という助言をいただきました。ただ、当初の私はリザーバー3番で参加可能の通知もなかったので、「そうかな?確かにそうかも……」ぐらいの気持ちで話を聞いていました。

 そして、起源祭当日の8/20(日)の朝9時頃、繰り上げ通知のメールを受信します。

 このタイミングで、今更ながら銃忍爪の忍衣対面を全て一人回しをしたところ、丁寧にプレイすれば比較的有利を取れそうという直感が得られました。
 銃忍爪はどの組み合わせでも、相手の偽証によってブレが生じづらい三柱である、という点も選出の理由の一つです。(詳しくは後述します)
 さらに、銃忍爪はどれも明確な勝ち筋を持っており、三拾一捨・眼前構築・桜花決闘を通じて迷う余地が少ないです*1そのため、当日は少ない練習時間にも関わらず致命的なミスはしなかったと思います。

 これらの理由から、私は銃忍爪を起源祭に持ち込むことにしました

2. 銃忍爪の概要

 ここでは、簡単に銃忍爪の主な主張を紹介します。

2.1. 銃忍

 銃忍の最も強い主張は、『壬蔓』と『ヴァーミリオンフィールド』によるレンジロックです。毎ターンの『ヴァーミリオンフィールド』に加えて、設置『忍歩』+『誘導』や『バックドラフト』によるリソース破壊を組み合わせることで、前進以外の移動手段を持たないメガミの大半に有利をとれます。
 具体的な構築は、以下の記事を参考にしてもらえたらと思います。

hikari-fryn.blogspot.com

 レンリ対面における銃忍の強みとしては、相手のオーラを恒常的に攻撃することで、偽証『魚吊り』を使用する隙を与えない点が挙げられます。それにより、相手の偽証の回数を減らし、間接的に『ルルララリ』に対する防御力に寄与します。
 余談ですが、銃忍にはレンジロックの他にも、設置『誘導』→『クリムゾンゼロ』→『バックドラフト』→『影菱』or『鋼糸』による4~5というリーサルを狙う型も存在します。
 以下の動画で実際にその構築が使われているので、興味がある方は参考にしてみたら良いと思います。

www.youtube.com

2.2. 忍爪

 忍爪の典型的な構築は、『壬蔓』と『雷螺風神爪』によるビートダウンです。従来は風雷ゲージに苦しむ場面が時折見られましたが、『虚魚』が更新されたことで、オボロのカードを伏せ札に戻して設置で再使用できるようになり、序盤から帯電解除をしやすくなりました

 レンリ対面における忍爪の強みは、『鋼糸』『風雷撃』『雷螺風神爪』のライフダメージへの圧力により相手に纏いを強要できる点です。レンリに余剰リソースを作らせないことで、偽証の回数を減らし、結果的にレンリ対面の偽証によるブレを最小限に留めることができます。

構築例
鋼糸/影菱/忍歩/誘導/獣爪/風雷撃/流転爪
虚魚/壬蔓/雷螺風神爪

 最も火力の出せる構築です。従来は序盤の風雷ゲージのために『呼び声』を積むケースが多かったですが、『虚魚』の更新により攻撃札を多く採用できるようになりました。
 序盤にオボロのカードを使用してから『虚魚』で伏せ札にして設置でも使用することで、1枚のカードから2回の帯電解除を行えます。これにより、『虚魚』更新前の約2倍の速さで風雷ゲージを稼げて、より早いタイミングで『風雷撃』を使えるようになります。

 大まかなコンセプトは以下の記事に記載されている内容とほぼ同じです。忍爪に興味がある方はご一読ください。

771hanabi.hatenablog.com

 小ネタとしては、『鳶影』+『風走り』があります。基本的に『月影落』を避ける場合にしか使いませんが、切札を全て見せるとノーケアで『月影落』を振られてしまうので、入れない場合でも警戒してもらえるように動きましょう。

2.3. 銃爪

 銃爪の主張は序盤の帯電解除のしやすさと、『クリムゾンゼロ』によるリーサル性能です。基本的には、一巡目にヒミカのカードで3~5点のダメージを稼いでから、『クリムゾンゼロ』→『バックドラフト』→4/3『雷螺風神爪』→4/2『風雷撃』による最大7点のリーサルを狙います。

 レンリ対面における銃爪の強みは、『クリムゾンゼロ』を絡めたリーサルにおける『魚吊り』への耐性の高さと、レンリの土俵(2/1や3/1によるライフの取り合い)の外でダメージレースを仕掛けられる点にあります。
 『ラナラロミレリラ』だけは唯一『クリムゾンゼロ』に対して使える対応札ですが、『バックドラフト』と『風雷撃』の両方を抱えておけば、必ず4/3『雷螺風神爪』か『風雷撃』をライフに通せるので、十分な打点を確保することができます。*2これにより、リーサルラインにさえ落としてしまえばあとは全てのリソースを宿しと纏いに回せばよく、極論全ての『嘘突き』と『都度打ち』をライフ受けしても問題ありません。

構築例
ラピッドファイア/マグナムカノン/バックステップ/バックドラフト/獣爪/風雷撃/流転爪
レッドバレット/クリムゾンゼロ/雷螺風神爪

 1T目に1前進、2T目に『レッドバレット』→『マグナムカノン』→『ラピッドファイア』→『バックステップ』→『バックドラフト』で3点を取ります。3T目以降は最低でも『バックステップ』は打って宿しと纏いを繰り返します。
 この時点で6回の帯電解除はできているので、リーサル時に『クリムゾンゼロ』→『バックドラフト』→『雷螺風神爪』→4/2『風雷撃』と繋げられます。

 小ネタとしては、『風雷の知恵』で『ラピッドファイア』を戻して『バックステップ』で引き直す構築もあります。一巡目の3T目の手札に『マグナムカノン』『ラピッドファイア』『バックステップ』『風雷の知恵』を揃えることで、『レッドバレット』から計5点のダメージを稼げます。

 このように、ダメージを稼ぎながら風雷ゲージも稼げるので非常に強力なコンボですが、
(1)タイミングが明確なので、相手に読まれて対策されやすい
(2)そもそも、3T目に特定の4枚を手札に揃えられる確率は約93%で、7%ほどはマリガンで破綻する
といった欠点も存在します。この構築の場合、『呼び声』を採用して『天雷召喚陣』によるリーサルも狙えるそうですが、私は試したことがありません。多分強いです。ただし、銃爪で天雷を試みた関東の某ミコトは毒面に負けたそうです。

3. 対戦レポート

 ここからはZico満足のおまけ起源祭当日の対戦レポートになります。起源戦のレギュレーションが刷新されたため、参考になるのかは微妙ですが、せっかくなので全試合書いていきます。
 オフラインの対戦だったため棋譜があやふやな点はご了承ください。

3.1. 忍爪(銃) vs 忍衣(刀) (vs 十五夜草さん)

 初戦は十五夜草さんでした。私が始めたばかりのころにフリプ会で対戦したことがあり、その際はホノカを使われてボコボコにされたことから、勝手にホノカ様を宿すのに慣れているミコトなのかな?と認識しています。(違っていたらゴメンナサイ)

3.1.1. 双掌繚乱

 対面する三柱は刀忍衣(ユリナ/オボロ/レンリ)でした。『魚吊り』の更新で全体的に焦点間合いが更新前より2に近づいていることを踏まえると、薙銃忍(サイネ/ヒミカ/オボロ)などのレンジロック三柱のケアを切れば、『誘導』からの『天音揺波の底力』を主張に持つ刀忍は妥当性があります。

 刀忍が含まれる時点で忍爪対面を想定していると思われたので、従来の検討通り忍衣を返すことにしました。マッチアップは、予想通り忍爪 vs 忍衣となりました。

3.1.2. 眼前構築

鋼糸/影菱/忍歩/誘導/風雷撃/流転爪/呼び声
虚魚/壬蔓/雷螺風神爪

 一人回しでは『風走り』を採用していましたが、忍衣が『魚吊り』を偽証するとオーラを構えるために前進をする展開になり、結果的に不要だと分かりました。すでに打点は十分に確保できていたので、後ろで膠着状態になってもすること(=ゲージ確保)があるように『呼び声』を採用しました。*3

 忍衣の主な打点は『ルルララリ』と『御劔桐子の巫女神楽』です。前者は適正距離が0-10のため忍爪の対応では防ぐことができず、後者は『鳶影』を構えてまで対応するのは割に合わないと判断して、最も火力が出る切札構成にします。

3.1.3. 桜花決闘

 桜花決闘としては、初手の『魚吊り』を反証して失敗したところを『煽り殺陣』で咎められ、出鼻をくじかれた展開でスタートします。その後、再び偽証された『魚吊り』と『都度打ち』を反証して失敗し、『壬蔓』と宿しから『ルルララリ』を使われます。
 この時点でお互いのオーラが薄い状態で間合いが前になるというノーガード状態になり、『影菱』ケアも兼ねてお互いに手札0枚から引き撃ちし合う展開になります。

 二巡目に、お相手が『虚魚』を展開した返しに、こちらも設置攻撃に繋げられるよう『虚魚』を展開します。その結果、お相手が致命傷を避けるために『忍歩』で間合い0に移動し、『影菱』ケアで手札を全て伏せて纏います。
 この時点でお相手の切札が全て見えて、かつ手札も0枚だったため、以降の偽証は基本的に反証しないことに決めます。『誘導』と『忍歩』で間合い0→2に移動してから『影菱』を当て、『雷螺風神爪』でオーラを削って相手の攻め手を緩ませようとします。

 これ以降は概ねこちらの意図したゲーム展開となり、偽証を全て通してもリーサルを取られないことを十分に計算したうえで立ち回り、『風雷撃』と『雷螺風神爪』を揃えてリーサルを取ってゲーム終了でした。

3.2. 銃爪(忍) vs 忍衣(爪) (vs MMさん)

 二戦目はMMさん、初めて対戦する方(違っていたらゴメンナサイ)だったと思います。対戦前に軽く雑談していたら、どうやら非電研から来たとのこと。以前に某氏が「起源戦の研究が現状では非電研が最も進んでいる」「非電研から3人ぐらい起源祭にやってくる」という話を聞いていたので、この時点でかなり緊張していました。

3.2.1. 双掌繚乱

 お相手の選出は忍爪衣、関東では「忍爪衣が一番安定する」といった言説をよく耳にしていたので、選出自体に驚きはなく、むしろ「強い人は忍爪衣をやっぱり持ち込んでくるんやな~」と納得感がありました。

 ただ、一戦目と同様に検討済みのマッチを引けたのは悪くありませんでした。こちらは検討どおりに忍衣を返します。

 返ってきたのは銃爪でした。お相手のレコシを見ると某銃のプロを倒しており、その際に返したのも銃爪だったとのこと。「うわマジか~」と思いましたが、知らない動きをされないことを祈りながら検討通りの構築をぶつけることにします。

3.2.2. 眼前構築

ラピッドファイア/マグナムカノン/バックステップ/バックドラフト/獣爪/風雷撃/流転爪
レッドバレット/クリムゾンゼロ/雷螺風神爪

 一人回しで試した構築そのままです。忍衣だと『惹き騙り』で一気に前に詰められる可能性があるので、『風雷の知恵』と『ラピッドファイア』のコンボは断念して代わりに前でクロックを稼げるように『獣爪』を採用します。

 リーサルについては、上述したように『クリムゾンゼロ』から『バックドラフト』4/3『雷螺風神爪』か『風雷撃』を当てることで最低4点リーサルを狙います。

3.2.3. 桜花決闘

 一巡目は、『レッドバレット』『マグナムカノン』『ラピッドファイア』で3点取りながら『バックステップ』でしっかり後ろに下がってフレアをゆっくり構えようとします。
 しかし、お相手の偽証を手なりで反証したところ失敗し、『ルルララリ』を顔面で受ける展開になります。こいついっつもルルララリ食らってんな。

 その後、設置『鋼糸』をケアするべく丁寧に後退して致命傷だけは避けていたところ、お相手のライフが6・フレアが2の状態で『獣爪』『風雷撃』『バックドラフト』を引き込みます。
 この時点で『夜山恋離のなれの果て』と『ルルララリ』が見えていたことから、相手の最後の切札は『ラナラロミレリラ』と決め打ちます。「手なりでライフ受けしてくれないかな~」とバレないようにさり気なく『獣爪』を振ったらライフに通ったので、『クリムゾンゼロ』から『バックドラフト』で4/3『風雷撃』を顔面に通して6点リーサルを決めて勝利です。

3.3. 銃忍(爪) vs 忍衣(爪) (vs ますたーさん)

 三戦目の相手はますたーさん、ここまで来ると周囲の上位卓には知ってる人しかいなかったので逆に安心してきます。(内弁慶のため)

3.3.1. 双掌繚乱

 お相手の選出は忍爪衣で、そろそろ自分のマッチ運の良さを自覚します。これにより、「積むべきは徳ではなくお得」という謎のフレーズが誕生しました。

 お相手の様子からして銃忍返しなのは若干透けていましたが、かといってこちらのBANが変わるわけでもないので、検討通りに忍衣を返します。マッチングは予想していたように、銃忍 vs 忍衣となりました。

3.3.2. 眼前構築

シュート/ラピッドファイア/マグナムカノン/バックステップ/バックドラフト/忍歩/誘導
スカーレットイマジン/ヴァーミリオンフィールド/壬蔓

 何の捻りもない銃忍のレンジロック構築です。一人回しをする前は「『ラナラロミレリラ』の上から勝てるわけないだろ~」と半信半疑でしたが、試してみたら意外と道中の通りがよく、『ラナラロミレリラ』で『マグナムカノン』が抜かれてもリーサルを取り切れるぐらいには何とかなることが判明します。
 加えて、意外と中盤のオーラ圧があるので偽証『魚吊り』をされずらく、ヌルっと勝てるという結論になりました。

 普段は地べたビートダウンの大ファンなので、このような陰キャのカスレンジロックは握らないのですが、変なミスをしないように気をつけながら頑張ることにします。

 余談ですが、このとき
ますたーさん「Zicoさん何時間検討しました?」
Zico「1時間ぐらいですね~。でも、銃忍vs忍衣は20分だけなので実質20分です」
ますたーさん「それなら私は銃忍爪の対面検討なんてしてないので0分です」
と2-0卓とは思えない謎の張り合いをしていました。なお、横にいた某ミコトは横から治安の悪いガヤを飛ばしすぎたせいでジャッジに窘められていました。

3.3.3. 桜花決闘

 初手は『煽り殺陣』で萎縮しても間合い8を踏めるように1前進からスタートして、後手1でお相手が2前進してきたので、『壬蔓』→『マグナムカノン』→『バックステップ』→『ラピッドファイア』→『シュート』→『ヴァーミリオンフィールド』とフルセットを決めて後ろに下がります。
 そうすると、返しのターンに『夜山恋離のなれの果て』を展開されます。「再構成ダメージを誤魔化すのか~なるほど~」と思っていたところ、次の次のターンで設置から『生体活性』を使われて一気に前進されます。

 この辺りで『壬蔓』と『ヴァーミリオンフィールド』のコンボが一瞬だけ崩れますが、そこからは相手の手札が少ない状態が続き、『都度打ち』を綺麗に使われないように丁寧に後退もして間合いを管理します。
 最終的には、6vs2程度の十分なライフ差を付け、『ラナラロミレリラ』を切られながらもこちらが死なない盤面を作り上げて勝利しました。

3.4. 銃忍(爪) vs 爪衣(銃) (vs キリカさん)

 四戦目は欺瞞の霧キリカさん、2-1からじゃんけんで勝ち上がった枠でした。

 キリカさんとオフで対戦するのは初めてでしたが、熱帯では何度か対戦したことがあり、特にS7ではレンリにボコボコにされまくっていたのでかなり苦手意識が強いミコトです。正直、私が今回の起源祭でレンリ対面を強く意識したのはキリカさんに植え付けられたトラウマといっても過言ではありません。

 一緒に検討したこともある方なのでどこかでオフの対戦もしたいとは思っていましたが、「この場面じゃないよぉ~」と思いながら対戦していました。

3.4.1. 双掌繚乱

 お相手の選出は銃爪衣(ヒミカ/ライラ/レンリ)……いや銃衣って何!?!?!?この時点で相手にしたくないオーラが漂っています。

 最初は私怨による銃爪返し(レンリBAN)や、明らかにボトムっぽい銃衣返しを考えますが、銃忍がヒミカミラー激弱である点を踏まえて、ヒミカ絶対BANの鋼の誓いは破るべきでないと再認識させられます。
 結局、相手の得意な組み合わせを返す羽目になりたいへん癪ですが消去法で爪衣を返すことにして、予想通り銃忍が返ってきました。

3.4.2. 眼前構築

シュート/ラピッドファイア/マグナムカノン/バックステップ/バックドラフト/忍歩/誘導
スカーレットイマジン/ヴァーミリオンフィールド/壬蔓

 三戦目と全く同じ構築です。爪衣は忍衣よりも『風走り』の分だけ前に移動しやすいので『鋼糸』を入れるか悩みましたが、『忍歩』がないと間合い1から『魚吊り』をケアして『ラピッドファイア』にまで繋げるのが難しく、『誘導』がないと序盤の打点が1~2点ほど落ちる可能性があると考え、結局変えないことにしました。

3.4.3. 桜花決闘

 一巡目に『壬蔓』で相手のオーラを3にしてから『シュート』をライフ受けを迫り、その後に『誘導』で『マグナムカノン』『ラピッドファイア』を使うことで一気に5点取ることに成功します。しかし、ここに『円環輪廻旋』を使われたことで焦点間合いは前となり、『都度打ち』でライフを取り返される展開になります。
 この時点でお相手の帯電解除が全て雷であったことから切札は『天雷召喚陣』『円環輪廻旋』『ラナラロミレリラ』の3枚でほとんど確定します。

 『円環輪廻旋』と『惹き騙り』、『呼び声』の萎縮によって十分なレンジロックが決まらず、『都度打ち』と『魚吊り』の偽証によって雷ゲージが7~8ぐらいまで上がっていきます。
 しかし、お相手もリーサルを取るためにはもう一度『呼び声』を使う必要があるため、『呼び声』を使われた返しにリーサルを取るために必要なターン開始時間合いとギリギリ死なないオーラを考慮して、細心の注意を払いながら離脱と纏いでお茶を濁します。

 最終的には、お相手がオーラ4で『呼び声』を使用するターンが訪れ、設置『忍歩』で無理やり後退リソースを誤魔化してから『スカーレットイマジン』→連火『バックドラフト』→『ヴァーミリオンフィールド』→『ラピッドファイア』と丁寧に手札のキーカードを落としたうえで『ラナラロミレリラ』を切らせ、『スカーレットイマジン』から『マグナムカノン』を引き撃ちしてリーサルでした。
 『ラナラロミレリラ』でキリカさんに『シュート』と『忍歩』を見せたときの「謀ったな!」が面白かったです。

3.5. 忍爪(銃) vs 刀薙(忍) (vs うーさん)

 最終戦はうーさん。メタを俯瞰しながら自分なりの三柱を持ち込む印象がある方なので、愚直にトップメタを宿すしか能の無い私からするとあまりマッチングしたくない印象がありました。

3.5.1. 双掌繚乱

 お相手の選出は刀薙忍……どうしてこの期に及んで刀忍が駆逐されていないのかと、頭を抱えます。

 銃爪を返されると刀忍以外には勝てなさそうであるにも関わらず、忍爪を返されると刀忍には絶対勝てないので困りました。
 しかし、お相手のBANが5秒程度で決まっており、途中で忍爪と対戦していたことを踏まえると返ってくるのは忍爪であると予想できたので、忍爪が最も倒せそうな二柱を考えることにします。
 脳内検討の結果、「刀薙を返してダストを枯らせば『斬』に『誘導』でライフを守れて、『気炎万丈』もケアできる」という結論に至ったため、最終的には刀薙を返すことにしました。

 マッチングは予想通り忍爪vs刀薙でした。ぶっちゃけ、この時点で景品がもらえることは確定していたので、変なミスをしないことにだけ気をつけてフラットな気持ちで対戦に臨みます。

3.5.2. 眼前構築

鋼糸/影菱/誘導/獣爪/風雷撃/流転爪/風走り
鳶影/虚魚/雷螺風神爪

 以前に刀毒vs忍爪で負けたときに、相手の忍爪が組んでいた構築を思い出しながら構築します。『風走り』は『鳶影』と合わせて相手に意識させるために絶対であり、『鳶影』が構えられている間にリーサルを取れている必要があることから可能な限り攻撃札を採用します。

 頭の中のイメージとしては、『鋼糸』と『風雷撃』で相手のオーラを削りながら『風走り』で間合い1を踏むことで、相手の攻撃と十分な纏いの両立を防ぎ、対応としての『誘導』をアクティベートさせます。
 『虚魚』は表で使用した『鋼糸』と対応で使用した『誘導』を伏せ札に送って、設置で『誘導』から攻撃に繋げるという使い方を目指します。

3.5.3. 桜花決闘

 一巡目は、『風走り』で一気に間合い3へと着地することで後退から『薙斬り』を振らせて、『誘導』で対応してライフを守ることに成功します。
 そして、設置『鋼糸』を当てることで相手に『誘導』ケアの纏いを強要します。この時点で相手の『圏域』が見えたことで一旦は攻撃6枚+『圏域』で相手の構築を決め打ちします。

 『虚魚』展開後は『誘導』で前に詰めながら『鋼糸』を当てることで相手の得意な間合いから離れ、『氷雨細音の果ての果て』や『衝音晶』を見てからでも適切に反応できる*4ことを心がけます。
 この段階で『鳶影』のフレアは確保できたので、『風走り』を引くまでは『月影落』ケアで『一閃』をライフ受けして、『風走り』を引いてからは死なないかつ復旧できる程度のオーラ受けを意識します。

 最終的には、相手がしゃがんだ隙に『鳶影』で『影菱』を使って相手の『石突き』をはたき落とし、『浦波嵐』『音無砕氷』両採用以外であればリーサル(≒両採用なら相手はリーサルを取れない)を確認したうえで『獣爪』『風雷撃』『雷螺風神爪』でリーサルでした。

4. あとがき

 起源祭2023夏ノ陣のレポートは以上となります。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
 やはり、マッチング相手に運の要素が絡む一戦目から三戦目にかけて、検討マッチである忍衣Xと当たり続けたことが非常に大きかったように感じます。

 加えて、数ヶ月前という比較的直近の時期にカード更新が入った点も大きかったと思います。カード更新によって、それまでの起源戦の経験値の差が縮められ、入念な対策をされることなく本番に臨めた点も大きかったと思います。

 ふるよにというゲームは、山札が7枚しかないことから再現性が高く、検討量の差を本番で覆すというのが非常に難しいゲームだと思います。それでも、大会に参加しさえすれば誰にでも勝てる可能性がある、というのを今回の起源祭では強く感じました。あくまで今回の優勝はお得を積み重ねた結果なので、慢心せずにこれからも検討していきたいですね。

 最近、より多くのお得を積み重ねるために"ライラ"が含まれている曲を探しています。何かいい曲があったら教えていただけますと幸いです。それでは!ノシ

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 考察の内容の関係の有無を問わず、気になった点やご意見、ご指摘などがございましたら、このブログのコメント欄か、私のTwitterアカウントまで持ってきてくださると、非常にうれしいです。
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*1:しかし、これはどうしても勝てないマッチの存在と不可分です。実際、私はこの三柱を選出するにあたって銃毒橇(ヒミカ/チカゲ/コルヌ)などの不利マッチのケアは切りました。

*2:このとき、『クリムゾンゼロ』に『バックステップ』を対応で使われると、『クリムゾンゼロ』が外れるうえに相手の手札が5枚になってしまうので絶対にケアしてください。

*3:ただし、結論から言えば『獣爪』で良かったと思います。

*4:氷雨細音の果ての果て』を受けた場合でも即座に纏えるようにするには切札から攻撃に使うようにしたうえで、最低でも3纏い程度のリソースは残す必要があります。『衝音晶』も同様で、返しのターンの『天音揺波の底力』をケアするには、リーサルターンを除いて間合い4まで移動するためのリソースを用意する必要があります。

オンライン起源祭、2022冬ノ陣レポート!剣算鋸(カムヰ/アキナ/シスイ)

 どうもみなさんこんにちは、『反乱撃』に対応『斬り払い』で1纏いケアのZicoです。今回は、1/22(日)の『オンライン起源祭、2022冬ノ陣レポート』のレポート記事を書きました!

 結果は剣算鋸を選出して、5-0で優勝でした。準備不足は否めませんでしたが、最後まで集中してプレイできたことと、山札を引く右手が光り続けたことでなんとか勝ち上がれました。

 このようなレポート記事は鮮度が大事だとCoZi記にもあるので、さっそくですが書き始めます。構成は「選出理由→BAN基準→対戦レポート(双掌繚乱・眼前構築・桜花決闘)」です。ぜひ、最後まで読んでいただけると幸いです。

1. 剣算鋸について

1.1. 選出理由

 簡潔に述べると、「足切り性能の高さ」です。

 アキナによって対応範囲が広く*1、高い地力を持ちながら明確な弱点がありません。剣鋸はとにかく主張が強く*2、三柱でメタるのは難しいです。
 したがって、出力が一定以下の二柱に対して基本的に有利を取れます。これが、私が剣算鋸を選出した最も大きな理由です。

1.2. BAN基準

 最優先でBANしたいメガミはカムヰです。理由は、剣算も算鋸も『ハドマギリ』『切取法』といった行動の切札を打点の軸にして構築を組むため『理』が重いからです。さらに、カムヰの攻撃を耐え切れるほどの防御力は持っていません。
 対して、算Xと鋸XはX次第で返せます。それでも、
・剣算と剣鋸と絡鋸と傘櫂は絶対に返さない
・傘算は傘算剣以外では返さない
・傘鋸は傘剣鋸以外では返さない
・算鋸は剣算鋸と傘算鋸以外では返さない ・銃傘は銃傘櫂以外では返さない
・残りの算Xおよび鋸Xは推定ボトムなら返す
ぐらいは事前に決めていました。アキナ対面ではオーラ補充手段の確保*3と『切取法』の計算に気をつけて、シスイ対面では『手打表』や『理』を使って相手の攻撃を最小限のダメージに抑えることを意識します。

 余談ですが、ユキヒは単体ではそこまで不利ではないと思っています。なぜなら、アキナ対面のユキヒは『算法』で『ゆらりび』が当たらないため『はらりゆき』によるクロックを狙ってくることが多いのですが、その場合は『恫喝』が-/1になりやすく、終盤は資本差がついて『切取法』によるリーサルが狙いやすいので、少なくとも打点には困りません。
 剣鋸が返ってきたときも、『ゆらりび』への回答がない点は苦しいですが、ユキヒ単体ではライフを5以下まで削るのに時間がかかります。対して、こちらは『血飛沫』を挟んで攻撃することで『くるりみ』を無効化でき、シスイのカード全般が『ひきあし/もぐりこみ』に強いです。
 したがって、世論で言われているほどの相性差はないと思っています。まあ、環境にいる傘Xは大体強いので返せない場合のほうが多いですけどね(笑)

 明確な不利対面は傘剣鋸と銃傘櫂でした。傘剣鋸対面は剣算鋸にとって不利なBANじゃんけん*4で、銃傘櫂は剣鋸に三面有利です。しかし、傘剣鋸は
・ミラーマッチの練度に自信なし(検討サボり)
・書兜X(X=傘or算盤)で傘剣をメタられそう(未検証)
・傘鋸が絡によってメタれるらしい(未検証)
といった理由で宿しませんでした。銃傘櫂は、そもそも練度が足りないので最初から選択肢には入れていません。(検討サボり)

 上記をふまえて、最終的な選出は剣算鋸にしました。傘剣鋸は傘鋸を返してドローの神様に祈って、銃傘櫂は銃傘を返してドローの神様に祈る予定でした。

2. 対戦レポート

 ここから対戦レポートですが、せっかくの優勝レポートなので積極的に『*』で補足を入れています。これらは全く読まなくても話の流れを追えるように作っています。腰を据えて読む気力があるときに、興味のある部分だけをピックアップして読んでもらうと良いかと思います。

2.1. 剣算(鋸)vs扇鋸(薙) (vsもっちさん)

2.1.1. 双掌繚乱

 初戦は、薙扇で任意の剣Xを抜ける宣言で有名なもっちさんです。(該当ツイートを載せるか悩みましたが、さすがに無許可で載せるのは†アバれ†と判断して取りやめました)

 お相手の選出は薙扇鋸で、第一印象は「知らね〜〜〜!!」でした。

 剣Xが返ってくるなら切札に行動札が多く『理』で完封できそうな薙鋸一択ですが、だまし討ちで算鋸が返ってきたら「オーラ裂傷→『響鳴共振』→『ウバラザキ』→『ハドマギリ』」でお陀仏しそうです。ぶっちゃけ、剣鋸か剣算はどれを返しても勝負になると思ったので、算鋸が返ってくる場合を想定して脳内で一人回しをして、
・『恫喝』に『薙切り』で対応されない
・間合い5より後ろで攻撃が飛んでこないので、一巡目にライフ回収*5を成功させやすい
・『ウバラザキ』に対する『氷雨細音の果ての果て』ケアが不要
・扇鋸ならオーラを増やす手段が基本動作意外にほとんどなく*6、『直接金融』とオーラ回収でイジめたら、オーラがボロボロになって押し勝てそう
・『桑畑志水の死に所』が入っている扇鋸は鋸以外の打点が薄くてフェアデッキっぽい*7し、『千歳の鳥』も『手打表』があればギリ耐えられるはず
といった理由でサイネをBANして扇鋸を返します。お相手はシスイをBANして、剣算を返してきました。

2.1.2. 眼前構築

 実は、扇鋸と対戦するのは初めてなのですごく緊張しました。それでも、扇鋸の強い動きを必死に考えて、このような構築を組みました。

紅刃/散華刃/四剣乱刃/算盤玉/恫喝/投機/直接金融
開方冥式切取法/大衍算顆手打表/源上安岐那の御明算

 切札はノータイムで『切取法』『手打表』『御明算』です。『御明算』のオーラ回収で相手に伏せ纏いを強要して、『ハドマギリ』は『手打表』でケアして、リーサルは『切取法』に対応を切らせて『紅刃』で取る……というゲームプランです。
 また、シスイ対面では裂傷解決前は常にオーラ5を構えることが重要である*8ため、『直接金融』に加えて『投機』を採用します。

 『算盤玉』は『無窮ノ風』で落とされないので採用しました。『算法』は一巡目の折衝のために採用したい*9のですが、二巡目以降は基本的にシスイの攻撃への対応札としては機能しないので外しました。『恫喝』は一巡目の折衝と、『紅刃』に『詩舞』を打たれたときに使います。『雅打ち』や『反乱撃』で-/0になる*10と渋いので、気をつけることは意識していました。

2.1.3. 桜花決闘

 桜花決闘では「棋譜棋譜の解説」という構成にしています。気になる方は、シミュレーターなどで盤面に起こしてください。棋譜を書くのは初めてなので、読みづらいと思われます。なにか参考になりそうな資料などがあったら教えてください。

2.1.3.1.棋譜

もっちさん:薙扇鋸→扇鋸(薙)
ジーコ:剣算鋸→剣算(鋸)

先手:もっちさん(扇鋸)
後手:ジーコ(剣算)

先手1T目
2宿し(手札2枚)

後手1T目
1宿し1前進(集中1・手札1枚)

先手2T目
3前進(集中1・手札2枚)

後手2T目
『直接金融』

先手3T目
『徹底抗戦』→オーラ裂傷
【攻撃後】オーラ裂傷

後手3T目
オーラ投資(『直接金融』)
算盤玉→オーラ受け
【攻撃後】フレア回収
『源上安岐那の御明算』
『投機』(ダスト→2→自/オーラ)
後退纏い(集中1・手札1枚)

先手4T目
再構成
4前進1宿し(集中1・手札3枚)
『ウバラザキ』→ライフ裂傷
『反乱撃』→オーラ裂傷
『ハドマギリ』(相/オーラ、自/フレア)→{対応『大衍算顆手打表』→ライフ受け}→オーラ受け
『ウバラザキ』再起

後手4T目
再構成
禁忌『散華刃』
禁忌『紅刃』
前進纏い(集中1・手札1枚)

先手5T目
『ウバラザキ』ライフ裂傷
『雅打ち』ライフ裂傷
纏い(集中1)

後手5T目
フレア投資(『源上安岐那の御明算』)
ライフ回収
全力化『四剣乱刃』→オーラ3ライフ1

先手6T目
『金屑纏い』オーラ裂傷
『ウバラザキ』再起

後手6T目
再構成
纏い(集中1)
『開方冥式切取法』→ライフ2点
離脱後退(集中1・手札1)
禁忌『散華刃』
『恫喝』→{対応『反乱撃』→ライフ受け}→ライフ受け

2.1.3.2.棋譜解説

 こちら側が後手となり、この時点で少し悲しい気持ち*11になります。初手は『算盤玉』『投機』『紅刃』で、後手3ターン目の折衝で『算盤玉』と『投機』を使いたいので、『紅刃』を上にしてマリガンします。

 ★★★直接金融ボトム★★★

 まさに泣きっ面に蜂ですが、先手1T目は2宿し。後手1T目は、オーラ1なら『直接金融』は打たないという顔で後手1T目は1宿しと1前進で手番を終えます。
 その後、先手2T目は3前進でリソースを使い切って、次のターンに『徹底抗戦』を使う雰囲気を出してきます。間合い8まで後退すれば一応避けられますが、後手2T目は『直接金融』でオーラ2つを奪います。
 先手3T目は想定通り『徹底抗戦』だったのでオーラ裂傷を選び、ここで動き方を考えます。(下の画像は『徹底抗戦』によるもっちさんのオーラ裂傷がありません。あとで直します。)

後手3T目の盤面再現(手札は想像です)

 先に、私が考えるダメなパターンをご紹介します。
*12『直接金融』オーラ投資→フレア回収→『御明算』→集中前進→『算盤玉』集中力→集中纏い→『恫喝』-/1
・『直接金融』オーラ投資→集中前進→『投機』(ダスト→2→オ自/オーラ)→『恫喝』-/1→『算盤玉』ライフ回収
 このように動くと、先手4T目に「集中2前進→伏せ前進→『ウバラザキ』→『刻み刃』→『金屑纏い』オーラ裂傷→『ハドマギリ』→『反乱撃』」といった連続攻撃を受ける可能性があり、『手打表』の上からライフを4~5点取られてしまいます。さらに、『手打表』の2/0をライフ受けされると後手4T目の開始時の相場が2になってしまい、ダストで投資できないので回収できる保証がありません。こうなると、攻撃札を伏せて纏うことを強要され、そこに『徹底抗戦』を受けるとライフを取り返せないので敗色濃厚です。
 つまり、この場面で『恫喝』でライフを取りに行く動きはダメです。これは、過去の恐鋸対面の経験*13が功を奏しました。

 ここまでを踏まえて、私は棋譜のように間合い7で手番を返すことにしました。『直接金融』オーラ投資から即座にフレア回収をしていないのは、『算盤玉』にオーラ圧を出すため*14です。『算盤玉』によるフレア回収で、相手は『算法』のケアと『ハドマギリ』を両立できる動きは「4前進1宿し→『ウバラザキ』→『反乱撃』2/2+1纏い→『ハドマギリ』」しかなく、この場合は最後のハドマギリに『手打表』で対応すれば、ライフダメージは『手打表』の攻撃後効果を含めて2点まで抑えられます。*15

 ここまでが私の想定で、手番終了時の盤面はこのようになりました。実際には、『恫喝』を振ったら直感的にやばそうなので、後退する方向性で相手の基本動作の回数を計算していました。あと、もっちさんは過去の桜花決闘から上振れを狙うよりもステップ対応などを着実にケアするミコトの印象があったので、手札は1枚残して『算法』を意識させました。

先手4T目の盤面再現(手札は想像です)

 二巡目以降はこちらにとって都合がいいようにゲーム展開が進みます。お相手が先手4T目に上述の動きをとり、後手4T目にこちらはトップから『紅刃』と『散華刃』を引き、両方を禁忌ゲージ使用から叩きつけて3点取ります。
 これにより、お相手は『ウバラザキ』を再起させるためにオーラ3以下で手番を返す必要があり、ここまで来れば『桑畑志水の死に所』で『切取法』のフレアを吸われる心配もほとんどなくなります。『紅刃』と『散華刃』を当てたあとは、手札と集中力を使って間合い2オーラ3*16で手番を返します。

 先手5T目は、1つ前のターンにリソースを使い切っているため『ウバラザキ』と『雅打ち』でライフ裂傷を2つ稼いで、1纏いで手番を返してきます。後手5T目の私のオーラは3で相場は『ウバラザキ』ライフ裂傷の解決により3になっているため、ライフ回収は確定していました。そのうえで、『御明算』の効果による1宿しをするか考えていました。
 『御明算』で1宿しをすると、ライフ回収によってオーラが3になり、『直接金融』や『投機』で宿しで空いたオーラを補充できます。対して、『御明算』で1宿しをしないと、ライフ回収によってオーラが4つになるので、かなり安全*17に全力化『四剣乱刃』を使用できます。
 悩んだ結果、私は『御明算』で宿さず、トップから引いた『四剣乱刃』を全力化で使用しました。いま冷静に計算してみると、オーラ3で手番を返したうえで、相手が理論値を出してもこちらのライフは1点だけ残り、その場合は『切取法』だけでリーサルを取れるので、当たり札を増やすという意味でも*18『御明算』で宿すべきだったみたいです。(最後までドヤ顔したかったんですが……悲しいね)

 先手6T目は再構成から『金屑纏い』でオーラ裂傷を選択し、『ウバラザキ』を再起させます。

後手6T目(開始フェイズ前)の盤面状況

 さすがにフルリソースとなると、「『反乱撃』→『千歳ノ鳥』→『鋸斬り』+『雅打ち』+『ウバラザキ』+『刻み刃』」と理論値を叩き出されたときに耐えきれない*19ので、ここでリーサルを取りに行くことを検討します。
 ひとまず、このままボトムの『算盤玉』と『投機』を引いてもリーサルは絶対に存在しません。遅くても先手8T目まで*20には『切取法』でリーサルが取れると判断したため、ここでは再構成を行います。  私は『散華刃』と『恫喝』を引き、当時の私の計算では、『詩舞』がなければ「集中纏い→『切取法』→集中離脱→伏せ後退→禁忌『散華刃』→『恫喝』」でリーサルを取れた*21ので、『切取法』を開けてツッパして勝ちました。

 最終的な勝因は先手4T目の『算法』ケアじゃんけんに勝利したことと、後手4T目と5T目で引きたいカードをきちんと引けたことです。非常に胃がキリキリしましたが、頭はそれなりに冴えていたみたいで少しだけ安心しました。

2.2. 剣鋸(算)vs書兜(傘) (vsいずさん)

2.2.1. 双掌繚乱

 2戦目の対戦相手は、「困ってますの……」で有名なミズキ様のミコト、いずさんです。起源戦の大会当日に選出メガミで悩んでいると、問答無用でミズキ様をオススメしてくるので気をつけましょう。(0敗)

 そんないずさんの選出は傘書兜でした。いずさんが傘書兜を練習しているのは娯楽屋の大会の結果から知っていましたが、まさかマッチングするとは思っていなかったので笑いました。いや笑えんわ、困ってますの〜!!

 BANの決定ですが、お相手目線では書兜がアキナに不利*22なので、アキナをBANして剣鋸を返すはずです。その場合、傘書を返すと『立論』2/-からの『ゆらりび』に対する術がなく、こちらの攻撃も満足に通る確証が持てないため、ミズキBANは真っ先に候補から除外します。

 最終的には、書兜を返すことにしました。理由は『ゆらりび』がない分オーラを薄くして『ウバラザキ』を無理やり閉じる動きが許されやすく、『森羅判証』に対して『桑畑志水の死に所』が圧力になると考えたためです。お相手は、こちらの想定通り剣鋸を返して、予想通りのマッチングとなりました。

2.2.2. 眼前構築

 書兜は、以前いずさんとの起源祭の検討で薙書兜と何度か対戦したことがあり、『森羅判証』と『騎兵』を合わせた構築は、人並みに知っていました。

 兜を倒すコツは、対応した場合の裏目を作って、手札の対応札を腐らせながら攻撃をライフに通すことです。最終的には、このような構築になりました。

散華刃/四剣乱刃/棘縫い/血飛沫/刻み刃/反乱撃/金屑纏い ハドマギリ/ウバラザキ/桑畑志水の死に所

 書兜の弱点は、オーラダメージを減らす対応札が『盾兵』しかないことと、オーラを増やせるカードは『制圧前進』しか持っていないことです。したがって、相手のオーラを剥がし続けて纏いを強要し、攻撃の手を緩めてこちらのライフを守ることを意識します。

 まず、切札は『ハドマギリ』『ウバラザキ』『桑畑志水の死に所』で確定です。相手の妨害に強い『反乱撃』*23と、『詭弁』ケアで間合いに2に着地するための『棘縫い』も確定です。
 次に『反乱撃』と同じ適正距離で、『ウバラザキ』で裂傷化させられる『四剣乱刃』もライフに通りやすいため入りました。また『金屑纏い』は相手に対応させずに次のターンの攻撃を通しやすくする便利なカードで、『刻み刃』も『棘縫い』で対応不可(通常札)を付ければ近い動きができるので採用します。

 この時点で通常札5枚と切札3枚が決まったので、残った枠を考えます。『紅刃』は『反論』『煽動』『防壁』とあまりにも打ち消される攻撃札が多すぎるので真っ先に選択肢から除外します。最終的には『桑畑志水の死に所』を展開している間は禁忌ゲージを踏み倒せる*24点も考慮して、『反論』を使用されてもオーラダメージを与えられる『散華刃』と、採用しておくと何かと小回りが効く『血飛沫』*25を採用します。

2.2.3. 桜花決闘

2.2.3.1. 棋譜

いずさん:傘書兜→書兜(傘)
ジーコ:剣算鋸→剣鋸(算)

先手:いずさん(書兜)
後手:ジーコ(剣鋸)

先手1T
『制圧前進』(2前進・1徴兵)

後手1T
後退(手札1)

先手2T
2宿し(集中1・手札1)
『号令』

後手2T
2宿し(手札2)

先手3T
『引用』(『反乱撃』伏せ)
宿し(手札1)
『大手楯無門』

後手3T
『金屑纏い』(オーラ裂傷)
前進(集中1)

先手4T
再構成
前進(集中1)
『反論』→焦燥オーラ
纏い(集中1)
『騎兵』

後手4T
再構成
3前進(集中2・手札1)
『ウバラザキ』→{対応『煽動』(神算)}
『血飛沫』(禁忌+0)
『ウバラザキ』再起

先手5T
2前進(集中2)→『血飛沫』納-1
号令(集中1) 纏い(集中1) 『引用』(『反乱撃』使用→オーラ受け)
宿し(手札1) 『完全論破』(『反乱撃』)
『槍兵』→ライフ受け

後手5T
『ウバラザキ』→ライフ裂傷
前進(集中1)
『四剣乱刃』(禁忌+0・裂傷化)→ライフ裂傷
『ウバラザキ』再起

先手6T
再構成
『引用』(『刻み刃』使用→オーラ2裂傷)
纏い(集中1)

後手6T
再構成
『金屑纏い』(オーラ裂傷)

先手7T
離脱(集中1)
『号令』
『槍兵』→ライフ受け

後手7T
『ウバラザキ』→ライフ受け
前進離脱(集中2) 『血飛沫』(禁忌+1・裂傷化)→対応『防壁』
『刻み刃』→対応『盾兵』、オーラ1裂傷
『ウバラザキ』再起

先手8T
4後退(集中1・手札3)
『騎兵』

後手8T
再構成
前進(集中1)
『棘縫い』
『血飛沫』(禁忌+1)→ライフ受け
『四剣乱刃』(禁忌+0)→ライフ受け

先手9T
再構成
『制圧前進』(3纏い、『血飛沫』納-1)

後手9T
再構成
『桑畑志水の死に所』

先手10T
『引用』(『刻み刃』使用→ライフ3裂傷)
3纏い(集中2・手札1)

後手10T
再構成(失血死)
『ウバラザキ』→オーラ裂傷
後退前進(集中2)
『血飛沫』(裂傷化・禁忌+1)→オーラ裂傷
『棘縫い』
『ハドマギリ』

2.2.3.2. 棋譜解説

 今回も私は後手でした。個人的には『詭弁』ケアの後退回数といった都合*26で先手が欲しかったですが、仕方ありません。
 後手の場合、後手1T目は後退、後手2T目は『金屑纏い』ディスカード、後手3T目は『棘縫い』4前進と立ち回れば『詭弁』を受けずに間合い2に着地できます。そのため、マリガンでは後手2T目までに『金屑纏い』と『棘縫い』*27を引けるようなマリガンを意識します。

 先手1T目は『制圧前進』から2前進と1徴兵でした。典型的な『詭弁』を持っている意思表示です。後手1T目は何も考えずに後退して手番を終えます。

 先手2T目は2宿しと『号令』でした。この時点で、相手のオーラが3であるため『詭弁』を受けた返しに『ウバラザキ』『ハドマギリ』によるカウンターが狙えるか考えます。結局は、ここでカウンターを狙ってもそこまで美味しくないという判断*28を下し、マリガンで戻した『金屑纏い』を引こうとします。  ……は???『金屑纏い』ねーじゃん!!!
 普通にマリガン失敗で困惑します。いやでも『詭弁』を喰らうべき盤面ではないし……かといってオーラ2で手番を返すと次のターンに4前進『棘縫い』できないし……でも、オーラ1は『立論』から『反論』を受けたら結局なくなって誤差だし……とウダウダ考えて、最終的には余ったリソースで2宿しを行い、オーラ0で手番を返します。裏目は2前進『立論』『反論』ですが、その場合は、再構成の引きを見てから2前進『棘縫い』『ウバラザキ』からオーラ2フレア4で『ウバラザキ』を無理矢理再起させるなり、『ウバラザキ』『ハドマギリ』で暴れるなり場況判断で動くつもりでした。*29

 先手3T目は『引用』でこちらの攻め手を潰してから、オーラ2で『大手楯無門』を使用してきます。後手3T目は、間合い3を踏むには『棘縫い』から手札2枚と集中力2点を切っているので、盾兵+αの対応を構えていれば問題ない、という判断でしょう。後手3T目は『闘神』のことを考慮すると、迂闊にリソースを切って間合い2には着地できなくなってしまいました。対して、相手のオーラは薄いため『詭弁』を打たれた場合のカウンターは狙いです。ここでは『棘縫い』と『血飛沫』を抱えたまま『金屑纏い』を使って間合い8でしゃがみます。

 先手4T目は間合い7で『反論』によってオーラを削って『騎兵』の納にされてしまいます。『騎兵』により『ハドマギリ』は『防壁』で打ち消されてしまいます。後手4T目ですが、そろそろフレアが余ってしまう*30ので、間合い4に前進して『ウバラザキ』を使用します。それに対して、お相手は『煽動』で対応して間合い5に移動*31したため不発になります。
 ここで『煽動』により、間合い5手札3枚で手持ち無沙汰となってしまいます。手札を伏せて前進して『反乱撃』や『散華刃』を振りに行ってもいいですが、その場合は『ウバラザキ』が再起しなくなってしまうので、『血飛沫』を展開してしゃがむことにしました。『引用』を振る場合でも1前進はするでしょうしオーラ1つ分以上の仕事は期待できるはずです。

 先手5T目は間合い3で『引用』を使われます。こちらの手札は『四剣乱刃』と『反乱撃』ですが、お相手はスタッツを取るかキーカードを落とすかで悩まれます。最終的には『反乱撃』を使用して『完全論破』で封印してきました。この時点で相手の構築はビート軸だと推定*32しますが、その場合は相手の攻撃札が少なすぎるので、相手の構築が読めなくて混乱します。

後手5T目の盤面状況

 後手5T目ですが、相手は偶数再構成を優先してオーラ4手札0で手番を返してきたので、『ウバラザキ』 をライフに通して『撃ち落とし』ケアの前進から『四剣乱刃』を裂傷化で使用します。これもライフに通ったので、深追いはせず*33に手番を返します。

 先手6T目ですが、再構成から綺麗に『引用』を引かれてしまったので対応『怒り』で泣いて耐えます。ここで『刻み刃』を受けてオーラに2裂傷を受けてしまったので、次のターンは『金屑纏い』を使用して、相手に『反抗』を強化される機会を与えずに、次のターンの1/-を捻出します。

 先手7Tは『号令』から2/1『槍兵』でしゃがんできます。『ウバラザキ』から『ハドマギリ』の圧力を出したいのでノータイムライフ受けです。後手7T目はフルリソの圧力で『ウバラザキ』をライフに通し、次のターンが再構成である(≒『血飛沫』再構成トップ『血飛沫』を狙える)こともふまえて、裂傷化『血飛沫』を『撃ち落とし』ケアで前進離脱をしてから使用しますが、徴兵エリアから『防壁』を切られます。ここで『刻み刃』も使用しますが、今度は『盾兵』を切られてオーラに1裂傷しか与えられませんでした。

 先手8T目ですが、ここで想定外の4後退をされ、一気に間合い7となります。オーラ0とはいえ手札2枚で硬そうに見えますが、兵舎が『闘神』のみで『防壁』は使用済のため、相手の機能する対応は『反論』と『煽動』ぐらいしかありません。後手8T目には、再構成から『血飛沫』を引いたので、もともと抱えていた『棘縫い』から『血飛沫』と『四剣乱刃』を一気に叩きつけてライフ3点を奪います。この際、1フレアをしっかり残せたので、再構成からの『桑畑志水の死に所』を狙える盤面となりました。

後手9T目の盤面状況

 先手9T目は態勢を整えるために『制圧前進』で3纏い(実際は『血飛沫』があったので2纏い)を選択したため、ここで再構成から納8の『桑畑志水の死に所』を展開します。あとは消化試合で勝ちです。

 一巡目の『金屑纏い』のマリガンミスを除けば、比較的大きなミスはなくプレイできたと思います。勝因は『ウバラザキ』を上手く回せたことと、後手8T目に『血飛沫』を引いたところですね。

2.3. 算鋸(剣)vs銃鎚(傘) (vsヱゐさん)

2.3.1. 双掌繚乱

 3戦目の対戦相手は、世界で一番ライラタロットを獲得しているミコト、ヱゐさんです。S7-2の大規模大会では、3勝1敗で上位入選がかかった対戦卓でマッチングしてボロ負けしました。「対戦ありがとうございました、次は殺します」の精神を大事に今度は勝てることを祈りましょう。

 お相手の選出は銃傘鎚。銃傘は剣鋸でも算鋸でも良くて微不利、傘鎚はS7で銃剣を握ってボロ負けした経験から、剣鋸が返ってくると推定不利です。銃鎚は未知数ですが、『ハドマギリ』か『切取法』を上手いこと使えば一気に4〜5点ぐらいは飛ばしてリーサルを取れそうなので銃鎚を返すことにします。

 返ってきたのは算鋸でした。

2.3.2. 眼前構築

 銃鎚は『バックドラフト』と『鐘鳴らし』を『大天空リスペクト』で繰り返し使用して『大天空クラッシュ』でリーサルを狙う構築が有名だと思います。お相手のフルリソ+フレア8を許すと概ね敗北するので、フレア回収やライフ回収でいい感じに遅延して、最後は『切取法』で一気にリーサルを取るつもりで構築を組みます。

恫喝/投機/算法/直接金融/鋸斬り/反乱撃/茨道
開方冥式切取法/大衍算顆手打表/源上安岐那の御明算

 各カードの採用理由はこんな感じです。
・恫喝
 →投資券+メイン打点。

・投機
 →『フルバースト』や『大地砕き』の返しにオーラを増やす用。

・算法
 →一巡目を前進拒否から折衝を有利に運ぶため採用。『フルバースト』をこのカートで避けてから『茨道』で間合い4着地が一巡目の目標です。

・直接金融
 →投資券+一巡目の前進拒否+『大地砕き』の返しにしゃがむ用。

・鋸斬り
 →ライフ打点。

・反乱撃
 →相手がオーラ0〜1で手番を返してきたときに咎める用。一巡目3T目に『茨道』で裂傷を乗せて4T目に再構成で2/2+1纏いにできると強い。

・茨道
 →ヒミカの攻撃(特に『フルバースト』)に当たる回数を減らして、相手のリーサルを遅らせることが目的。

・切取法
 →基本的に6フレア3点。『ハドマギリ』はオーラ裂傷を与えるカードと一緒に使わないと最悪0点ですが、これは手札にダブついたカードも打点に変換できる点が優秀です。

・手打表
 →頓死ケアの保険。最悪、自分のターンに使用すればオーラ5にして『遠心撃』をケアできるかも?(諸説)

・御明算
 →入れない理由なし。

2.3.3. 桜花決闘

2.3.3.1. 棋譜

ヱゐさん:銃鎚傘→銃鎚(傘)
ジーコ:剣算鋸→算鋸(剣)

先手:ジーコ(算鋸)
後手:ヱゐさん(銃鎚)

先手1T
『直接金融』

後手1T
前進(手札1)

先手2T
纏い宿し(手札2)

後手2T
『フルバースト』→対応『算法』

先手3T
2前進(集中2)
『茨道』(オーラ裂傷)
『恫喝』→ライフ受け

後手3T
2後退(集中2)
『鐘鳴らし』(+2/+1)
『レッドバレット』→ライフ受け
バックドラフト
2纏い(手札2)

先手4T
投資券(『恫喝』『直接金融』)
再構成
ライフ回収
『直接金融』(オーラ1ダスト1)

後手4T
再構成 3纏い(集中1・手札2)

先手5T
投資券(『直接金融』)
『茨道』(オーラ裂傷)
前進(集中1)
『恫喝』→ライフ受け

後手5T
2後退(集中1・手札1)
『遠心撃』→『算法』

先手6T
ライフ回収
『投機』(オーラ→2→フロー)
2前進(集中2)
『反乱撃』→ライフ受け

後手6T
再構成
投了

2.3.3.2. 棋譜解説

 今回の私は先手でした。初手は『算法』『直接金融』『茨道』で、最優先で引きたかった『算法』と『直接金融』の用法が既にある神引きでした。このときは、3T目に『茨道』から『恫喝』を打つつもりだったので『茨道』をマリガンしましたが、いま思い返すとノーマリが正解*34だった気がします。

 先手1T目は安定の『直接金融』で相手のオーラを減らし、後手1T目は前進で手番を返されます。
 先手2T目は『フルバースト』を『算法』で避けることを考慮すると、オーラ3以上は誤差で間合い9にいる利得が大きい*35ので宿し纏いで手番を返します。後手2T目は想定通り『フルバースト』が飛んできますが、これを『算法』で避けます。
 先手3T目は『恫喝』を『茨道』から当てに行き、ライフ回収の圧力をかけます。後手3T目には2後退から『鐘鳴らし』『レッドバレット』(5/2)が飛んできますが、これをオーラで受けると『シュート』と『ラピッドファイア』がライフに通ってライフ回収ができなくなってしまうのでライフ受けします。ライフ受けしたあとのお相手は、『茨道』からの『ウバラザキ』『ハドマギリ』をケアするために、2纏いで手番を返します。

 先手4T目は再構成で『直接金融』を引いたので、そのまま使用してさらに資本差をつけます。後手4T目も、前のターンと同様に全力で纏って手番を返されます。
 先手5T目は『直接金融』をオーラで投資して敢えて回収しないことで前進の空きを作り、『茨道』で間合い4を踏みながら『恫喝』を当てて、ライフ回収に再びリーチをかけます。お相手はオーラ3、手札0、集中力0のため、ライフダメージを2回以上与える手段*36を持ちません。後手5T目で、お相手は2後退から『遠心撃』を使用しますが、きっちり『算法』で避けます。
 先手6T目では、ライフ回収から『投機』でオーラに空きを作って前進し、前のターンの『茨道』の裂傷によって2/2になった『反乱撃』をライフに通します。この時点でライフは7vs3となり、再構成とライフ回収と『切取法』-/1でリーサルのため、お相手の投了により試合終了です。

 余談ですが、これが起源祭で最も短かった桜花決闘だと思います。(ログを見返したところ、先手1T目~試合終了が9分でした)『恫喝』という何故か1枚でライフ2点取れるカードと、ダストがなくても後ろに避けられる『算法』というカードの強さがよく分かる試合でした。直接金融最強!直接金融最強!直接金融最強!

2.4. 剣鋸(算)vs銃鋸(傘) (vsあどみぬす さん)

2.4.1. 双掌繚乱

 4戦目の対戦相手は、新進気鋭のミコトのあどみぬすさんです。アドカレ記事にも好意的な反応をしてくだって、VCに入ったときも褒めてくださったので、普通に嬉しかったです。たくさん褒めてくれる、いいひと〜〜〜

 そんなお相手の選出は銃傘鋸でした。詳細につきましては、あどみぬすさんご本人がnote記事としてまとめていらっしゃるので、そちらを読んでみてください。

 こちら側の目線からしたら、銃傘も傘鋸も返せないので銃鋸返しです。前の試合で同じく剣算鋸を抜いていたので、絶対に検討してるんだろうな〜と思いました。

 返ってきたのは剣鋸でした。

2.4.2. 眼前構築

 実は、新公式大会で銃鋸とは対戦したことがあり、そのときの所感では「『斬り払い』と『理』積んでおけば負ける理由なし!」でした。「これで何が来ても勝てるわ!w」ってなった記憶はあったんですが、新公式大会で組んだ構築*37を思い出せなくて自分の記憶力のなさを恨んだ結果、最終的にこのような構築になりました。

紅刃/散華刃/斬り払い/棘縫い/刻み刃/反乱撃/金屑纏い
理/ハドマギリ/ウバラザキ

・紅刃
 →振って当たるなら入れない理由なし。

・散華刃
 →強いので入れる。

・斬り払い
 →主な仕事は『クリムゾンゼロ』ケア。序盤は『バックドラフト』を乗せた通常札に切ってもいいし、『クリムゾンゼロ』が入っていないことが分かれば『反乱撃』にでも切ればいいし、銃寄せなら何しても勝てる。よって入れ得……のはず。

・棘縫い
 →一巡目はフルバ地帯を抜ける用で、二巡目以降はオーラバフとして使うつもりで採用。

・刻み刃
 →『血飛沫』とすごく悩んだけど、間合い2でしゃがむためのカードとして採用。

・反乱撃
 →『ウバラザキ』『ハドマギリ』コンボの必須パーツ。悩む余地なし。

・金屑纏い
 →『ウバラザキ』『ハドマギリ』コンボの必須パーツ。雑に次のターンの『反乱撃』を2/2にできるので強い。

・ハドマギリ
 →『斬り払い』を使っても多分リーサルでは3点ぐらい取られるはずなので、能動的にリーサルを取るために採用。これさえ積んでおけば、さすがに剣鋸の方がリーサルラインは高い……はず。

・ウバラザキ
 →『ハドマギリ』の必須パーツ。オーラ4フレア2で再起できるかは諸説。

・理
 →鋸ハーフミラーにおける最強カード。純粋に『ハドマギリ』の火力が1~2点下がるうえに、ライフも回復するので見た目以上に硬いです。『尸』はライフ6以上でも使えますが、今回は『斬り払い』を採用しているので『スカーレットイマジン』とか『ヴァーミリオンフィールド』のケアもできて無難なこちらを採用します。

 相手の対応札はほとんどないので、リーサル計算は非常に簡単です。相手の基本動作の回数からリーサルの可否を判断して、緩急をつけた攻撃を意識しましょう。

2.4.3. 桜花決闘

2.4.3.1. 棋譜

あどみぬすさん:銃傘鋸→銃鋸(傘)
ジーコ:剣算鋸→剣鋸(算)

先手:ジーコ(剣鋸)
後手:あどみぬすさん(銃鋸)

先手1T
ディスカード(手札1)

後手1T
宿し前進(集中1・手札1)

先手2T
2前進(手札2)

後手2T
『フルバースト』

先手3T
2前進(集中2)
『棘縫い』
『紅刃』(禁忌+1)→ライフ受け

後手3T
『バックステップ』(オーラ焦燥)
『反乱撃』→ライフ受け
2前進(集中2)

先手4T
再構成
『ウバラザキ』→ライフ裂傷
離脱(集中1)
『紅刃』(禁忌+1)→ライフ受け
『金屑纏い』(オーラ裂傷)
『理』
『ウバラザキ』再起

後手4T
再構成
『スカーレットイマジン』(コスト『フルバースト』)
『ウバラザキ』→ライフ裂傷
『バックステップ』
『反乱撃』→{対応『斬り払い』(禁忌+2)→オーラ受け} 前進(集中1)
『刻み刃』→オーラ1裂傷、ライフ1裂傷

先手5T
宿し(集中1)
『ウバラザキ』→ライフ裂傷
『反乱撃』→オーラ裂傷
『金屑纏い』(オーラ裂傷)
宿し(手札1)
『ハドマギリ』→ライフ受け(失血死)

2.4.3.2. 棋譜解説

 今回の私は先手でした。初手は『斬り払い』『棘縫い』『刻み刃』で、先手3T目に『斬り払い』『紅刃』『棘縫い』を手札に構えたいので、『刻み刃』以外の2枚をマリガンします。先手3T目に構えたい4枚目の手札は、「『反乱撃』 >『散華刃』>その他」といったところです。初手ディスカエンド、2T目2前進エンドの予定なので『金屑纏い』は一巡目の折衝*38で使う予定がなく、いつもと比べると優先度は低くなっています。

 先手1T目は銃対面のテンプレ*39、1ディスカエンドです。後手1T目のは前進宿しエンド、典型的な『フルバースト』を構える流れですね。

 先手2T目では次のターンに『フルバースト』受けるつもりで基本動作の回数を計算します。その結果、間合い7まで前進すれば次のターンに『棘縫い』から2前進で『紅刃』をライフに当てて、手札に『斬り払い』と『反乱撃』を構えられることが分かったため、ここは素直に2前進で手番を返します。後手2T目は『フルバースト』を使用され、先手3T目も想定通りに進行します。
 後手3T目ですが、お相手は『バックステップ』の焦燥から『反乱撃』を2/2で使用します。これをオーラ受けすると、前のターンにフレアを与えたため『ウバラザキ』『金屑纏い』『バックドラフト』から3/4の『ハドマギリ』がライフに通るおそれがあります。かといって、『斬り払い』を使っても『バックドラフト』でバフを乗せた攻撃が飛んでくる可能性があるため、次のターンに再構成から『理』を開けられることも考慮してライフ受けします。

 先手4T目は、再構成から『紅刃』を引けたので『ウバラザキ』『紅刃』で3点を取ってから『理』を開け、『金屑纏い』で纏いのついでにオーラ裂傷を稼いでしゃがみます。後手4T目に相手は『スカーレットイマジン』からライフ打点を取り返そうとしますが『理』によって相手の攻撃が1枚減り、『反乱撃』を『斬り払い』で止めたことで『ハドマギリ』がライフに通らなくなります。相手は『ウバラザキ』を再起させることをいったん諦めて『ハドマギリ』を温存します。

 先手5T目ですが、ライフ3点を稼げば実質的に勝てることから、再構成を検討します。

先手5T目の盤面状況(再構成直前)
 このときは厳密には計算していませんでしたが、『反乱撃』を先手3T目に抱えていたおかげで確定リーサルだったみたいです。このとき私は「まあ『斬り払い』を引けばしばらく死なないし、『紅刃』を引けば推定リーサルだから再構成するか~」の気持ちで再構成します。結果的に引いたのは『金屑纏い』と『刻み刃』で、2宿し→『ウバラザキ』→『反乱撃』→『金屑纏い』→『ハドマギリ』2/4でリーサルでした。

 感想戦によると、どうやら銃鋸にはもっとピーキーな構築があったみたいです。これは今週のフリプ会で判明したことですが、銃鋸は某英雄の証2枚さん銃のミコト発案とのことで、「大会に参加してないのにマッチングをひっくり返す人間って怖いなあ」と思いました。

2.5. 算鋸(剣)vs傘絡(鋸) (vsアクア244さん)

2.5.1. 双掌繚乱

 決勝戦の対戦はアクア244さん。幾多の傘鋸を傘絡鋸で破壊した魔王すごいミコトです。当然、選出も傘鋸絡……いや、新公式大会で全く同じミコトと同じマッチングしてるんだけどー!?!?

 ♪~あの日(1/15)あのとき(新公式大会)あの場所で(大会後のフリプ)で君(傘絡鋸)に会えなか~ったら~♪

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……というわけで、見知ったものは仕方がないので頑張りましょう。BANは消去法で傘絡、お相手は『理』アンチなので剣BANでした。

2.5.2. 眼前構築

 1週間前に傘絡vs算鋸は2回やっており、この1週間で、一応『神渉装置:枢式』『どれーんでびる』『はらりゆき』の構築だけは一人回ししましたが、自分の傘絡の練度がゴミだったおかげで辛勝できたので以下の構築をぶつけることにします。

恫喝/投機/算法/直接金融/鋸斬り/反乱撃/茨道
開方冥式切取法/大衍算顆手打表/源上安岐那の御明算

 はい、3回戦のvs銃鎚と全く同じ構築です。この構築で早打ち*40を心がければ『びっぐごーれむ』や『ゆらりび』の構築なら有利、『はらりゆき』や『えれきてる』の構築なら五分程度だと思っています。

・『恫喝』
 →投資券+メイン打点。これがないと『ゆらりび』以外を使ったほぼ全ての構築に負けます。クリンチされたときは『算法』を『ゆらりび』への対応として抱える都合でほぼ振れませんが、『くるるーん』で捨てると投資券として活用できるので上手くやります。

・投機
 →ジェネリック前進札、『切取法』の打点向上、一巡目のダスト枯らし(『もじゅるー』妨害)が主な仕事です。これがあると、3/1をオーラ受けできる回数も増えます。

・算法
 →これがないと赤赤『とるねーど』or『りげいなー』+『ゆらりび』 のデッキに負けます。

・直接金融
 →基本的に入れ得ですが、ユキヒ対面だと難しいところです。『しこみび』と『かさまわし』が入っていると即座にリソースを補給されますが、最悪『恫喝』と『御明算』からライフ回収に繋げられるので入れます。前進するためのオーラの空きが埋まるのも少しネックですが、資本差は最終的に『切取法』の打点に繋がるのでOKです。ただし、『りふれくた』が展開されているときは破棄時効果の1/0を飛ばすかをしっかり考えましょう。

・鋸斬り
 →ライフ打点。クリンチ相手にはこれがないと両者敗北になります。

・反乱撃
 →これがないと『鋸斬り』をオーラ受けされて両者敗北になります。

・茨道
 →これがないと後退に負けます。

・切取法
 →通常札に行動札や付与札が多く入っている都合で、こちらの方が打点が出ます。余談ですが、『ウバラザキ』『ハドマギリ』の構築はレンジロックに勝てない*41と思います。

・手打表
 →これがないと「『ゆらりび』→『どれーんでびる』→『りげいなー』(適正距離+1『ゆらりび』)」を考慮しなければならず、攻撃の機会が潰れたり『たぐりよせ』をライフ受けする必要が生じたりするので、それらのケアとして入れます。

・御明算
 →入れない理由なし。『神渉装置:枢式』で除外されるのは『癇玉』ですが、1フレアと実質2フレア*42の交換なので『切取法』を入れていればギリギリ最終打点に貢献していると言い張れます。

 『鋸斬り』と『恫喝』でジリジリライフを削りながら『投機』と『直接金融』で資本差をつけ、『かさまわし』公開直後といった相手の対応が少ないタイミングで『切取法』で3点程度のリーサルを狙います。採用が裏目になったカードは、基本動作に回して「これは『切取法』の打点!」と言い張って誤魔化しましょう。

2.5.3. 桜花決闘

2.5.3.1. 棋譜

アクア244さん:傘絡鋸→傘絡(鋸)
ジーコ:剣算鋸→算鋸(剣)

先手:アクア244さん(傘絡)
後手:ジーコ(算鋸)

先手1T
2宿し(手札2)

後手1T
『直接金融』

先手2T
『とるねーど』

後手2T
投資券(『直接金融』)
フレア回収
纏い宿し(集中1・手札1)
『投機』(ダスト→2→オーラ)

先手3T
前進(集中1)
『もじゅるー』
くるりみ』(閉→開、『もじゅるー』宿し)
『もぐりこみ』(『もじゅるー』纏い)
『えれきてる』(『もじゅるー』なし)
『いんだすとりあ』(『えれきてる』封印、『もじゅるー』纏い)

後手3T
前進(集中1)
『御明算』
『茨道』(オーラ裂傷)
『恫喝』→ライフ受け

先手4T
再構成
宿し(集中)
『神渉装置:枢式』(『御明算』2纏い)
『えんむすび』
傘開閉(開→閉)

後手4T
投資券(『恫喝』)
再構成
2前進(集中2)
『茨道』
『鋸斬り』→ライフ受け
『反乱撃』→オーラ受け

先手5T
『ひきあし』
『いんだすとりあ』
『でゅーぷりぎあ』(『えれきてる』)
2纏い(集中2)
傘開閉(閉→開、『かさまわし』公開)

後手5T
『恫喝』→{対応『くるるーん』(『投機』捨て札、1ドロー)}→ライフ受け

先手6T
『もじゅるー』
『でゅーぷりぎあ』(『えれきてる』、『もじゅるー』後退)
後退(集中1)
傘開閉(開→閉、『かさまわし』公開)

後手6T
投資券(『恫喝』)
再構成
ライフ回収
宿し前進(集中1・手札1)
『恫喝』→ライフ受け

先手7T
再構成
『いんだすとりあ』(『もじゅるー』後退)
後退・2纏い(集中1・手札2)
傘開閉(閉→開、『かさまわし』公開)

後手7T
投資券(『恫喝』)
再構成
ライフ回収
3宿し・1纏い(集中2・手札2)
『投機』(ダスト→2→オーラ)
『切取法』(相場2)→ライフ受け
『切取法』(相場3)→{対応『くるるーん』(1ドロー)}
『切取法』(相場3)→ライフ受け

2.5.3.2. 棋譜解説

 私は後手で、初手は『投機』『鋸斬り』『直接金融』でした。1T目は相手が3宿しの場合は『投機』でそれ以外は『直接金融』、3T目に『反乱撃』を抱えて『茨道』から-/1『恫喝』が一巡目のノルマです。ちなみに、『算法』は一巡目の折衝には基本的に役立ちません*43。今回は『投機』も『直接金融』も引けているのでノーマリです。

 先手1T目は2宿しエンド、『直接金融』ケアの典型的な動きですね。私は2宿しエンドなら後手1T目で『直接金融』を使用する派*44なのでそのまま打ちます。

 先手2T目では『とるねーど』を使用されます。この時点では私は「?」でしたが、「ワンチャン『びっぐごーれむ』だったら困るのかなぁ……まあ最悪『もじゅるー』展開し辛くなるだろうし良いかなぁ」ぐらいの気持ちで後手2T目はフレア回収からダスト枯らしに専念します。

 先手3T目には、前のターンに使用した『とるねーど』も機巧に含めて『えれきてる』+『いんだすとりあ』の構築を回され始めます。後手3T目には『御明算』を開けて『茨道』から『恫喝』を使用し、手札には『反乱撃』と『算法』を抱えておきます。
 先手4T目は『神渉装置:枢式』を使用され、回収を宣言して『御明算』がゲームから取り除かれます。ここまでは想定通りで、後手4T目は前進のためにオーラ投資だけは行っておき、運だけゲーミングで勝ち取った『茨道』と何故か一緒に引けた『鋸斬り』を振ってライフ打点を取り、ついでに『反乱撃』でオーラをいじめておきます。

 先手5T目は間合い4に下がられましたが、後手5T目に『恫喝』を当てて相場4+投資券1枚の盤面を作ります。先手6T目は『えれきてる』を使用されますが、後手6T目にはライフ回収でライフを取り返し、そのままトップで引いた『恫喝』を叩きつけます。コイツ引き強くね???

 先手7T目は間合い8まで全力で後退されますが、相手の手札が『かさまわし』で固定されていることと、オーラが2つと薄い状況を加味して、後手7T目に私は『切取法』によるリーサルを狙うための再構成を行います。

 ライフ回収してから相場が1ではなく2であることに気がつきますが、冷静に盤面を振り返った結果、確定で勝てる*45盤面だったため、リソースをすべて宿しと纏いに回して『切取法』ぶっぱで勝利です。

後手7T目の盤面状況(相手手札『かさまわし』確定)

 非常に苦しいマッチでしたが、こちらの『恫喝』と『茨道』の引きが抜群によかった点と、お相手の二巡目の『もじゅるー』が山底に沈んでしまったことで、なんとか勝つことができました。

3. あとがき

 以上が起源祭2022冬ノ陣のレポートとなります。最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

 レポートを書いてて思いましたが、いくらなんでも引き強すぎですね。当たり前のように再構成トップ◯◯(◯◯=『血飛沫』or『直接金融』or『紅刃』or『茨道』)キメまくってて草生えました。マッチング運も比較的恵まれており、1回戦と3回戦以外は「最低限、勝負にはなるだろう」ぐらいの気持ちで臨めたのは良かったです。
 あと、オンラインの大会だとシミュレーターにログが残ってくれるので、「このとき、何を考えてこの行動をとったのか」といった部分がすごく思い出しやすかったです。現時点では推敲もせずに思いついたことをダラダラと書き並べてしまっている状態なので、随時表現などは直していく予定です。

 今回の起源最環境ですが、『黒き鎧』禁止によって相性がよく分からないマッチングを抱えたまま当日を迎えた方も多いのではないでしょうか?
 私の場合は、『黒き鎧』の強さがバレ始めた頃から検討量が減ってしまったので、どちらかといえば禁止改定は知見のリセットという点で『追い風』でした。個人的な考えですが、ここ数ヶ月は世論がシスイに傾いていてアキナを練習する人が相対的に少なくなっていたため、数ヶ月前のアキナの知見でも辛うじて戦えたのかと思っています。

 ブログ開設から3年という節目を、起源祭優勝というめでたい結果で迎えることができて、非常に嬉しいです!これからも、「私が初心者のときに読みたかった!」と感じる記事を書いていくつもりなので、これからもよろしくお願いします!*46

 考察の内容の関係の有無を問わず、気になった点やご意見、ご指摘などがございましたら、このブログのコメント欄か、私のTwitterアカウントまで持ってきてくださると、非常にうれしいです。
 この記事の画像は「ふるよにコモンズ/BakaFire,TOKIAME」から拝借しております。

URL: https://main-bakafire.ssl-lolipop.jp/furuyoni/na/rule.html

*1:例えば、レンジロックに対する耐性は『恫喝』と『御明算』、『切取法』でカバーできて、リソースの剥奪についても『投機』『直接金融』そして回収で抵抗できます。特に、『恫喝』と『切取法』の-/1やライフ回収は対応手段が限られ、剣や鋸とは違った方向性のリーサルになるので優秀です。

*2:対応が厚い相手でも、『徹底抗戦』から『ウバラザキ』『ハドマギリ』で連続攻撃を仕掛けることでライフダメージを稼げます。また、『棘縫い』と『茨道』で前進札が2枚あるためレンジロックにも強く、『桑畑志水の死に所』で禁忌ゲージを踏み倒すこともできます。

*3:アキナ対面では、オーラ回収や『直接金融』を伏せ纏いでカバーしようとすると、攻撃がライフに通らなくなり、ライフ回収されるという悪循環に陥ってしまいます。そのため、アキナ対面では3/1といったライフに通りやすい攻撃札を持っていることとオーラを増やす手段を持っていることが相性差に直結します。

*4:傘鋸を返すと傘鋸vs剣鋸、剣鋸を返すと剣鋸vs剣算が不利マッチになります。傘鋸vs剣算は概ね五分五分ですが『桑畑志水の死に所』をクリティカルに受けると負けるので評価が難しいところです。

*5:1ターン目『直接金融』、2ターン目宿し&纏い、3ターン目2フレア『御明算』『投機』ダスト→2→自/オーラ

*6:『金屑纏い』は結局はオーラ+1ですし『要返し』はS8の速度には合っていません。

*7:加えて、扇鋸は『はらりゆき』などの積極的にフレアを吐ける手段を持たないため、『死に所』を上手く使うには『ウバラザキ』をオーラ4フレア2などで繰り返し再起させる必要があり、その場合には再構成のタイミングなどを見計らって一気にフレア3まで押し上げるだけで相手に歪んだ動きを強制できる……はずだと考えました。

*8:オーラが1つでも少なくなると、『反乱撃』をライフに受ける確率が飛躍的に上昇します。そのため、シスイ対面では裂傷を加味してもオーラは少しでも多い状態を保ち、場合によっては攻撃を我慢して相手に『ハドマギリ』のフレアを与えずにオーラ裂傷をリセットするといった動きが必要です。

*9:扇鋸の一巡目の動きとして「先手2ターン目or後手1ターン目に『金屑纏い』、次のターンに『晴舞台』」を想定しており、『算法』があると間合い6で『晴舞台』の-/1を避けながら『恫喝』を-/1で当てられる……とか考えていました。

*10:対応の『反乱撃』や非境地『雅打ち』をオーラ受けして資本差が逆転すると『恫喝』が-/0になってしまいます。余談ですが、禁忌『散華刃』は1枚で2回のダメージを与えてしまうので、対応『反乱撃』を考慮する場合は最後に使った方が無難です。

*11:『算法』を入れていないので、相手が「先手2T目に『金屑纏い』(オーラ裂傷)、次のターンで間合い6『晴舞台』を展開してエンド」という動きを取ってきた場合、『晴舞台』の破棄時効果の-/1をケアするために間合い7まで後退しなければなりません。理論上は『直接金融』でオーラを投資して間合い2に着地できますが、次のターンに相手が自由に動けるで非常に弱い動きです。

*12:『恫喝』に2/2『反乱撃』で対応されて『恫喝』が-/0になるのをケアする場合

*13:『徹底抗戦』を受けた返しに攻撃した結果、『ウバラザキ』→『常世ノ月』→『畏掠め』オーラ→『金屑纏い』オーラ裂傷→『ハドマギリ』→『刻み刃』→『反乱撃』で最大9点取られる負け筋を作ってしまったことがあります。

*14:フレア回収をしてから『算盤玉』を使用するとライフ受けの裏目がありませんが、敢えてフレア回収をしないことでライフ回収という裏目を用意でき、相手にオーラ受けを強要できます。この場合、『詩舞』を使われると裏目になってしまいますが、その場合は相手が手札を切りながら後ろに下がってくれているので、次のターンの火力が下がってライフを守れるので問題ありません。

*15:『算法』ケアを切ってきた場合は、『金屑纏い』をケアするために間合い4の『反乱撃』をライフ受けする必要があります。しかし、この場合でも『御明算』でダスト投資とオーラ回収をしてから『恫喝』を-/1で振れるので、何とかなるはずです。

*16:『千歳の鳥』+『刻み刃』をギリギリケアできる状態

*17:相手の手札は1枚、集中力は0、『ウバラザキ』は使用済のため、『千歳ノ鳥』が入っていても瞬間火力には限界がある盤面です。

*18:『四剣乱刃』と『直接金融』の両方とも引けなかったときに、『御明算』で宿しておくと『投機』でオーラを3から5にしてしゃがむことができます。

*19:ちなみに、桜花決闘中はここまで厳密に計算していません。「なんかヤバそうだから、そろそろ対応札の持ち物検査しておくか~~」ぐらいです。

*20:ここで再構成をしない場合は、2枚ドロー→山6枚再構成+2枚ドロー→2枚ドロー→2枚ドロー……といった具合に1回の再構成で4ターンしのげますが、この場面で再構成すると3ターンしかしのげません。これは、言い方を変えると「3ターン以内」に絶対にリーサルを取るなら、強いカードの引き直しやフレアのために再構成し得」ということになります。

*21:『詩舞』が『切取法』に切られた場合は、宿し纏いから『御明算』を開けてしゃがみ、『散華刃』を『詩舞』で避けられた場合は間合い5で『恫喝』を-/1で使用し、次のターンにフレア投資からのライフ回収によるリーサルを狙います。

*22:書兜が『森羅判証』を狙う場合は、相場を能動的に下げる手段をほとんど持たないことから、フレア回収およびライフ回収で『森羅判証』を展開させるタイミングを遅らせられます。『大手楯無門』から連続攻撃を狙う場合も、『闘神』に『算法』で対応すると適正距離が0-1になり、確実に避けながら相手の打点を大きく下げられます。

*23:『反乱撃』は適正距離が広いため、『撃ち落とし』『煽動』のケアをしやすいです。また、『引用』で抜かれても1/1で済むことから、基本的には『反乱撃』と非攻撃札を抱えて立ち回ることを意識するつもりでした。

*24:『桑畑志水の死に所』が【展開中】の間は、禁忌ゲージが16を超えても誓約枠の効果を有効にできます。つまり、『桑畑志水の死に所』が破棄されるまでに相手を倒せば借金を踏み倒せるということです。ついにふるよにでも『借金生活』が!?

*25:『ウバラザキ』から裂傷化させれば次のターンの圧力になりますし、2/2が打ち消されても【展開中】が残ってくれます。さらに、『引用』にも引っかからないというオシャレカードです。

*26:こちらが先手を取れた場合、先手1T目は宿し、先手2T目は後退宿し、先手3T目は『棘縫い』4前進で間合い2に着地……という動きを狙えます。しかし、後手の場合は後手1T目と後手2T目の両方で後退する必要があり、宿しの回数が少なくなります。また、オーラ0の裏目である『立論』山焼き→『反論』ライフ焦燥についても、相手が後手なら2T目が山場で間合い7に着地するリソースが不足しがちすが、先手だと3T目が山場になってしまうので警戒する必要が生じます。

*27:後手2T目までに『棘縫い』を引いておかないと、先手3T目に『立論』で『棘縫い』を落とされて、再構成で『棘縫い』が引けなくて次のターンに『詭弁』を受ける……といった裏目があります。

*28:仮に後手2T目に3前進すると、先手3T目に『詭弁』を振られて、後手3T目に再構成からフルリソースで間合い6オーラ5フレア1になります。この場合、『ハドマギリ』を使用するために2宿し、『煽動』ケアに間合い3に着地するために1前進と『棘縫い』が必要になり、すでに相手が2徴兵を行って『盾兵』を構えていることを踏まえると、概ね『詭弁』を受けるリスクには見合っていません。

*29:レポートを書いていて気がつきましたが、お相手の先手2T目の動きって完全に一巡目で『大手楯無門』を開けるヤツですよね……当時は『森羅判証』以外のルートを想定していなかったので頭から抜け落ちてしました。

*30:フレアが多いほど、『ウバラザキ』を再起させる際にオーラを薄くしなければなりません。

*31:『棘縫い』を使って間合い3まで前進して『煽動』をケアする動きも可能ですが、その場合は、『ウバラザキ』を再起させるためにオーラ3以下で手番を返すこともふまえると、次のターンの『戦場』からの『反攻』をケアするのが大変になります。

*32:『森羅判証』を軸にする場合、『壮語』『詭弁』『陣頭』『戦場』を入れたいはずであるのに対して、お相手の通常札は5枚見えており、そのなかにこれらのカードは含まれていません。さらに『撃ち落とし』『防壁』がこの時点では見えていなかったことも考慮すると、『森羅判証』を軸にした構築である可能性は著しく低いでしょう。

*33:ここで相手に対応されると、返しに『闘神』『反抗』『槍兵』で3点取られる可能性がありました。

*34:後手1T目に『フルバースト』のために2前進されたときに『茨道』を持っていれば2前進+『茨道』で間合い4を踏んで『フルバースト』をケアできていました。

*35:後手2T目に相手ができる攻撃は『シュート』『マグナムカノン』『ラピッドファイア』『レッドバレット』『砂風塵』から任意の何枚かで、『シュート』と『レッドバレット』はライフ受けと決めておけば『砂風塵』と『マグナムカノン』『ラピッドファイア』あたりは『算法』の都合で両立せず、間合い9なら『鐘鳴らし』のバフも考慮する必要がないので、この盤面は宿し纏いが最適解……のはずです。

*36:このとき、相場は4で『恫喝』が投資券として残っているので、1度までのライフダメージは下がった相場を『恫喝』によるフレア投資で戻すことでライフ回収できます。

*37:「なんでTwitterにレポあげてないんだよ~~」と後悔していましたが、いまブログを書いていて気が付きました。新公式大会で返ってきたのは剣鋸じゃなくて剣算です。

*38:2T目に『金屑纏い』でオーラ裂傷を付けて、3T目に集中2前進から『棘縫い』で間合い4に着地して2/2『反乱撃』と禁忌『散華刃』でテンポを取るのは、剣鋸の一巡目の折衝における選択肢の一つです。

*39:1宿しは『レッドバレット』『マグナムカノン』『ラピッドファイア』、1前進は『フルバースト』が裏目になります。また、先手の場合は2T目にオーラ5を構えて基本動作以外に何もしないという前提の場合、1T目に前進をしても2T目にリソースが余ってしまいます。よって、基本的に銃対面の1ターン目は「何もしない」が正解になりやすいです。

*40:通常札の主なライフ打点が『鋸斬り』と『恫喝』で、『切取法』はある程度相手からライフダメージを与えられないと機能しません。そのため、お相手の防御が硬かったり打点が細かったりすると、通常札を繰り返し使用しなければならず、普段の気持ちで動くと時間切れになります。実際、Twitterでは呟きませんでしたが、新公式大会では時間切れで両者敗北になっています。

*41:まず、コンスタントに間合い4を踏めないため、打点が思ったように足りません。また、間合い4を踏むために宿し前進をしてしまうと、『えれきてる』などを受けてフレアが増えていることもふまえると『ウバラザキ』が再起しない可能性がかなりあります。

*42:『神渉装置:枢式』自体は3フレア(=6AP)ですが、『御明算』で2纏いが付いてくるので実質的には4AP=2フレア相当になります。

*43:お相手が攻撃してくるのは後手3T目ですが、ほとんどの場合は先手3T目に『ひきあし』ケアで間合い4に着地しながら『恫喝』を振っているので、『算法』が対応として機能しません。

*44:「相手のオーラが1でダストが0だと『直接金融』を打ってもお互いのオーラが1つ減るだけで終わってしまう」というのが一般論ですが、ぶっちゃけ一巡目のAPなんて誤差みたいなものですし、少しでも早いタイミングで投資券を1枚用意していおく方が相手の動きを歪められて強いと私は思っています。

*45:傘絡側はこの状況で勝つには『えれきてる』3回と『とるねーど』を打たなければなりませんが、『とるねーど』でライフを取るには『えんむすび』を展開する必要があります。対して、この状況でリーサルを回避するには『くるるーん』で『もぐりこみ』を引かなければなりません。つまり、この状況から勝つための動きを両立するにはすべてのカードを表で使用しなければならず、伏せ札が2枚ある時点で破綻していることがわかります。

*46:近だと、算鋸か剣鋸について動画にしようかな~と思っています。(進捗0)

(Baka)FIRE: 最速で大会勝利を実現する方法

※この記事は、へくとぱ(@3422project)さんが主催している『ふるよに Advent Calender2022』への寄稿記事です。そちらには、他の方が書かれた面白い記事も沢山載っているので、ぜひ読んでみてください。

adventar.org

 こんにちは、『ウバラザキ』2/0で相場変動なしケアのZicoです。裂傷トークンをライフに置かないということは、ライフにダメージが入らないんですよ!意外にこれ知られてないんですけど。

 この記事では、基本的な知識を身に着けたミコトが勝率を上げる方法を解説します。
 正直「俺なんかが書いて本当に耐えてるの?」と非常に不安な気持ちですが、一発ギャグのお披露目会にAdventカレンダーを使ってしまったツケを精算するために、頑張って書き上げました。

 それでは、私がふるよにを遊ぶ際に考えていることについて、言語化していきます。鏡のあくまで私の個人的な考えなので、情報の取捨選択は読者の皆さまにお任せいたします。
 構成は、実際のふるよにの順番に倣って、双掌繚乱→眼前構築→桜花決闘→感想戦となっております。ウンウン、ちゃんとPDCAサイクルになってて素晴らしいですね。(←個数でしか判断できない人)

 これを読んで、勝率を上げたり私をカモったりするためのヒントとして活用していただければ幸いです。

※1 他の方と同じ話を何度も書くのはネットの集合知としてよろしくないと思うので、必要に応じてブログ記事のリンクを掲載させていただきます。

※2 この記事の想定読者として「カードの名前と効果は一致している」「基本ルールおよびメガミごとの追加ルールは把握している」「『初心者攻略ガイド』に掲載されている内容は理解している」までは前提とさせていただきます。

furuyoni.kyoa.co.jp

※3 文章を書きやすくするために、レギュレーションは完全戦三拾一捨に限定しております。眼前構築以降であれば完全戦通常選択や起源戦にも転用できると思うので、各自で脳内変換をお願いいたします。

1. 双掌繚乱

 この章では、三柱の選ぶときにBANするメガミを決めるときに意識していることについて解説します。

1.1. 強いメガミを宿す

 三柱の選び方は大きく
(1) 強いメガミを宿す
(2) 得意なメガミを宿す
(3) 強いメガミに有利なメガミを宿す
の三つに分けられます。

 傾向として、突出して強いメガミがいる環境では(1)と(3)メガミごとのパワーバランスが均等な環境では(2)の考え方が勝ちやすいです。具体例として前者はシーズン8、後者はシーズン7-2が挙げられます。

 シーズン8はアキナとシスイのパワーが一つ抜けています。このような環境では、(1)の考え方に基づいてアキナかシスイ(あるいはその両方)を軸に据えてから、メタゲームを考慮して相方を選んでいくことになります。

ニ柱を合わせても普通に強いのはおかしいと思うんだ。

 シーズン7-2はメタゲームの影響が大きく、どちらかといえばパワーバランスは均一でした。その結果、晩夏の大決闘祭では、メガミごとの選出率の違いは多少あれど、ほとんどの方が(2)の考え方から三柱を決めたでしょう。

徒寄花を許すな(午前8:40)

 そして、少し複雑な点として、これら二つの考え方は両立します。これは強いメガミが一柱だけの環境で顕著で、シーズン6~6-2のカナヱ、シーズン7のカムヰが典型例です。このような環境では、(1)の考え方で三柱を決めると相方のニ柱が返されやすく、ここに練度のあるメガミを合わせるのが有効な選択肢になります

 (3)については、新幕最強ことあかさきさんの記事がクリティカルなので、ここでは割愛させていただきます。

note.com

 私は、知見の差による不利が少ないという理由から、初心者が一番勝てるのは(1)の考え方だと思っています。というのも、ここで挙げられる強いメガミは、新規拡張で追加されたメガミカード更新によって強化されたメガミがほとんどで、それらはどんな熟練者であっても検討のスタートラインが同じだからです。

1.2. BANの一貫性をもたせる

 三柱を決めるうえで私が重視しているのが、三面有利と三面不利を統一させることです。三面とは三柱XYZにおけるXY・YZ・XZのことで、これをしないと相手が返してくるメガミによって勝敗が左右されるという不安定な状態(通称:BANじゃんけん)になる頻度が上がってしまいます。

 これを解決するには、メガミを選定する時点でBANの一貫性を確認しておく必要があります。

 例えば、私がシーズン7-2(プレリリース)で使用していた扇剣算(トコヨ/カムヰ/カナヱ)はチカゲが単体レベルで非常に辛い点が共通しています。つまり、チカゲを見かけたらほぼ100%BANです。
 その代わり、扇剣・剣算・扇算で返せるニ柱には概ね互換性があります。扇算が返ってくる想定でBANを決定すれば、相手のBANによってマッチングの有利・不利がひっくり返ることはめったにありません。

最近はシスイが強いのでやや逆風です

 BANの一貫性を考慮するうえで、特に気をつけたいのが銃(ヒミカ)を宿す場合です。レンジロックが主な主張の銃Xと『クリムゾンゼロ』を絡めた連続攻撃が主な主張の銃Yが組み合わさると、メガミBANの一貫性の確保が難しくなりがちです。

同じメガミでも戦い方は違いますからね。

 いずれにせよ、三柱を決める際に弱点を特定のメガミに集中させることで、それ以外のメガミを返しやすくなり、対応できる範囲を広げられます。また、BANも失敗しづらくなります。ぜひ、意識してみてください。

1.3. 事前に検討しておく

 大会に参加するのであれば、事前に何パターンか仮想敵を想定して何を返すか決めるようにすると、試合中に割く思考リソースが減るのでオススメです。
 このとき、可能な限り一人回しをしてください。一人回しをすることで、一巡目に相手目線でされたら困ること(≒それをされるとデッキが上手く回らない)が分かったり、素直に寝返ったほうが勝てそうなことが分かったりします

 特に、特定の強いメガミが環境にいるときは「何が相方だったら返せるか」「問答無用でBANするか」の強度テストは一人回しで確認しておくことを推奨します。

1.4. 相手の主張を読み取る

 何を返すか悩んでいるときに、相手がどのメガミBANしてくるかを予想すると、BANじゃんけんの際に有利マッチを引きやすくなります
 レコードシートのチェックミスや安価スレで持ち込むメガミを決めている場合を除いて、三柱の選出にはその人の思考が介在します。具体的には「このメガミ(ニ柱)を使いたい」「あのメガミ(ニ柱)を返したい」「あのメガミ(ニ柱)を返したくない」などです。相手の意図が分かると、相手が事前に何を仮想敵として検討してきたのかも想像しやすいです。

 先ほど「BANじゃんけんをなるべく避ける」という話をしましたが、どうしてもBANじゃんけんが発生してしまうケースはあります。そのときに、相手の立場で三柱の意図を意識できるようになると、50%だったじゃんけんが55%になる……かもしれません。

1.5. ご存知でなからまし!?

 最後に不利マッチを引いたときに足掻く方法です。このままでは基本的に勝てない、となってしまった場合は、相手が「ご存知でない!?」をご存知でないことに賭けます

 具体的には、
(1) 相手のBANミスを前提に返す二柱を決める
(2) 相手の構築ミスを前提に返す二柱を決める
の二つです。ここで考慮するべきなのは「ぱっと見の気づきにくさ」です。言われたら納得するレベルなのか、実際に手を動かして初めて実感するレベルなのか……当時の自身の感覚を頼りに、よりご存知でない可能性が高い方に賭けて、運良く勝ちを拾えたときは「ご存知でない!?」をしましょう。

 「ご存知でない!?」は初見殺し全般に使われるスラングです。用法・容量を守って正しくお使いください。

2. 眼前構築

 この章では、眼前構築の際に意識していることについて解説していきます。

2.1. 桜花決闘を予想する

 眼前構築の考え方は非常に個人差が出やすいものだと思っていますが、私の場合は、ライフを稼げる非全力の攻撃札(適正距離が4より後ろの場合は後退札も)は可能な限り入れるようにしています。

 この辺の詳しい話は公式ブログやあかさきさんのnote記事に書いてあるので、ここでは説明を割愛させていただきます。

bfpblog.bakafire.main.jp

note.com

 そして、攻撃札を入れたあとは桜花決闘がどのように進行するかを予想し、カードを入れ替える必要の有無を検討します。

 そのなかで特に意識するのが「どこまで攻撃に寄せれば先にリーサルが取れそうか」「どこまで防御に寄せれば先にリーサルを取られないか」のニ点です。つまり、相手の現実的なゲームプランを予想し、攻撃(攻撃札の採用)と防御(対応札の採用)におけるちょうどいい点*1を模索するようにしています。

2.2. 一巡目を計画する

 大会中に眼前構築が終わって時間が余ってるときは、マリガンおよび一巡目の動き方の検討をオススメします。「2T目に相手が前進してきたらこうする、宿してきたら……」みたいな感じです。
 特に、マリガンは失敗したことが相手にバレると最後までディスアドを背負い続ける場合も珍しくないので、理想手と妥協策のマリガンぐらいは考えておくと事故率はグンと下がるはずです。

3. 桜花決闘

 この章では、桜花決闘の際に意識していることについて解説していきます。

3.1. フローチャートを構築する

 簡単に言えば、常に分岐を意識して立ち回るということです。典型例を挙げるならリーサル計算だと思います。「この『一閃』がオーラに通るなら『月影落』、ライフに通るなら『久遠ノ花』」だって立派なフローチャートです。
 ですが、ここではその範囲をさらに広げてみましょう。私の場合は「相手の攻撃のオーラ/ライフ受け」「自分のターンにオーラをいくつ残して手番を返すか」そして「残りの山札から何を引くか」という三つの場面でこの考え方を活用しています。

 具体的には「もしもこの状況で、オーラが薄いことへのお仕置きとして○○(大体は切札が入る)を釣りだした場合、戦況的には有利になるか?」といったことをよく考えます。俗に言う、ミスを誘うってやつですね。
 最近だと『ハドマギリ』なんかが空欄に入りますが、「対応の厚さ的にリーサル時の『ハドマギリ』がライフに通るのを避けられないのであれば、ここで使ってもらったほうがフレアも貰えて相手のリーサルのケアをしやすくなるから良いんじゃないか?」みたいな考え方です。

ブンブンハドー!YouTube()

 しかし、このときにオーラ受けは纏い直すまでがオーラ受けであるという点に注意してください相手の攻撃をしばらく受けなかったり、オーラへの目処が立っていなかったりする場合は、たとえ上手く釣り出せたとしても本末転倒なので気をつけてください。(これを、専門用語で「○○ケアのZico」といいます)

 あと「このままカードを引くのと、再構成してから引くのとで引きたいカードを引ける確率に違いがあるか」という視点もけっこう大事だと思っています。最近は全体的にカードパワーが上がっている傾向にあるので、再構成が早まることと、ゲームが長引いて相手がカードを使用できるターンが増えることとでライフダメージを天秤にかける場面が増えた印象があります。
 具体的を出すなら、剣算で間合い4オーラ3でターンが返ってきて捨て札に『紅刃』『散華刃』『恫喝』(投資券として使用済)があるときに、ボトムの『直接金融』を引くか再構成してそれらを引き直すか……みたいな感じでしょうか。

コラー!通常札は1枚2APまでってお母さん言ったわよね!?

 頭のなかでフローチャートを作るという行為自体は無意識レベルで皆さんもやっていると思いますが、もう少し適用範囲と深さを増してみると、違った景色が見えてくるかもしれません。

3.2. 非公開情報を予想する

 ここでの非公開情報とは、
(1) 自分の山札
(2) 相手の山札
(3) 相手の手札
(4) 相手の伏せ札
(5) 相手の切札
の6つの場所を指します。これらの場所にあるカードを予想して動くことで手札や集中力の余裕を作り、より効果的なタイミングでそれらを使用できるようになります

 これだけだと説明不足なので、もう少し補足します。

 次のターンに自分が引くカードを予想することで、相手の攻撃の受け方の判断材料に出来ます。表で振りたいカードを引くのであれば、それらを伏せて纏わなくても済むようにオーラを厚く保つでしょうし、微妙なカードを引くことになるなら、伏せて纏いに回せるようにある程度はオーラ受けしておくでしょう。
 ただ、実際にはそこまで綺麗に分かれることは滅多にないので、欲しいカードを引いても欲しくないカードを引いても、それなりの動きができるように盤面を作っていく必要があります

 相手が手札を伏せたタイミングも、相手の手札を判断する材料の一つになります。手持ち無沙汰そうな1纏いだったとしても、後退札が引けなかったからダブついた攻撃札を伏せた(≒相手の手札には攻撃札が揃っており、山札にある後退札を引くのを待っている)のか、次のターンに連続攻撃をするためにキープした(≒最大火力を出すために対応札を伏せた可能性がある)のか……などなど、盤面と併せて見ることで、相手が何を狙っているのか予想し、自分の立ち回りに反映させられます。

 いずれにせよ「なんで相手はこれをしたのか?」と一挙手一投足に目を通すことで、決め打ちの精度が上げられることは覚えておいてください。

 この辺の話については以下のnoteがオススメです。

note.com

3.3. 対応札の周期をずらす

 これは私が『紅刃』を使うときに意識することで、おそらく『風雷撃』などにも転用可能なテクニックだと思います。
 これらは非常にスタッツの大きな攻撃札ですが、ステップ対応に激弱という欠点があります。しかし、基本的にステップ対応はデッキに1枚しか採用されていないので、相手のステップ対応よりも先に引き直せば『紅刃』などをブチ当てることが出来ます

うお~!アバレアバレアバレ

 しかし、自然に先に再構成をするには「自分の山札が1枚以下」かつ「相手の山札が2枚以上」と二つの条件を達成しなければならず、真っ当に桜花決闘が進むとして現実的なのは先手6T目か後手5T目(5枚再構成の場合)ぐらいしかありません。

 そして、このチャンスを増やせるのが積極的なアグロ再構成です。例えば、相手の山札が4枚の状態でステップ対応を切らせると、相手が再びステップ対応を引き直せるのはアグロ再構成なしだと「2枚ドロー→2枚ドロー→再構成2枚ドロー」で最速でも3ターン後になってしまうでしょう。
 もちろん、アグロ再構成をしたからといって必ず即座に引けるわけではありませんが、カムヰを宿すときはアグロ再構成を検討するときの判断材料として、相手の山札の枚数を見るように意識してみましょう

3.4. 戦況を読む

 ここまで、3.1.や3.3.でアグロ再構成の検討について触れてきましたが、上振れを狙うことは下振れを引き起こすリスクを招きます。そのため、アグロ再構成を選択肢に入れる際には、現在の戦況を分析して「そもそも上振れを狙う必要があるのか?」という点を考慮しなければなりません

 そうは言っても、我々は現代人であって未来人ではないので精度100%の判断は出来ません。そこで、ひとまずは常に戦況を「微有利~有利」「不利~微不利」「概ね五分」ぐらいで緩くランク付けするようにしましょう。

 「微有利~有利」はニ柱同士の相性が良いときやお相手がこちらにとって都合のいい動きを取ってくれた場合に起こります。相手のリーサルが遠く、このままお互いに同じペースでライフが削れたらこちらが先にリーサルを取れるような状況がこれに該当するでしょう。
 このような状況では、無理してこちらから過剰なアクションを起こす必要はないと考えています。慢心せず丁寧に立ち回って、変な頓死に気をつけながらリードを維持しましょう。

 「不利~微不利」は簡単に言えば相手目線での「微有利~有利」です。このような状況では、相手の非公開情報を予想して一部のケアを切ったり、それでも巻き返しきれない場合は積極的な再構成で上振れを狙っていったりする必要があります

 「概ね五分」は個人的に一番辛くてしんどい状態です。常に複数の選択肢を考慮して立ち回り、リスク・リターンから最適と思われる手を淡々と打っていきましょう

4. 感想戦

 この章では、感想戦をする際にに意識していることについて解説していきます。

 ここでは、自分と同じぐらいのモチベがある人を対面に想定して文章を書いています。対面のを見て、感想戦をどこまで詰めるかは判断するようお願いします。

4.1. 結果論よりも確率論

 「○○を引いてたら(採用していたら)勝ってた~」「○○が引かれなかったら(採用されてなかったら)勝ってた~」みたいなのは、拮抗していればしているほど頻繁に出てくる発言ですが、あんまりにもしつこく連呼するのは品がないのでほどほどにしましょう。(私がよくやるので自戒)
 正直、採用の有無についてはカウンティングの誤りとかでなければ何をケアするかというじゃんけんでしかないので、判断材料の見落としが無ければ「そういう日もある」で割り切ったほうが健全です。(私がよくやるので自戒)

 むしろ、「再構成の有無によってリーサルの確率に影響していたか」という部分のほうが重要です。ありがたいことに、ふるよには山札が7枚しかないので狙ったカードを引ける確率は中学生レベルの計算で求められます。正直、計算せずとも最適解が明確な場合がほとんどではありますが、再構成の有無の最適解の判別が微妙なときはパパッと計算してみるのがオススメです

4.2. 桜花決闘→眼前構築→双掌繚乱

 プレミなどを探すときなどは、個人的には「桜花決闘→眼前構築→双掌繚乱(メガミBAN)」と遡るのがオススメです。こうすることで、勝敗の原因をくまなく精査することが出来ます
 もちろん、複数の箇所に要因がある(例えば「他のカードを採用したほうが強く」「桜花決闘中も詰めの甘い箇所があった」など)ことも珍しくありません。

 これは半分余談ですが、特定のマッチングにおける相性を調べたいときは、勝敗の要因が個人のプレミなのか相性によるものなのかを精査することは非常に重要だと思っています。当然、Twitterで大会の結果だけを追っていてもそこまでは分かりようがないので、少しでも気になったら一人回しをするのが良いのではないかと私は考えています。

 また、ここまで深掘りしても特に要因を見つけられなかった場合、ほとんどは「三柱のマッチングの時点で大幅な有利差がついていた」か「引きの運」のどちらかだと思います。そんなときは「そういう日もある」で帰り道に美味しいものでも食べてメンタルケアしましょう。おはようございます、今日も一日メンタルケア。

4.3. 「ホンマでっか!?」の精神

 これは主に初心者向けの話になりますが、感想戦で相手が話していた内容を100%そのまま鵜呑みにするのは、あんまり良くないと思っています

 特に、相手が実績モリモリの強強ミコトだと「○○さんが言ってるなら、まあ多分そうなんやろな~~」みたいな気持ちになりがち(実際、ほとんどの場合は正しい)ですが、とりあえず気になったことは質問してみるのが良いと思います
 答えを貰って納得したなら自身の知見に落とし込めばいいですし、もしかしたら新しい視点かもしれませんしね。これは私の感想ですが、ふるよに界隈は聞き方さえ選べばその辺は対応してくださる方が多い印象です。

 時間の都合などで消化しきれなかったときは、一人回しで検証したりTwitterのDMに凸してみてもいいと思います。実際、私もTwitterのDMで感想戦をしたことは数回ありますし、されるのも大歓迎ですよ。

5. あとがき

 以上がZico啓発ブログ『(Baka)FIRE: 最速で大会勝利を実現する方法』になります。最後まで読んでくださってありがとうございました!

 やっぱり抽象的な記事を書くときってめっちゃ疲れますね!「他の人の二番煎Ziじにならないようにしよう」って思いますし、そのなかで読んだ人の役立ちそうなものって何なんだ……?ってモロモロしながら最後まで書きました。

 自分なりのプラスアルファとして、私がふだん意識していることを言語化出来たんじゃないかと思っています。ぜひぜひ、記憶に残った部分をピックアップして役立てていただけると幸いです。

 考察の内容の関係の有無を問わず、気になった点やご意見、ご指摘などがございましたら、このブログのコメント欄か、私のTwitterアカウントまで持ってきてくださると、非常にうれしいです。
 この記事の画像は「ふるよにコモンズ/BakaFire,TOKIAME」から拝借しております。

URL: https://main-bakafire.ssl-lolipop.jp/furuyoni/na/rule.html

*1:いい感じの言葉を探したけど思いつきませんでした。アイデアを鋭意募集中です。

【乞Ziき速報】記事が無料!急いで読め!個人的なアキナ様レビュー(算盤)

 どうもみなさんこんにちは、対応『絶対零度』で『恫喝』-/0ケアのZicoです。アキナ様(以下:敬称略)のプレリリースが公開されてから約1ヶ月が経過しましたが、皆さん楽しんでいますか?

 投資券や回収のルールが追加されて、最初は皆さんも驚かれたのではないでしょうか?私の場合、アキナのルールを確認するのが数日遅れてしまった結果、9/25(日)のフリプ会ではアキナにボコボコされていました。

 それから、1ヶ月かけてちょっとずつアキナを回す練習をして、ようやくアキナの強さが分かってきました。そこで、今回は思考整理も兼ねてアキナについて記事を書きます。
 具体的には、はじめにアキナ特有のルールについて述べて、次にアキナのカードの紹介、『開方冥式切取法(以下:切取法)』によるリーサル計算、最後に具体例として扇算(トコヨ/アキナ)と剣算(カムヰ/アキナ)の構築について解説します。

 この記事でアキナについて復習して、10月末のカード修正やシスイの情報公開に専念していただけると嬉しいです。

※1 この記事はアキナの基本的なルールは把握していることを前提に書いています。まだルールを覚えきれていない方は、お手元にルールブックを用意して読み薦めていただければと思います。

※2 初めての試みですが、全員に読んでほしい部分と、少し細かい話や発展的な内容を区別してみようと思います。実践的な知識が欲しい方や、既にアキナを何度か使用して少し複雑な話をお求めの方は『★Advanced』と付いている部分を読んでいただければと思います。逆に、まだアキナをほとんど使っていない方や、まずは通しで記事を読みたい方は、ひとまず読み飛ばしてくださって大丈夫です。

※3 このブログ記事では、文字数の削減のために、一部で略称を用いたり、表現を省略したりしています。ご了承ください。
・相場ゲージ→相場
・◯◯を投資券として使用する→◯◯を投資
・開方冥式切取法→切取法
・大衍算顆手打表→手打表
・衰垜逐肘守料術→守料術
・源上安岐那の御明算→御明算

1. アキナのルールについて

 ここではアキナ特有のルールである「回収」、アキナ特有のカードテキストである「投資券」、 アキナ特有の領域である「フロー」を上手く活用する方法について、それぞれ説明していきます。

1.1. 回収時に意識すること

 投資券の利用と回収をまとめると、表1のようになります。ひとまず、ここで最も伝えたいのは、投資に必要なコストをふまえても、相場を上げて回収することはAP*1の観点からアドバンテージを稼げる点です。

 当然、状況次第で優先度は変化*2しますが、基本的にはライフ回収が強力なので、それを狙っていきます。ライフ回収を積極的に行っていくことで『恫喝』や『切取法』といった-/1によるリーサルの圧力を出し、相手に圧力*3をかけられます。

 オーラ回収やフレア回収も弱くはありませんが、どちらもそれだけでは勝利には繋がりません。特に、後者は『盤狂わせ』とアンチシナジーになる*4こともあるので、限定的な状況*5を除いて、投資券はライフ回収できる場面か再構成の直前まで温存して、オーラ回収やフレア回収ウは余ったフローで逐次行っていく方が強いです

★Advanced
 ここでは、ライフ回収を積極的に狙う理由について、もうちょっと補足します。

 まず、ライフ回収によって、最終的にライフからフレアに移動する桜花結晶を1つ減らせます。例えば、相手のライフが3のときにリーサルを狙うとして、ライフからフレアに移動した桜花結晶が6つの場合と7つの場合とでは最終的な相手の資本は1つだけ少なくなっています。

 次に、ライフ回収をすることで、相手に対してより早いタイミングでのリーサルを迫れます。特に、アキナのリーサルは『算盤玉』や『御明算』によるライフ回収と『恫喝』や『切取法』による-/1が軸となり、どちらも相手のオーラを無視するので対処できる手段は少ないです。
 また、こちらのライフを中途半端に残すと、相手目線ではフレアが増えた(≒資本差が大きく付いた)状態から『切取法』によって一気にリーサルを取られるおそれがあります。したがって、相手は一気に攻撃して、こちらのライフを0に持っていこうとするでしょう。

 このときに役立つのが、ライフ回収による実質的なフレア破壊です。オーラ回収でゲーム道中の宿しを牽制し、ライフ回収で上述したように相手のフレアの最低値を小さくすることで、準備が不十分な状態でのリーサルを相手に強いれます。

 ただ、留意してほしい点として、ここまでは『切取法』によるリーサルを前提とした話になります。これは、アキナの攻撃札は全体的にスタッツ*6が控えめで、相方の大型切札の主張を通すには力不足な場合が珍しくないためです。
 ライフ回収を狙う場合は相場ゲージを3から4に増やすためにフレアをフローに投資する回数が増え、普段の感覚でリーサルを狙おうとするとフレアが不足する可能性が高いです。
 個人的には「1フレアで相手のライフを自分のオーラやダストに動かせるのであれば、それはどんな切札よりも強い」と思っているのでこのセオリーを提唱していますが、例外がございましたら、これらの前提をかなぐり捨ててゲームプランを立ててみてください。

1.2. 投資券の使い方

  1.1. 回収時に意識すること では、回収について意識するべき点を解説しました。ここでは、その動きを実現するために必要な投資券の扱い方を解説していきます。

 投資券と回収をうまく回すコツは「相手が次のターンにライフダメージを何回与えてくるかを予測して、ライフ回収を狙えるように適切な投資券と相場を管理すること」ですが、安定性を高める方法をご紹介します。

 「ライフ回収が強い」という話は上述しましたが、「何もしないとライフ回収されてしまう」というのは相手からも分かる公開情報であり、基本的には相手はライフダメージによる相場ゲージの減少を狙ってくるでしょう

 ここでオススメなのが、通常札に『恫喝』『直接金融』、切札に『御明算』と3枚の投資券をすべて採用することです

 こうすることで、相場の読みが外れて1になってしまったとしても、投資券として3枚利用することで、無理やり相場を4に押し上げてライフ回収できます

 大まかな動き方としては、再構成直後から次の再構成までの3ターンで、
・必要であれば『算法』や『盤狂わせ』も使って『恫喝』を振る。
・『直接金融』を展開する。
・相場が1のときに『御明算』を使用する。
を全て行います。そして、相場が2以上で投資券を使えばライフ回収が可能なときは積極的に狙い、そうでないときは『御明算』だけで投資券として使って回収し、フレア1の『御明算』をもう一度使用します。

 このように動くことで、オーラ・フレア回収や『直接金融』による相手の資本への妨害と、ライフ回収という将来的な相手の資本への妨害が両立でき、自分のオーラも断続的に増やせるので非常に動きが安定します。
 アキナの構築がよくわからない方は、この構築にして相場の変動の仕方を感覚としてつかみ、慣れてきたら投資券を減らして『投機』で代用するといった工夫に挑戦するのがオススメです

★Advanced
 ここでは、相場の変動を意識した動きに慣れてきた方に向けて、私がよく意識する立ち回りをご紹介します。

 それは、「相場が下がってもライフ回収できるように投資券を多めに用意する」という動きです。これによって、ライフ回収の成功率を高め、打点を安定させされます。

 具体的には、
・相場2で投資券を3枚表にしておく。
・相場3で投資券を2枚以上表にしておく。
・相場4(フロー≠0)で投資券を表にしておく。
の3つです。

 この動きを意識できるようになると、『算盤玉』を採用していないときや、引けなかったときでもライフ回収を狙いやすくなります。また、『恫喝』や『直接金融』を投資券として構える必要の有無が判断でき、必要以上の投資券を用意しなくて済みます。したがって、投資券を表にするよりも有効な動きを取りやすくなります。

 これを狙う場合「相手が理論値の火力を出してきたとき」「相手が何もしてこなかったとき」「その中間」の3パターンすべてにおいて、何をするか決めておくと次のターンに意図した相場・盤面で迎えられると思います
 最も理想的なのは、「相手が何もしてこなかったとき」に一巡で2回のライフ回収が行えるように相場で圧力をかけることです。相方の攻撃が想定上にライフに通った場合などは、上振れを狙えないか検討してみてください。

1.3. フローの管理について

 それでは、1章の最後に、投資券や回収の中間地点となる領域である「フロー」について、桜花決闘全体を通して意識するべき点について解説していきます。

 まず、フローは相手に干渉されないという特徴があります。普段はあまり意識しないと思いますが、『投機』のオーラ→2→フローを使ってフレアを奪取する効果をケアできる場合もあるので少しだけ念頭に入れておきましょう

 そうでない場合でも、『手打表』、『算盤玉』あるいは『御明算』による突発的なライフ回収の圧力を出すために、常に1~2の余剰フローがあると強いです。
 このためには、上述した「複数枚の投資券を利用して相場を一気に4まで増加させて、ライフ回収する」という動きがオススメです。これによって、ライフ回収後も1~2のフローを残せて、余ったフローをテンポやリーサルのための回収に利用できます。

2. アキナのカード紹介

 ここでは、アキナの通常札と切札について、解説と個人的な評価を書いていきます。

2.1. 通常札の紹介

2.1.1. 算盤玉

 【攻撃後】効果の選択肢のなかに集中力+1があるので、どんな状況で使用しても「オーラダメージ1点と集中力+1」か「相場+1と集中力+1」のどちらかは最低保障されています。そのため、間合が1~6であれば、このカードを伏せるよりは表で使用した方が強いです
 自分のターンに他の攻撃札で相場を4にしてこのカードを使用すると、相手の攻撃で相場が減少する前にライフ回収できるので強力です。特に、『切取法』によってリーサルを狙う場合は、殆どの場合でこれでも1点取れるのでリーサル時に引いても悲しくなりません。

 フローがないときにこのカードを使用すると、回収の圧力がないので相手にとって都合のいい受け方をされやすいです。もちろん、上述したように集中力+1のためにこのカードを使っても最低限の仕事はしますが、裏目を作って自分にとって都合のいい受け方をしてもらえるように意識しましょう
 自/フレア⇔自/フローは滅多に使いません。本質的に自分の資本は増えないので、限られた場面*7以外では使う必要はないと思います。

 また、フローがあって相場が1のときにこのカードを使用すると「オーラ受け+任意の効果orライフ受け+オーラ回収」によって、相手のオーラを必ず1つ減らせます

 いずれにせよ、このカードによる回収を効果的に利用するには予めフローに桜花結晶を置いておくことが重要です。必須パーツではないので優先度は低めですが、枠が余って迷ったときはこのカードを入れると安定すると思います。

 あと、自分の集中力が2のときにこのカードを使用すると【攻撃後】効果で集中力を得られなくなり、悲しい気持ちになります。このカード自体は適正距離が広くて基本動作をせずに使用できる場面も多いので、うっかりミスをしないように気をつけてください。

2.1.2. 恫喝

 『算法』や『盤狂わせ』など間合い4に移動するためのお膳立ては必要ですが、
・ライフ1点
・相場+1
・投資券
と3つの要素を1枚で兼ね備えている強力なカードです。特に、このカードによるライフダメージと投資券の効果によって、1枚で相場ゲージを2つ増加できる点が非常に強力です。ライフ回収で相場が4から2になった直後にこのカードを使用できると、ライフ回収に王手をかけて相手に攻撃を強いれます。

 資本差という条件については、極端なライフ差が付いていなければ、ほとんどの場合は纏いだけで達成できます。しかし、-/1の状態で使用しても、対応によって資本差がひっくり返ると-/0になってしまうので気をつけましょう
 また、次の相手のターンの攻撃が手薄になりそう(≒相手の手札が少ない)かつこのカードのライフダメージと投資券でライフ回収が狙える場合は、-/0として使う場面もありえます。少なくとも、-/1にしたいがために、他の必要な手札を伏せるなど動きが歪んでしまっては本末転倒です。気をつけましょう。

2.1.3. 交易

 正直に言うと、このカードを上手く扱えたことがないので分かりません。『守料術』を使うと達成しやすいらしいので、興味がある方は下記のブログを読んでみてください。

izu24furuyoni.hatenablog.com

2.1.4. 投機

 相手のリソース妨害力が高いときや、焦点間合の都合で『恫喝』を採用しないときに、代わりにこのカードを入れることが多いです。また、『Stunt』のような前進のためにオーラを空けるといった使い方もでき、ちょっとしたレンジロック対策としても役立ちます。

 また、切札に『手打表』を採用する場合は、常にフローを構えておきたいので、フローを増やす手段としてこのカードを採用する動機が高くなります。

 このようなカードにはリーサル時に引いて悲しくなるという欠点がありがちですが、『切取法』を採用しているとこのカードで資本差をつけやすくなるので(一応は)リーサルに寄与してくれます。

★Advanced
 このカードのもう少し具体的な使い方を補足します。

 まず、このカードを採用する典型的な仮想対面としてコルヌが挙げられます。1枚でオーラを2つ増やせるので凍結に強く、『かじかみ』によって前進を妨害されたときも、このカードで無理矢理オーラの空きを作って前進できます。

 また、アキナのハーフミラーでは、このカードを採用する動機が少しだけ高くなると考えています。主に使うのは一巡目の折衝で、
・先手の1ターン目に使用して相手の『直接金融』がモロに入るのを防ぐ
・オーラを手っ取り早く空けて、前進から『恫喝』を振りやすくする
・相手がフレア0を維持して『直接金融』投資からフレア回収できないときに、このカードでフローを作ってオーラ回収から相場を1に下げて『御明算』を使用する
・2フレアで『御明算』を使用して、生じたダストを即座にオーラに戻す
といった場面です。つまり、先手後手・相手の動きに関わらずこのカードがあると便利な状況が発生します。特に、オーラ圧が小さい一巡目にこのカードでフローを作っておくと、中盤以降のオーラ回収の回数が増えて、資本差をつけやすくなります

2.1.5. 算法

 後ろステップと『幻影歩法』と組み合わせたような効果をしています。『恫喝』を打つときのお供にもなりますが、これを対応で使って避けたい攻撃があると、『恫喝』を振りづらくなってしまいます。その場合には『盤狂わせ』などを合わせて採用することをおすすめします

 このカードと普通の後ろステップの対応を比べたときの特徴として、「後続の適正距離2および適正距離X~2の攻撃も振りづらくさせる」というものがあります。したがって、そのような適正距離の攻撃を複数枚持っているメガミに対してはこのカードを採用すると、相手の動きを歪められます。

2.1.6. 盤狂わせ

 アキナにおけるこのカードの役割は主に2つあって、1つ目が「『恫喝』を打つために後退する」、2つ目が「『切取法』でリーサルを取る前に資本差をつける」です。【展開時】効果で相手の資本を2つ減らせるので、このカードを展開してから『恫喝』に繋げると-/1になりやすいです。
 また、『恫喝』以外の攻撃札を使用する場合でも、相手のフレアを一時的に減らして対応の切札を使わせない動きも狙えます。

 最終的には相手のフレアを1つ減らしているので、【破棄時】効果で相手のフレアが増えることはあまり気にしないで大丈夫です。

 このカードの欠点は、展開するときに相手にフレアがないと後ろに下がれない点と、返しのターンに間合2まで前進されると【破棄時】効果の解決により間合1に入ってしまう点です。特に、『直接金融』の【破棄時】効果の攻撃は適正距離が2-5なので間合1に入ってしまうと活かしきれません。目先のAPだけにつられず、相手の切札およびフレア管理を見越してこのカードの採用を検討するようにしましょう。

★Advanced
 このカードの【破棄時】効果を活かした組み合わせとして、炎算(ヒミカA2/アキナ)と旗算(ホノカ/アキナ)をご紹介します。

 炎算は主にオーラ回収から『炎天・紅緋弥香(以下:炎天)』をライフに当てることを勝ち筋とした組み合わせで、一巡目に『レッドバレット』『フルバースト』およびライフ回収で相手のライフを削って『炎天』でリーサルを取れるようにします。

 しかし、ヒミカAには対応札がないという欠点があり、切札を絡めた連続攻撃に弱いです。それを解決してくれるのが『盤狂わせ』で、【展開時】効果で相手のフレアを減らして切札の火力を落とし、【破棄時】効果で前に動くことで『炎天』のケアを難しくさせます。

 サンプルデッキを置いておくので、ぜひ使ってみてください。(炎天のメタカード*8を持っていない相手ならそこそこ戦えると思います)
シュート/火炎流/フルバースト/算盤玉/恫喝/盤狂わせ/直接金融
レッドバレット/炎天・紅緋弥香/源上安岐那の御明算

 大まかな動きは「一巡目にヒミカAのカードで相手のライフを削り、二巡目以降に『炎天』でリーサルを狙う」というものです。
1T目:『直接金融』
2T目:オーラ投資→『フルバースト』or『レッドバレット』
3T目:ライフ回収→『恫喝』→『シュート』→『レッドバレット』
4T目~:相場1の状態で『御明算』を開けっ放しにして、オーラ回収からの『炎天』によるリーサルを狙う。

 次に旗算ですが、こちらは『盤狂わせ』を展開して『突撃霊式』を『神霊ヲウカ』に開花させることで、他の後退札だと起こりやすい「『突撃霊式』を使用した次のターンに『神霊ヲウカ』の圧力が出ない」という問題を『盤狂わせ』の【破棄時】効果で解決できます。

 この状態から、『交易』で『神霊ヲウカ』を手札に戻せると開闢てんちかいびゃく   開闢てんちかいびゃく  開闢てんちかいびゃく  開闢てんちかいびゃく  開闢てんちかいびゃく  開闢てんちかいびゃく  開闢てんちかいびゃく  開闢てんちかいびゃくが始まると思うので、暇な人は試してみてください。ちなみに、『交易』のくだりは何も試さずに喋っています。

精霊式/桜吹雪/指揮/恫喝/交易/盤狂わせ/直接金融
この旗の名の下に/開方冥式切取法/源上安岐那の御明算

2.1.7. 直接金融

 アキナのなかで最も強いカードです。「投資券の利用→回収」という行為が基本的に2AP以上の価値*9を持つので、納を2つともオーラから展開して相手のオーラを2つ剥がしたとしても、全力札の基準である3APは上回っていることになります。
 さらに、納をダストから展開して自分のオーラを増やせたときは、増やしたオーラの数だけAPが加算され、【破棄時】効果の1/0をオーラに当てたりもすると、理論値は7APと言えるでしょう。

 一見「このカードで6~7APを稼げる状況はかなり限定的なのではないか?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、『御明算』の【常時】効果による1宿しや相場ゲージが2における投資券の利用などで、全力札を使用するターンでも効果的に自分のオーラを空けることができます。

 ぶっちゃけ、どんな状況で使っても3AP以上の活躍は確約されているので、迷ったらこれを使うのがオススメです。

★Advanced
 このカードを使用する寸前にオーラ投資を行うと、空いたオーラを補充できます。相手の攻撃で相場が下がってしまうと本末転倒なので基本的にオススメしませんが、相手の手札が0枚や1枚で相場が変化しないと予想できる場合や、相手が次のターンに全力札を使ってしゃがんきそうなときは、オーラを1つ得できる場合があるのでパターンとして頭に入れておくといいでしょう。

2.2. 切札の紹介

2.2.1. 開方冥式切取法

 要約すると、資本がトントンになるまで-/1(対応されたら消える)を飛ばし続ける切札です。アキナのカードでAPを稼いで資本差をつけ、最後にこのカードで一気にリーサルをとるのがアキナのオーソドックスな勝ち筋です。

 細かい消費フレアや資本差についての計算は、「3. 『切取法』について」で詳説します。

2.2.2. 大衍算顆手打表

 いつでも使える切札で、オーラを最大で3つ増やせます。このカードの使い方は主に2つで、1つ目は「相手がリーサルを仕掛けてきたときに、2/2や1/2といった攻撃にこのカードで対応して、致命傷がライフに入らないようにする」で、2つ目は「『算盤玉』や『源上安岐那の御明算』によるライフ回収をリーサルで使用する際に、相場を上げる弾として使用する」です。

 大前提として、フレアもフローもライフもオーラ以上の価値がある領域なので、これを使わないと負けてしまう場面以外ではこのカードを対応として使いません。
 逆に『月影落』がライフに通って負けてしまいそうな場面では、このカードで対応することでライフの減少は1点だけに抑えられます*10。消費も実質的に1フレアであり、相方のメガミの対応札を組み合わせやすい点も魅力です。

 自分のターンに使う場合としては、このカードでオーラに2ダメージ与えたり相場を1増加させたりすると、リーサルにつながる場合が挙げられます。『算盤玉』や『御明算』でライフ回収を狙う場合は相場も立派なリーサルの要素になるので、以外と役立ちます。このカード自体の消費も少なく、オーラ5で使用すると【攻撃後】効果を踏み倒せる点も地味に優秀です。

2.2.3. 衰垜逐肘守料術

 要約すると、4つのライフをフレアとして前借りできます。すごい大雑把な言い方をすると、相方で悪いことをするときに採用するカードだと思っています。

 一見すると、『切取法』と相性が良さそうに見えますが、そもそもアキナがリーサルを取るときにライフが5以上の可能性は低く*11、使わない場合は切札の枠が1つ減ってしまうので微妙だと思っています。

 自分のライフよりも大きなライフダメージの攻撃を受けると、超過分がなかったことになって実質的なライフが10より多くなるので、相手の打点が大味になりそうなときは採用を検討してもいいと思います。

★Advanced
 上述の『相方で悪いこと』について具体例を表2にまとめました。あくまで強さを保証するものではないので、興味が出た方は実際に試してみることをオススメします。
 『ご存知でない!?』とマウントを取りたい対戦相手をビックリさせてみたい方はフリプなどで試してみてもいいのではないかと思います。

2.2.4. 源上安岐那の御明算

 主な使い方は1フレアで空けて「【使用済】効果で宿し→ダストを投資→オーラ回収→1フレアで『御明算』使用→以下ループ」をグルグル回す(通称:御明算ループ)か、他の投資券と合わせて使ってライフ回収するかの二つです。
 また、リーサルのときは『切取法』と『恫喝』で相場を4にしてこのカードでライフ回収することで、打点を稼ぐことができます。

 御明算ループはキメる度に1AP得できる(1フレアで『御明算』を使用で-2AP、【使用済】効果で1宿しで1AP、ダスト投オーラ回収で+2APの収支+1APになります)うえに、【使用済】効果を使えば使うほどAP的には得できるので、1フレアで空けられるときは迷わず空けましょう。

★Advanced
 『御明算』は投資券として見たときに他の2枚と異なる点がいくつかあります。最も大きな特徴が「再構成をしても投資券として残り続ける」というもので、再び表にするのにフレアも必要なので基本的には投資が必要なときは他のカードを使ったほうがお得な場面が多いです。
 例外はライフ回収から『切取法』をリーサルで使いたいときです。このときは『御明算』の消費フレアを加味しても『御明算』を投資券として裏返したうえで、回収のために使用して相場を下げるのが正着になります。

3. 『切取法』リーサルについて

 『切取法』は消費フレアの大小が効果に影響を与えない、という特徴があります。消費1フレアおよび消費2フレアで飛ばせる-/1は他の切札と比べても強いので、まずは回収で相場を1にしてから3フレアでライフ2点を目標に使っていきましょう。

 また、『盤狂わせ』を展開してから『切取法』に繋げられると、相手の資本を減らしたうえに離脱や後退のリソースを資本の格差に回せるので強力です。枠に余裕があるときは、セットでの採用を検討してみてください。

 『切取法』でライフを2点取ったあとは、『恫喝』や相方のメガミのカードで相場を4にして『算盤玉』や『御明算』でライフ回収してしまうのがオススメです。場合によっては、それらの動きのために手札やフレアを敢えて残して資本差をつけすぎない動きが求められます。
 他の攻撃で相場が上がってしまうと使いづらくなってしまう都合から、リーサルの初撃に使うことが多いカードではありますが、手札を表にして使うのと基本動作のために伏せるのとでどっちが強いのかは、シビアな判断を心がけてください。

★Advanced
 『切取法』ですが、書いてある文章が長いえうに複雑なので「これ、結局どうするのが強いんだ?」と思っている方も多いのではないでしょうか。

 ここでは、
・『切取法』は1~2フレアで繰り返し-/1を飛ばすカード
・『切取法』が刺さる盤面とはどのようなものか
・『切取法』によるリーサルの強度を高める構築とはなにか
・『切取法』のための資本差を作る方法
の4つについて順番に解説していこうと思います。

 このカードの強いところは、飛ばす攻撃が-/1という特殊なスタッツである点と、打ち消す必要のある場面で対応を問答無用ではたき落とせる点です。
 一見、このカードは対応札に弱そうに見えますが、個人的には-/1をより少ないフレアで打てたほうが強い*12ので、対応を使わせてこそ真価を発揮するカードだと思っています。
 この理念に則って考えると、少ないフレアで繰り返し『切取法』を使用するには常に資本差を上回っていることが筆意用です。そのためには、打ち消しに使われるカードはフレアを消費する(≒相手の資本が減る)切札のほうが望ましいということになります。
 逆に、消費3~4フレアでライフ1点というのは客観的に見ると燃費はあまり良くありません。「これが当たったらリーサル!」という場面以外ではあまり打たないほうがよいでしょう。(そもそも、『切取法』をリーサル以外で使用してはいけない、という話もありますが)

 相手の対応札による資本差の変動の例として、おおまかにS7-2までのカードを一覧表にしてみました。プレビューから見たところスマホからだと少し見づらそうですがご了承下さい。

 必要なのは、あくまでこの表の数値をすべて覚えるなんてことではなく、
・攻撃/対応はオーラ受けとライフ受けで資本差の変動に雲泥の差がある。すなわち、ある程度まではライフ受けできるようなライフを保ってリーサル盤面を作る必要がある。
・切札で対応させると資本差を維持できるのでお得である。
・相手や自分のオーラの数などによって相手の対応札が資本差に与える影響は異なる。したがって、相手のカードプールに合わせて『切取法』を使う前に盤面のお膳立てをするのが重要である。
の3つです。特に、『切取法』のためのフレアを確保しようとするとライフ受けが増えがちです。「『切取法』への対応をライフ受けしても死なないレベルのやんちゃなライフ受け」とブレーキを一つかけ、1つ目の視点を見落とさないように気をつけましょう。

 それでは、『切取法』の-/1に対応を切らないといけない場面はどのようなときでしょうか。
 それはずばり、
・ライフが少なく
・資本差もあるため
・すべての-/1を素通しするとゲームに負けてしまう
という三拍子が揃った状況になります。特に、一番目と二番目は本来は排反*13なので、この状況を作るには、フレア回収やライフ回収を効果的に活用する必要があります。

 また、このカードを効果的に使うには、「本来の想定とはことなるタイミングでの対応札の使用」という相手の動きの歪みを咎めるカードが必要になります。さらに言い換えると、『切取法』の-/1以上に強力なカードですね。
 典型的な例はカムヰの『紅刃』ですね。他にも、ライラの『風雷撃』なども当てはまるでしょう。相手目線でこれらのために抱えていた打ち消し札やステップ対応を『切取法』に無理に使わせることで、相方の強い攻撃をクリーンヒットさせられます。

 最後に、ここまでの話の前提となる「少ない消費フレアで-/1をいっぱい飛ばす」ために必要な資本差とフレアですが……これはアキナのカードを表で振っていれば自然と達成できるでしょう。
 というのも、そもそも投資は資本においては影響がない以上、相場2以上の状態で回収をするたびに資本差は必ずつきます。アキナには『投機』『盤狂わせ』『直接金融』といったAP収支の大きいカードがたくさんありますしね。
 さらに、相手の最終盤面のフレアはフレア回収やライフ回収で減っているのに対して、こちらは減ったライフをすべてフレアに変換できているはずです。

 また、私が個人的に意識する立ち回りとして「敢えてギリギリ死なないレベルの裏目(≒ライフに大ダメージが入る)を相手に見せて、無理な動き(≒後退や宿しといった相手の資本が増えない動き)を強要して返しに『切取法』でリーサルを狙う」というものがあります。
 考慮するべき事項が多くて毎回できるというわけではありませんが、上手くハマるとそのまま勝利に一直線で気持ちが良いので、アキナに慣れて思考を割く余力が出てきたときは、ぜひ狙ってみてください。

4. サンプルデッキ紹介

 アキナの一般論としては以上になります。ここでは、最後に具体的なアキナの構築をご紹介しようと思います。

 ここでは、私が非公式のリーグ戦で一ヶ月間使い続けた扇剣算(トコヨ/カムヰ/アキナ)の三柱から、扇算(トコヨ/アキナ)と剣算(カムヰ/アキナ)をご紹介します。

 どちらも『切取法』『御明算』を軸にした組み合わせとして強度が高く、アキナの強い動きを紹介するうえでおあつらえ向きとなっています。ぜひ、アキナを使ってみたくなった方は練習台として真似していただけると嬉しいです。

4.1. 扇算(トコヨ/アキナ)

 まずは扇算(トコヨ/アキナ)を紹介します。扇算は『梳流し』による相場の増加と、『雅打ち』による相場の維持の両方に優れた、非常にライフ回収を狙いやすい組み合わせです。
 また、『無窮ノ風』によって『切取法』の火力も間接的に増やせるので、アキナの主張を体験するうえでうってつけの組み合わせになっています。

 それでは、扇算の構築例と簡単な立ち回りについて、紹介していきます。

4.1.1. 構築例

梳流し/雅打ち/晴舞台/恫喝/算法/盤狂わせ/直接金融
無窮の風/開方冥式切取法/源上安岐那の御明算

 自由枠は『晴舞台』『算法』『無窮ノ風』あたりだと思います。特に、相手が行動/対応や付与/対応を持たない場合は『無窮ノ風』は『久遠ノ花』などにしたほうが安定すると思います。
 通常札はあまり変えることはありませんが、『投機』を積みたい場合は『算法』を抜くことが多いです。その場合、偶数再構成を意識して、『盤狂わせ』がボトムに行ってしまっても爆発しないように注意しましょう。(『算法』が抜ける場合は、対応札を手札にキープする場面も減るので、そこまで難しくはないと思います)

4.1.2. 立ち回り

4.1.2.1. 一巡目

 1T目は『直接金融』でほとんど固定です。

 2T目は後手の場合、『直接金融』から落ちた納や回収でダスト2以上作れそうなら『晴舞台』を間合い7で展開して、相手にしゃがみを要求します。このとき、相場2+投資券+1フレアの状況を作れると、『晴舞台』の【破棄時】効果から投資ライフ回収の圧力をかけられます。(このとき、『算法』を持っていると相手の攻撃を避けながら『晴舞台』の-/1が飛ぶ間合でターンをもらえたりします)

 3T目は先手の場合は上述の動きを狙って『晴舞台』を展開します。このとき、相手のフレアを『直接金融』で投資してから回収できると、相場が1で『御明算』を展開でき、回収と『御明算』でちょうど出てきたダストを『晴舞台』の納にできます。
 相手がそこそこ前進してきたときは、『恫喝』や『梳流し』を当てに行きましょう。

★Advanced
 『梳流し』を使うとき、気持ちとしてはステップ対応などのケアで『無窮ノ風』を開けたくなると思いますが、基本的には空けないほうが最終的に得をしやすいです。これには、
・そもそも、切札を見せずに『久遠ノ花』を警戒させると相手の動きが歪むことがあって強い。
・後ろステップの場合、『晴舞台』が当たりやすくなる。
・手札から対応を切ると、相手の次のターンの攻め手が緩くなるので相場が下がりづらくなる。(≒結果オーライ)
・-/1を当てるために『無窮ノ風』を使ってもリーサルで『切取法』の回数が減ったら本末転倒。また、-/1を当てるよりも『御明算』を空けてライフ回収したほうが強い。
といった理由があります。

 たまに、ここで敢えて『無窮ノ風』を温存すると、相手がリーサル計算時に『久遠ノ花』前提で『切取法』の計算をしてくれることがあります。そういったときにそっと『無窮ノ風』で相手の手札の対応札を落とすと、『切取法』の-/1も通りやすいですし、後続の『梳流し』や『御明算』ライフ回収と合わせてリーサルを取りやすくなります。

4.1.2.2. 二巡目~リーサル手前

 引いた手札と盤面に合わせて最適な立ち回りをしていきます。

 基本的には、
・投資券を使ってライフ回収
・御明算ループ
・『直接金融』を展開してしゃがむ
・『算法』や『盤狂わせ』から『梳流し』『恫喝』を振る
・相手が全力札を使ってきそうなときに間合い3に離脱して『晴舞台』を展開する
・本当にすることがないので纏い宿しで資本差を稼ぐ(非推奨) あたりから選んでいくことになります。ここでは、相手のフレアを妨害して相手の決定力を落としながら、ジリジリ自分のライフをフレアに送って『切取法』の準備を進める意識で動きましょう。

 このとき、複数枚の投資券で相場を一気に4にしてからライフ回収しておくと、フローに常に桜花結晶がある状態を作れます。リーサルのときに使用する可能性があるので、ここで出来た余剰フローはライフ回収以外で使わないように気をつけてください。

4.1.2.3. リーサル

リーサルはものすごく単純で、
・回収で相場が1になった場合、(『盤狂わせ』→)『無窮ノ風』→『切取法』→『梳流し』→『御明算』ライフ回収(『無窮ノ風』がライフに入った場合は、先に『御明算』オーラ回収で相場を1に戻すか検討する)
・ライフ回収で相場が2の場合、(『盤狂わせ』→)ガン宿し→『御明算』オーラ回収2纏い→『無窮ノ風』→『切取法』→『梳流し』
のどちらかです。文章にすると複雑に感じるかもしれませんが、やっていることは「『無窮ノ風』で対応を落として『切取法』、ダメ押しは『梳流し』と『御明算』ライフ回収」というだけです。『切取法』で対応の上から3点、『梳流し』で1点、『御明算』ライフ回収で1点がよくあるパターンで、状況次第では資本差から-/1で『恫喝』を打てたりもします。

 気をつけることといえば、『恫喝』が-/1になるように『御明算』ライフ回収のタイミングに気をつけること、相手の攻撃/対応をライフ受けしたときに相場を4まで引っ張れるかどうか、のニ点ぐらいでしょうか。意外とリーサルを狙う側は考えることが少なめなので、ぜひ†暴れて†勝利を掴み取ってください!

4.2. 剣算(カムヰ/アキナ)

 次に紹介するのが剣算(カムヰ/アキナ)です。剣算は『散華刃』『四剣乱刃』といったカムヰのカードが資本差をつけることでアキナの主張を強め、対してアキナの『恫喝』『切取法』といった-/1がカムヰ単体では微妙に取り切れない数点を補ってくれる、シナジーに優れた組み合わせです。

 また、カムヰの「攻撃に向いた汎用的な切札がなく、カムヰ単体だとフレアを余らせて禁忌死してしまう」「禁忌死の直前に全力で後退されるとリーサルを取れない」といった課題を『切取法』によって解決できる組み合わせでもあります。上から主張を押し付ける快感を、ここではお伝えできたらと思います。

4.2.1. 構築例

紅刃/散華刃/四剣乱刃/算盤玉/恫喝/算法/直接金融
尸/開方冥式切取法/源上安岐那の御明算

 自由枠は『算盤玉』『尸』あたりだと思います。『盤狂わせ』は、返しに相手が間合2まで前進してくるとメインフェイズ開始時の間合が1になってしまい、全力化『四剣乱刃』や『直接金融』の1/0を活かせなくなってしまうのでオススメしません。(他の組み合わせなら相手の離脱を待っていてもいいのですが、カムヰの場合は禁忌死しちゃうんですよね……)入れ替えるとしたら『投機』などが多い印象です。
 『尸』は『理』や『手打表』と入れ替えても全然OKです。相手を見て一番刺さるカードを入れるようにしましょう。

4.2,2. 立ち回り

4.2.2.1. 一巡目

 1T目は『直接金融』でほとんど固定です。

 2T目は『直接金融』から落ちた納を纏い(宿し)で拾って終わることが多いです。

 3T目は主に2つの流れがあり、一つ目が『恫喝』を振りに行くパターンです。このとき、『直接金融』をオーラ投資に使い、オーラを空けてから前進することで『恫喝』を振りやすくなり、相場も4にできます。こうすることで、相場がそのままならライフ回収、相場が3になったらライフ受けで湧いたフレアで『恫喝』をフレア投資にしてライフ回収に繋げられます。
 もう一つが、『直接金融』でオーラ投資&フレア回収をして、消費1フレアで『御明算』を開けて手札に『恫喝』(+『算法』)を抱えて再構成するパターンです。相手が前進を拒否して宿しで手番を返してきて、『恫喝』を振るために費やすリソースが釣り合っていないときはこの動きをとります。

4.2.2.2. 二巡目~リーサル手前

 二巡目以降は、全力化『四剣乱刃』の圧力をかけて相手にオーラ3以上の構えを要求しながら『直接金融』で資本差をつけていきます。

 このとき、オーラ回収→『御明算』→禁忌『散華刃』と繋げられると、爆速で相手のオーラを粉微塵にできるのでオススメです。
 『紅刃』の使い方はややシビアです。個人的には、「相手より先に再構成をしそう(=相手のステップ対応よりも『紅刃』を先引きしやすい)」な場面では4/2、そうでない場面は3/1で振ることが多いです。
 『紅刃』や『算盤玉』で相場を4にしてから『算盤玉』でライフ回収できると強いですが、上述のためにオーラを構えようとすると相手はこちらの相場を下げづらいはずなので、『算盤玉』を無理して抱えようとはしなくて問題ないと思っています。

 『恫喝』は『算法』から打つのがオススメです。(もちろん、禁忌『散華刃』で空いたオーラを即時に埋められるのであれば後退もギリギリ許容でしょう)
 このようなときに、『紅刃』や『散華刃』などの離脱が必要なカードも一緒に振れると無駄が少ないです。

 扇算と同様で、リーサルでライフ回収の選択肢を残すために、最低でも1つの余剰フローは確保できるように動きましょう。このとき、2つの余剰フローを用意できると『算盤玉』と『御明算』の両方で回収を狙えて安定性が上がりますが、これは努力目標で大丈夫です。

4.2.2.3. リーサル

 こちらのリーサルも単純です。扇算の場合と同様に回収および『御明算』で相場を1にして、『切取法』で相手に対応札を切らせながら打点を稼ぎ、『紅刃』や『算盤玉』ライフ回収などでゲームを〆ていきます。

5. 実際の構築(S7-2プレリ)

 それでは、最後に具体的な構築を紹介して終わりにしましょう。これらは、ヱゐさん主催の非公式リーグ戦にて私が実際に使用した構築になります。

 シスイ未実装かつS8のカード更新前という少し特殊な環境における戦績なので、このまま扇剣算がS8環境で戦えるかは保証いたしかねますが、扇算および剣算の構築を考える際に考慮した点などを言語化して、皆さまの眼前構築のお役に立てましたら幸いです。

 本来は完全戦三拾一捨というレギュレーションでしたが、メガミBANの理由まで書こうとすると文章が冗長になってしまい、「具体的な構築の紹介」という本筋からそれてしまうので、本記事では省略します。
 詳細が気になった方はTwitterのDM(最後に記載してあります)などで質問してくだされば喜んで対応しますので、よろしくお願いします。

5.1. 扇算vs旗算 勝ち

 旗算(ホノカ/アキナ)は『守料術』から『胸に想いを』を開け、爆速で『そして新たな幕開けを』を使用するのが最も目立った主張の二柱です。しかし、これはアキナハーフミラーにおいては、
・1T目からダストを作るので『直接金融』の納をダストから展開できるようになり、資本差が加速する。
・そもそも、『胸に想いを』を開けているので資本差で不利がつきやすい
・フレア回収やライフ回収、『盤狂わせ』を上手くつかわれると、『守料術』の効果で戻せるライフが4未満となってしまう可能性がある。
といった弱点が目立ってしまうので、個人的には警戒する必要は皆無だと思っています。(さすがに『そして新たな幕開けを』の3/3や4/4などをライフで喰らうと敗色濃厚なのでそこだけ気をつければOK)

 『そして新たな幕開けを』を使わない場合は通常札を軸にしたテンポビートになるはずですが、こうなると旗算は決定打に欠ける*14印象があります。これらの話をふまえて、最終的にはこのような構築にしました。

梳流し/雅打ち/晴舞台/算盤玉/恫喝/盤狂わせ/直接金融
無窮ノ風/開方冥式切取法/源上安岐那の御明算

 カードの採用意図などはデッキ紹介で説明したコンセプトの通りです。『算盤玉』が入っているのは扇剣算を使い始めたばかりで構築が洗練されていないためだと思います。(今なら、一巡目の折衝および『盤狂わせ』ボトムをケアするために『算法』を積むと思います)

 桜花決闘としては、お互いに一巡目は前進拒否しながらジリジリと間合を詰め、こちらが『算盤玉』オーラ受けと『御明算』で出来た2ダストから間合4で『晴舞台』を展開した返しに、一気に間合2へと収束します。*15

 二巡目にて、相手が『直接金融』を打ってきそうなタイミングで『晴舞台』を展開します*16が、ここで「オーラ回収→『突撃霊式』→『御明算』オーラ回収→『この旗』→『指揮』」を一気に食らってオーラ5とライフ3が一気に溶けます。
 さすがに少し焦りますが、これによって相手のフレアはカツカツになったので、「相手は最後の2~3点のリーサルを取ることが難しい」「『神霊ヲウカ』が来ても、ライフ受けから返しに『切取法』でリーサルを取れる」と考え、『神霊ヲウカ』ノーケアの『直接金融』をぶっぱします。
 お相手は返しにしゃがんで手番を返しますが、ここらあたりで『神霊ヲウカ』をライフ受けできない時間になり、「このままオーラ受けしていても資本差が縮むのでリーサルが遠のく」と判断して再構成をかけます。

 そしてここで引いたのが……

恫喝 & 梳流し
 ……『御明算』ダスト投資から『無窮ノ風』で相手の『算法』を落とし、離脱後退から『梳流し』『恫喝』『御明算』ライフ回収でリーサルでしたとさ。めでたしめでたし。*17

5.2. 剣算vs旗算 勝ち

 旗算の説明は上述したので省略。

 構築はこうなりました。

紅刃/散華刃/四剣乱刃/算盤玉/恫喝/算法/直接金融
理/開方冥式切取法/源上安岐那の御明算

 『尸』を『理』に変えたこと以外は、剣算の構築テンプレそのままです。

 『理』の採用意図は、
・『御明算』によるテンポリードの妨害
・『切取法』による頓死のケア
・こちらの『切取法』に『四季はまた廻り来る』で対応させづらくする
の以上3点です。

 桜花決闘としては、一巡目にお相手が『守料術』『胸に想いを』を空けます。それに対して、こちらは『算盤玉』でオーラダメージを与えながら前進してから『恫喝』を振ってライフダメージも稼ぎます。そのまま、『両手に華を』を開けてきたお相手に対して『直接金融』と合わせて投資してライフを回収します。
 その後も、相手が『両手に華を』にリソースを費やすためにこちらの相場を下げづらいことを利用して、積極的に『恫喝』とライフ回収でジリジリ削っていきます。

 最終的には、お相手の『守料術』の効果でライフが2点しか回復せず、そのまま禁忌『散華刃』で押し切って勝ちでした。こればっかりは相性的に有利なので致し方なしです。

5.3. 剣算vs心社 勝ち

 心社(ユリナA2/ユキヒA)は非常にテンポリードに優れた組み合わせで、『阿吽』と『ひらりおり』によって相手のリソースを破壊し、『天音揺波の底力』をライフにぶつける戦術が有名……だと思っています。

 しかし、そのような場面で活躍するのが『投機』『直接金融』、そして回収です。『天音揺波の底力』についても『大衍算顆手打表』があれば頓死は防げるでしょう。

 というわけで、剣算の構築はこのようになりました。

紅刃/散華刃/四剣乱刃/算盤玉/投機/算法/直接金融
開方冥式切取法/大衍算顆手打表/源上安岐那の御明算

 相手がオーラ剥がしに長けていることから、『恫喝』のための資本差および後退リソースの確保は難しいと判断して構築から抜きました。代わりに、フローの確保兼オーラ補給のために『投機』を採用します。『大衍算顆手打表』については上述したとおりです。
 また、今回は『切取法』に切れる対応札が、切札と『紅刃』のために残したいであろう『ひきあし/もぐりこみ』しかないので、『紅刃』と一緒に振れたらリーサルを取りやすいだろうなあ、とか考えていました。

 桜花決闘としては、『直接金融』およびフレア回収で資本差をつけ、お相手の一巡目の攻撃をケアしながら1フレア『御明算』を開けます。その後は『しこみばり』によって相場は下がりますが、『投機』でオーラを空けて一気に前進し『算盤玉』でオーラダメージを与えてからの禁忌『散華刃』でグイグイ資本差をつけていきます。
 この辺で、お相手が一巡目に宿しをしたために慢性的なオーラ不足に陥り、『阿吽』からも2/1が飛んでこないのでのびのびとした状況が続きます。道中でライフに通るとライフ回収で合計2点が確定する『四剣乱刃』を『ひきあし』で避けられたことで次のターンに『紅刃』がクリーンヒットします。

 あとは手なりで押し込み、最後は『切取法』に『浦波嵐』を吐かせて『手打表』で相場を4にして『御明算』ライフ回収でリーサルでした。これも相性差がこちらに傾いていたのが要因だと思います。

5.4. 剣算vs嵐兜 勝ち

 嵐兜(ライラA/ミズキ)は……正直よくわかりません。『天主八龍閣』からのリーサルラインが高いことと、意外と『天雷召喚陣』が強いということは知識としてフワっとあります。

 ちょっと参考資料を置いておくので、これで勘弁してください。

izu24furuyoni.hatenablog.com

 しかし、ミズキへの有利な立ち回りは抑えていたので、それを意識しながら構築を決めることは出来ました。

紅刃/散華刃/四剣乱刃/算盤玉/投機/算法/直接金融
開方冥式切取法/大衍算顆手打表/源上安岐那の御明算

 はい、心社対面とまったく同じ構築ですね。しかし、ここからがマグマなんです。

★ミズキの倒しかた★
①『直接金融』
②2フレア『御明算』→『投機』2オーラ→ダスト
③『直接金融』『御明算』投資→ライフ回収
④ふりだしに戻って以下ループ
⑤ヤー!!(『切取法』)
⑥パワー!!(『御明算』ライフ回収)

 上述の動きをしながら、ジリジリと前に移動して桜花結晶を資本に変換していくだけで、基本的にアキナはミズキに対して有利を取れます。ただ、今回はお相手が『風走り』をちゃんと採用していたので、二巡目の中盤ぐらいからは真っ当な殴り合いになりました。
 『手打表』は『天主八龍閣』や『天雷召喚陣』から飛んでくる攻撃からライフを守るために採用しています。ミズキに対して『尸』を採用すると、『反攻』(ミズキ)→『闘神』(コダマ)→『槍兵』(おじさん)とメガミ(?)情報をすり抜けながら攻撃を喰らって負けることがある、というのも『尸』を抜いた理由です。

 桜花決闘としては、
 一巡目は『直接金融』と2フレア『御明算』で投資券を2枚確保し、安定のライフ回収をキメます。
 ニ巡目には『風走り』から間合2~3に収束し、『直接金融』の【破棄時】効果の1/0で『大嵐』を馬鹿にしながら、『防壁』を持ち物検査するために禁忌『紅刃』を振っていきます。その結果『円環輪廻旋』で対応されながらライフ受けされ、満足していた返しに『暴風』→4/2『反攻』で3点取られてしまいます。
 しかし、ここで『直接金融』を宇宙引きして、返しの(ほぼ透けていた)納3『大嵐』をまたしてもバカにすることに成功します。その結果、最後は『切取法』と『手打表』で相場を4まで押し上げ、『投機』でフローを増やしてからの『算盤玉』ライフ回収でリーサルでした。これも相性差による有利が大きかったマッチアップだと思いました。

5.5. 扇算vs橇算 勝ち

 橇算(コルヌ/アキナ)はオーラ回収や『直接金融』から『絶対零度』などによる凍結が主張として強力なメガミです。また、『絶対零度』が『恫喝』や『切取法』の対応としてかなり優秀なので、相手にしたくない組み合わせではありました。
 しかし、中距離同士の殴り合いであれば『晴舞台』の本領発揮です。最終的な相性は五分であると信じて、このような構築にします。

梳流し/雅打ち/晴舞台/恫喝/投機/盤狂わせ/直接金融
無窮ノ風/開方冥式切取法/源上安岐那の御明算

 扇算のテンプレ構築から、『算法』を抜いて『投機』を採用したものになります。『投機』は純粋な2纏いとして使ってもいいですし、オーラを空けて前進できるので、実質的に『かじかみ』のメタカードでもあります。

 桜花決闘としては、一巡目からお相手に『直接金融』→全力化『絶対零度』と繋げられて涙まで全凍結します。ここからなんとか原状復帰をしたあと、こちらは『直接金融』からオーラ投資フレア回収で相場を1にして、相手には同じ動きをされないように『投機』でオーラをフレアではなくフローに送ります。

 それからは、お相手がフルリソで動きたそうな場面で、回収と消費1フレア『御明算』で生じたダストから間合6で『晴舞台』を展開してお伺いを立てます。そこでお相手は後退から2フレアで『御明算』を開けて纏いでお茶を濁します。その結果、お相手には『直接金融』『御明算』の2投資からライフ回収されてしまいますが、返しに『恫喝』『梳流し』『雅打ち』をライフに当ててライフリードの確保に成功します。*18

 そして、二巡目にこちらの『直接金融』が底り、お相手が『御明算』の【使用済】効果でほぼ毎ターン宿しを行ったことでフレア差が非常に大きくなり、こちら側は決定力不足に陥ります。しかし、全力化『絶対零度』の1/2に境地『雅打ち』を使用することで相手のオーラ計算を崩し、オーラ回収から『無窮ノ風』と『雅打ち』をライフに通してギリギリリーサルを取ることが出来ました。

 道中で『コンルルヤンペ』のケアを切った場面もあり、相性的にもほぼ同等だと思いましたが、『直接金融』が底ったディスアド分を『雅打ち』を適切なタイミングで使用することでカバーできたのが勝因だと思います。

5.6. 算剣vs絡算 勝ち

 絡算(クルル/アキナ)は『守料術』から『びっぐごーれむ』を使用する構築が非常に有名で、『守料術』によって付与(緑)機巧を確保しやすい点から『あくせらー』や『とるねーど』との相性もよく、噛み合わせに優れた組み合わせです。

 対応札も『くるるーん』と『算法』があるため非常に厄介ですが、全力カードを使用したタイミングにこそ付け入る隙があると信じて、このような構築にします。

紅刃/散華刃/四剣乱刃/血晶乱流/恫喝/投機/算法
阡/開方冥式切取法/源上安岐那の御明算

 タイムリミットが決まっている勝負なので、『直接金融』を抜いて、一巡目の『どれーんでびる』および『直接金融』をケアするためにオーラを一気に減らせる『投機』を採用します。 また、『算盤玉』も書いてある数字が小さいので構築から抜きました。代わりに、相手が『びっぐごーれむ』の再構成で投資券を使って相場を4にしてきても3に戻してライフ回収ケアできるように『血晶乱流』を採用します。

 桜花決闘としては、一巡目に『直接金融』に納を乗せた状態で『びっぐごーれむ』を完成され、その返しに消費1フレア『御明算』と-/1『恫喝』でライフ回収にリーチをかけますが、『とるねーど』で相場を落とされたことでライフ回収は失敗します。
 その後は、再構成からトップで『血晶乱流』を引き、相手のオーラを4つ剥がしながら間合3に着地します。それからはボチボチ『散華刃』をライフに通し、オーラを0にすることで『直接金融』で相手のオーラが増えるのをケアし続けます。

 最終的には、「『算法』→禁忌『散華刃』→『御明算』オーラ回収→3宿し→『阡』(オーラを納にして『どれでび』ケア)→『切取法』」で一気に6点(3点+『守料術』3点)を取って一気に追い詰めます*19。お相手はオーラ1で『直接金融』を打つしかなく、次のターンに『四剣乱刃』で相手のライフを0にすることで、最終的には「『とるねーど』を引かれたら負け」という60%の勝負になり、引かれなかったので勝ちました。

 お互いの動きにほとんどミスはなく、勝負を分けるとしたら
・こちらが『恫喝』を当ててライフ回収にリーチをかけたときに『とるねーど』を引かれるか
・最後に『とるねーど』を引かれるか
の2点だけだったと思うので、「まあ五分やなあ」という気持ちになりました。

5.7. 算剣vs鎌橇 勝ち

 鎌橇(ウツロ/コルヌ)はウツロのカードによって空いたオーラを凍結させるのが強力な組み合わせで、豊富な対応札と凍結によるレンジロック性能から、カムヰ耐性が非常に高いことで有名です。

絶妙なフレアの軽さも、強みですよね。

 序盤に『黒き波動』や『剣の舞』をライフ受けしすぎると、-/2になった『円月』によって負けてしまうこともあるので、カムヰを宿す側は常に動きに悩み続けます。

 そんな鎌橇ですが、剣算においては、
・『投機』によるレンジロック対策およびオーラ補充
・『御明算』による凍結解除
・『恫喝』という間合5での打点
・ライフ回収
と抗う手段がそこそこあるので、割りといい勝負(体感4:6で剣算微不利)というのが私の直感でした。そんな剣算の構築がこちらです。

紅刃/散華刃/四剣乱刃/恫喝/投機/算法/直接金融
開方冥式切取法/大衍算顆手打表/源上安岐那の御明算

 小ネタですが、ウツロ対面においては『算法』と『恫喝』を手札に抱えた状態で『黒き波動』を『算法』で対応してからオーラ受けすると、間合6より後ろでも『恫喝』を投資券として捨て札におけます。
 また、このカードがあると一巡目の『剣の舞』『ウパシトゥム』のケアしやすさが格段に異なるため採用してます。

 切札は自由枠に『手打表』を入れていますが、対戦を終えてからの結論から申し上げると『尸』のほうが安定しそうです。というのも、『手打表』を切る価値のある対応は『ウパシトゥム』と『コンルルヤンペ』ぐらいしかなく、不採用の裏目を気にするよりかは『尸』のほうが効果的な印象でした。

 桜花決闘としては、一巡目に2フレアで『御明算』を開けて上述の方法で『恫喝』を捨ててライフ回収を狙っていましたが、リソース的には相手に『円月』があった瞬間に破綻しているので明確に失敗でした。
 しかし、この桜花決闘では、再構成からトップで『投機』『算法』を引くことに成功し、3/2『剣の舞』を避けられたので運の力でディスアドをごまかせました。

 それからは、『紅刃』に『レタルレラ』を切られた次のターンに再構成から『紅刃』を引くことでライフ2点を取ったり、フレア回収で『虚偽』を封じてから全力化『四剣乱刃』を振ってオーラ3つライフ1点を取ったりと、こちらにとって都合の良いように盤面が傾き、ライフリードを稼ぎます。

 しかし、リーサル間際に『切取法』のために『黒き波動』をライフ受けしたところ、『終末』を展開されて命の危機に頻します。しかし、『紅刃』と『四剣乱刃』が偶然いい感じに刺さっていたため、最終的には『終末』でこちらの動きが歪んで2回目の-/2『円月』を受けてライフ1山札1まで追い詰められても、焦燥引きからちゃんとリーサルを取れたので勝ちました。ちなみに山1は『散華刃』なのでビックリするほど盤面と噛み合ってて草生えました。

 こうして思い返すと、相性差といえど改善できる余地はいくつかあったので、次はもう少し引きが弱くても勝てるようなプレイングを心がけたいですね。

6. あとがき

 以上がアキナレビュー記事になります。ここまで読んでくださった皆様に感謝を申し上げます。最後の構築の具体例について書くために、シミュレーターのログを遡って思い出す作業がマジでしんどかったです。
 ここまで長々としたり顔でアキナ様について書きましたが、評価というのは時の流れによってコロコロ変わるものです。この記事の全てを鵜呑みにするのではなく、常に「これ本当かよ!?」と疑いの目を向けながら吟味し、知見を深めるのに役立てていただけたらと思います。

 新しいメガミも追加され、カードも新しく更新されたことで、私を含めて「これから心機一転、S8を楽しむぞー!」と考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。ぜひ、色々な構築を試して楽しんでいきましょう。

 そして、新しい構築を模索する際に、この記事がほんの少しでも皆さまのアイデアにちからぞえ(これはユキヒAのカードではありません)が出来たのであれば、非常に嬉しいです。

 考察の内容の関係の有無を問わず、気になった点やご意見、ご指摘などがございましたら、このブログのコメント欄か、私のTwitterアカウントまで持ってきてくださると、非常にうれしいです。
 この記事の画像は「ふるよにコモンズ/BakaFire,TOKIAME」から拝借しております。

URL: https://main-bakafire.ssl-lolipop.jp/furuyoni/na/rule.html

*1:APとはアクションポイントの略で、カードの効果を「基本動作n回分」と定量的に評価する手法の一つです。詳しくは、提唱者であるあかさきさんのnote記事を読むことをおすすめします。 note.com

*2:例えば、前進したいときにオーラを投資することでオーラの空きをつくり、そのまま回収しないことはたまにあります。

*3:例えば、中途半端に攻撃するとアキナ側のフレアが増えて資本差がつくので、『恫喝』が-/1になったり『切取法』による-/1の回数が増えたりします。

*4:特に、相手のフレアが0だと『盤狂わせ』を展開しても後ろに下がれなくなるので、『恫喝』が振りづらくなってしまいます。

*5:例えば「『御明算』の【常時】効果で宿し→『御明算』を投資券として利用→オーラ回収」や、一巡目に「『直接金融』を投資券として利用→フレア回収→消費1フレアで『御明算』」といった動きは、1フレアで『御明算』を開けて投資券を構え直せるので強いです。詳細はカード紹介で説明します。

*6:攻撃札の左下に書いてある、(オーラダメージ)/(ライフダメージ)のことです。

*7:例えば、フローが0で『御明算』からライフ回収によってリーサルのときは、このカードで自/フレアを自/フローに送ることが最適解になります

*8:具体的には、オボロAの『最後の結晶』、ヤツハA2の『彼女にとっての自我と決意』、アキナの『守料術』です。

*9:具体的には、相場1のときの相/オーラ→自/オーラと、相場2のときの相/フレア→ダストなどです。相場3のときの投資券→ライフ回収は厳密には2APではないかもしれませんが、それはそれで強いのでヨシとしましょう

*10:さらに言えば、ふるよにのカードは上から順番に処理するという大原則があるので、オーラが3以上のときは自/ライフが自/オーラに移動しません。

*11:『切取法』でリーサルを狙う場合は、フレアと資本差を確保するためにギリギリまでライフを削ることが望ましい

*12:相場2の切取法をライフに通すと次の-/1は3フレア消費になるが、打ち消されると相場は2のままなので、次の-/1も2フレア消費で打てる。

*13:ライフにダメージを与えるとフレアに移動するので、相手の資本は増える

*14:『突撃霊式』は『算法』や『盤狂わせ』といったお膳立てが必要なことや、ゲームスピード的な問題から複数回の使用に向いてなく、『神霊ヲウカ』は全力札なのでリーサルにおいてはあまり貢献しない。特に、『神霊ヲウカ』はライフ受けされると返しに『切取法』でリーサルを取られるリスクもある。

*15:あえて間合4で晴舞台を展開することで、後退したら『恫喝』-/1と『晴舞台』回避が両立せず、『恫喝』をそのまま振ると『雅打ち』が打ち消される、というジレンマを相手に強いることができました

*16:これには、相手が後ろに下がって攻撃されるという裏目がありますが、その場合は『晴舞台』が当たるので結果オーライ

*17:マジレスをすると、引きが下ぶれた場合はお相手の切札ラスト1枠じゃんけんになり、『四季はまた廻り来る』だった場合は負け……ということが感想戦でわかりました。

*18:ここの『雅打ち』は相手の『恫喝』に非境地で使用したもので、オーラ受けだと『恫喝』が-/0、ライフ受けだと1点交換というかなり強い状況で振れたものでした。

*19:『阡』の効果処理の順番が「相手にライフダメージ(相場+1)→自分にライフダメージ(相場-1)」なので、『阡』をライフに通しても『切取法』を相場1から使用できました」